来年(2006)年は、いよいよ「憲法改悪国民投票法案」が上程されると予測されています。
2月にはトリノ冬期オリンピック、アジア競技大会、春にはU-17サッカー(ジュニア・ユース)大会、そして6月はW杯ドイツ大会本戦・・・と、国際的スポーツビッグイベントが行なわれるので、メディアにはあんまり期待していません。大半の国民も残念ながらそちらの方へ関心が向いてしまうのではないかと今から心配です。
さて、全国各地で「9条の会」結成・活動がすすんでいるそうですが、うちらの方では恥ずかしいことにかなり低調です(;>_<)。
対話アンケートに行ってきた知人の報告では、「9条の会=(イコール)共産党」と誤解している市民がまだ多くて困る、とぼやいています。知人も非党員ですが、主に社民党系の「憲法行脚の会」や、主に新社会党系の「9+25条の会」などとタテ割り(タコ壺)状態で併存している実態に疑問や苛立ちを感じる人は「共産党員の中にもほとんど居ない」そうです。早速、ぼくも知合いの民青同盟員に彼のような問題意識をぶつけてみたのですが、9条の会以外の護憲団体を知っている人は皆無でした。同じ護憲組織なのに相互間の協力・情報共有はほとんどなされていません。こんな状態で来年を迎えて大丈夫なのでしょうか。かなり懸念しています。
これは日本の革新系組織の構造的欠陥なのかもしれませんが、タテ割り状態であり続けることは、新保守主義派を喜ばせるだけだと思います。専守防衛主義(ただし、海外派兵反対)の人が混じっていてもいいから団結しなければならない時なのに。もう、つまんないイデオロギーなんか捨てないと、会そのものが中だるみというか無気力・停滞から抜け出せないと思います。 元・社民党系の人たちはその辺りの空気感にとてもよく共鳴してくれるので、彼らの存在が数少ない救いでしょうか。
9条の会自体は、公式HP(ホームページ)を見ればわかるように、組織の規約を「とくに設けるつもりはありません」と明言しています。にもかかわらず、うちらの知る限りどこの9条の会もみな一様に「○○9条の会」や「△△9条の会」「○○大学9条の会」と金太郎飴のような名称です。
わずかな例外で個性を発揮しているのは、千葉県九十九里エリアや長崎県平戸(?)近辺の「会」です。これは著名な憲法学者の講演で知ったのですが、前2ヶ所の組織は、地名に続き、「9+99条の会」と命名して発足し、党派の垣根に関係なくさかんに活動しているとのこと。エリア内の大学とも協力関係にあるそうです。同氏は「999と9が三つ並ぶ。これを《平和のスリーナイン》と呼んでますが親しみを感じるなぁ。その地方のメンバーとは今でもざっくばらんな交流をしています」と語っておられました。とても共感を覚えます。
第99条というのは、言うまでもなく「憲法尊重擁護義務」規定です。近くでぼくの知る限りでも「無個性画一的な会の名称を変更できないかなぁ」と思案中の青年もいます。もっと同世代に親しみやすいネーミングにすることも、一見瑣末なことのように見えて実は重要なポイントだと思います。
継続審議となった共謀罪法案(組織的犯罪対策処罰法改悪案・刑法改悪案)の方も決して忘れてはなりませんが。