一般投稿欄の方々にはぜひとも、宮地健一氏のホームページを閲覧することをお奨めします。他の方の投稿でも何度か取り上げられていますが、重複を承知の上で一読することを希望します。
「宮地健一」で検索すれば、簡単にアクセスできます。
内容は、日本共産党と共産主義についての文献集です。長文が多く、とても一読ていどではすみませんが、興味のあるテーマから読まれればいいでしょう。評価は閲覧した方の判断ですが、共産党を考えるための参考になるでしょう。
とくに、10月革命がレーニンのクーデターであったとする説は必読です。
宮地氏はまだ論及していませんが、クーデター(少数者による武力蜂起)であったからこそ、その後の社会主義諸政党の弾圧、粛清(連立政権・平和的手段の否定、一党独裁の確立)、農民層への虐殺を含む攻撃(内戦の端緒)そして共産党内の「分派」粛清、国民多数の抑圧へと逸脱していったと考えられます。
したがって、スターリンはレーニンが切り開いた独裁政治を拡大再生産していったにすぎません。
このことが、今の日本共産党とどのような関係があるのか。
実は、共産党が党是として誇る民主集中制も、分派禁止と「分派」に対する非人間的な厳しい処分も、前衛党という一党独裁の作風も、すべてレーニンが敷いたレールであるということなのです。
これらはぜんぶ、議会主義や平和的手段による政権獲得、広範な連合と相反することです。
つまり、共産党がレーニンの戦時共産主義的な遺風と決別しない限り、多くの国民から信頼される政党とはなりえない。党内も生き生きと活気に満ちたものにはならない。
では、それを改革する展望はあるのでしょうか。
党中央にはその気配はありません。すると、党員大衆が党改革の声を上げ、行動することになります。
しかし、分派禁止(党員間、支部間交流の禁止)、党内問題の党外持ち出し禁止(広範な世論形成の阻害)、上意下達(民主集中制)がシステムとして立ちはだかっています。
党員大衆や赤旗読者そして議員のなかには、大衆団体活動に献身し、弱者の権利を擁護するために戦って、多くの人たちから信頼されている人がいます。だからこそ、弱小勢力とはいえ一定の政党として存在しています。
しかし、国民から信頼されている党員、読者、議員がいるからといって、共産党は改革できると勘違いしてはいけません。それは自己憐憫にすぎません。システム(レーニン的な遺風)をかえることには何の役にも立ちません。
党中央をはじめとする党内官僚(専従者)がメシを食えている限り、解党的出直しも期待できないのです。
残る道は逃散しかありません。考えてみれば、失意のうちに党を去った良心的な元党員や元読者の何と多いことか。きっと、現役の党員、読者の何倍、何十倍にもなるでしょう。このような人たちの心を再結集することができれば、一大勢力になります。