「軍事産業の関係は軍事機密かデータが少ないですが、少なくともスエーデンの輸出世界11位は気になります。
北欧諸国が礼賛に値する国なのかは、もっとよく確認し吟味する必要があります。
批判の為に使うのではなく、良い所は学べばいいし、悪いところは直せばいいのです、その意味で北欧諸国は参考になっても、とても「理想の国」などと言えないのではないかと思っています。」
これは、寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーターさんの指摘です。軍需産業輸出第11位という事実を指摘されており、北欧礼賛に値するのか疑わしいという声です。
私は、ソ連崩壊以降の「理想の国」として北欧諸国を安易に礼賛するのはあやまりだということだと思います。しょせんは、資本主義改良の帝国主義社民的な政権にすぎないという典型的な事例なのです。
60年代における「赤旗」では、宇宙開発先進国であったソ連の科学力を賛美し、「理想の労働者国家」であるように絶賛していた時期がありました。しかしソ連は破綻してしまいましたが、日本共産党の「諸手を挙げて歓迎する」などと空々しく総括しました。というのは、日本共産党日本の声派などの党内対立がかつて存在し、ソ連と日本共産党は対立していたからです。
日本共産党は、ソ連崩壊以降、モデルとしてきた体制が瓦解してきているため、その周辺部分が北欧社民を礼賛するものがでているのは不思議ではないでしょう。それは、東欧の共産党が社民化していった傾向と同様であり、イタリア共産党の左翼民主党への「転向」を彷彿とさせるものでしかありません。
日本共産党の周辺部でささやかれる、「社民化」とはスターリン主義が破綻したあとの延命策としてでしかなく、帝国主義社民の歴史的総括や現実把握もないままに、社会主義として北欧は成功していると取り繕うものでしかないのです。しかし、現実は、戦争の時代には、労働者を戦争に引きづり込んでしまうのが帝国主義社民であるという歴史であるし、現実、武器輸出国であるわけです。この矛盾を、日本だって重工業・防衛産業はあるなどという切り替えしをしたところで、事実を覆せないし、北欧は武器輸出をまったくしていないということではないのですから、「理想の国」とするのは早計でしかない。
また、社民のとった政策は、高度経済に支えられたものであったわけだが、資本過剰の蔓延=経済収縮による高度経済の終焉によって、その社会政策の基盤そのものが瓦解しているということを理解しないといけない。サッチャー・レーガン・中曽根のレーガノミクスの新自由主義反革命経済政策、つまり国家独占資本主義政策の破綻は、社民の改良主義をも頓挫させているのである。現在、推進されている新自由主義政策は、基本的にレーガノミクスに由来するものであるが、現実は資本攻勢と戦争政策なのである。このなかで、社民が対抗軸になりえるほど現実は、甘くはないということである。
その上で、スターリン主義の破綻をうけて、日本共産党周辺部の動揺は隠し切れず、欧州のスターリ二ストらがたどっている社民化への道を日本のスターリ二スト周辺部もたどろうということでしかないでしょう。
ただし、イタリアでは共産主義再建党も結成され、闘われていることに私は注目したいと思います。
<管理人からのお願い>本投稿者は、初回に「反戦・反ファシズム・日本国憲法擁護連合」、その後「反戦・反ファシズム連合」「日本国憲法擁護連合」というハンドルで投稿されており、本サイトをくまなく読まれている方なら同一人物であるとわかると思いますが、別人だと勘違いされる方も多いと思われますので、ハンドルはどれか1つに固定してくださるようお願いします。