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一般投稿欄

続 基本的人権・自由を否定する銀河さんへの反論

2005/10/13 スカンジナビアン 50代 自営業

 前回の投稿で、先ずもって、
銀河さんご自身が・・武装の継続なしでは奴隷状態にされかねい・・という重大な危 惧を持っているご自身の革命論、革命方針のもとに他の広範な労働者人民大衆が支持 結集すると本気で考えているのか?
そのようなことはありえないと考えるのが常識だろう。
と述べました。
 今回はさらにその(奴隷にされかねない)社会主義像についてです。(引用に際し ての敬称略)
銀河曰く
・・社会主義革命とはいったいなんなのか。それは生産手段を労働者階級が握る革命 の事です。この革命においては私有財産を認めません。ここで言う私有財産とは労働 者から搾取して得る財産のことです。それは認めない。生産手段とは工場や土地の事 です。このような 革命はブルジョアジーの存在を許さないのです。・・
 ついでに言えば何故社会主義と言えば、すぐに上記のような定義付けになるのか、、 その根拠はどこにあるのか、、と言えば、それは
勿論マルクスの革命論を根拠にしているのですよ!ということでしょう。
 だってマルクスがそう言ってるんだよ!と言ったとこか。
 現実の社会・歴史に学ぶのではなくあれこれの書物の中に埋没するということなの でしょう。

 まあ私はマルクスの革命論、より根本的には未来社会論は既に130年ほどもたっ た遠い過去のもので、その根幹部分はロシア革命の破産と言う形で決着済みの古臭い ドグマに過ぎないと思っています。
 誰しも未来社会を展望することは巨大な困難を伴うもので、むしろ、彼ら(エンゲ ルスを含む)の革命論をそのような只の試論だったと解釈してあげることがマルクス やエンゲルスの資本主義社会の不滅の分析家としてのその真価を再認識できるものだ と思います。

 上記のドグマでは、生産手段を社会的所有にすることと同時に私有財産を持つ事も 否定されています。
 しかしながら、マルクス自身も何故そうした革命上の手段が社会のより豊かな発展 に有効なのかと言った疑問にきちんと答えているでしょうか。私は浅学にしてそうい う事実を知りません。
 もっと簡単に言うとそういう社会モデルは既存の資本主義社会に比べて人々をより 豊かにできるのか?と言った疑問です。

 自由と民主主義という豊かさに於いては、奴隷状態にされかねないのであれば、全 く問題外です。この一事をもってしても全く落第です。
 銀河さんが・・武装を継続しなければ奴隷にされかねない・・と思った瞬間に無意 識の内に、その社会モデルが全くの問題外の落第モデルである事を認識しているので す。(本人はそう気付いていないようだが)

 社会生活の基礎となる物質的な豊かさはどうか?
 これも社会が武装し続ける革命派とそうでなかった武器も何も持たない人々に分断 され、(つまりこういう人々は革命政権側と革命派私兵集団側の両方から奴隷状態に されてしまう)まともな生産活動が出来ると思うのか。未来への希望があればこそ人々 は頑張って働くのである。その点では資本家よりもはるかに劣る。
 アフガン(米軍侵攻前のタリバンその他の各ゲリラ間の闘争を見よ)やアフリカの サハラ以南の内戦状態にある諸国を見ればまともな生産活動どころではないことがよ くわかる。
 結局、貧困と飢えと犯罪と暴力の支配する社会だ。

 人間としての根源的な欲求として、頑張って、精神的にも物質的にも豊かになりた い、その物質的な基礎となる私有財産を所有し、増やしたいという自己実現への強い 欲求をどう評価するのか、、
 単にそれがブルジョアジーの物質的基礎となっているからと言う理由だけで否定す るのは、根本的な無理があり、しかしその無理を通そうとする。そこに無理を通す為 の武装闘争(死にたくなければそうしろ)という狂気の革命論がでてくるのである。

 前回の投稿で、北欧諸国のことを述べたが、北欧諸国は自由と民主主義の内容の豊 かさでも、精神的豊かさでも、その社会生活の物質的豊かさでも、世界中のあらゆる 国々の追随を許さない。
 また、この社会モデルがいわゆる成長力(資本主義的競争力)に於いても、日本よ りはるかに高く、世界のトップクラスであることもよく知られている。

 マルクスの破産したドグマの世界とは大違いである。
 成功した社会モデルが現に目の前にあるのだ。
 それは、社会の民主的な変革の連続、積み重ねの結果なのだ。
 その核心部分は・・富の再分配・・のキーワードにある。
 これは国家の税体系の民主的変革と再編成を主とした変革なのである。
 よく、高福祉、しかし高負担と言われ、消費税率25%などと言われるが、その本 質は・・富の再分配・・マルクス的に言ううなら、
・・国家による、資本家に対する、逆搾取・逆収奪・・である。
 そう、これら諸国は私有財産は勿論認め、資本主義社会であり、企業の国有化には 不熱心で、階級間の搾取も勿論認めているが、国家が富の再分配に深く介入し、その 税体系その他諸機構に(例えば医療や年金)きめ細かく富の再分配(つまり資本家階 級への逆搾取・逆収奪)機能を張り巡らすことによって、国民、労働者に明るく強い 希望と自信を与え、それが社会へのゆるぎない信頼へとつながり、、、
 つまり、安心して心豊かに自由に働く事ができ、(誰も奴隷状態などにはならない! 当たり前だが。銀河さんのモデルとは大違いだ)
 そうすることによって、十分な私有財産をもつことができ、精神的にも物質的にも 豊かに暮らせるというゆるぎない社会への信頼感が醸成されているということでしょ う。
 こういう社会では労働者は自信をもって、働く事が出来、そのもてる能力を大いに 発揮させることができるということでしょう。
 こうして、高福祉国家だから駄目なのではなく、それどころか、リストラに明け暮 れる日本社会よりはるかに高い成長力(資本主義的競争力)を有しているのです。
 企業の国有化もそれによる明らかな優位性や必要性について慎重に検討確認できた もののみに絞るべきでしょう。
 それだと搾取され続けるではないか??
 国家の税体系や各種機構の中で、十分に逆搾取・逆収奪できるのだから、あせる必 要はない、、ということなのです。
 それでも世代を経過するごとに貧富の差が広がるではないか??
 その為に、相続税があるのですし、固定資産税だってあるのです。
 なにも銃をつきつけて私有財産を否定し、大戦争の殺し合いなどしなくても、民主 的税体系、諸機構で十分に社会の諸矛盾を解決できる、それだけ豊かな生産力がある (築いてきた)のです。(後進国ではそうはいかないが)
 日本だって先進国でその生産力では北欧諸国並みなのです。
 そして、民主主義がずっと劣ってはいるものの一応ある訳です。
 ですから、我々が展望すべき社会はこの北欧型社会モデル、その日本版はどうある べきかということでしょう。
 アイルランドも成功した社会モデルとしてよく取り上げられるが、こらも北欧モデ ルと近似している。
 またドイツで見られる、企業の経営権への労働者の参加も重要なモデルだと思いま す。
 労働者代表が一定割合で重役となって、企業経営に直接参加するものです。資本家 の経営権を一部奪うと言うシステムです。
 以下は次回にします。