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「労働者階級独裁」及び「生産手段の社会化」について

2005/11/07 尚 30代 レントゲン技師

 階級とは指揮労働者と生産労働者に労働が分業化、固定化する事によって発生する。
 支配階級に付託される権力とは指揮労働に必要な強制力でありまず何よりも被支配階級に支持されている。労働の分業がなくならない限り支配階級は無くならない。
 所有の形態を変化させ(例えば国有化など)る事で支配階級を消滅させることは不可能である。それは新たな支配階級を生成することでしかない。旧共産圏の崩壊はそれを如実に示している。
 そして現在のところ労働の分業の発展的解消は目処の立った課題ではない。大半のレントゲン技師は外科医にはなれないし、治療法の確定もできない。分業の解消は夢のまた夢医療の分野に社会主義は遠い。
 しかしながら階級闘争の現場に居合わせる私達は私たちの立場を改善せねばならず、その為には支配階級から国家権力を奪取もしくは彼らの意のままに機能させない状態をつくりださねばならず、生産手段の運営を支配階級の意のままにさせない状態を作り出さねばならないと思われる。(これは生産手段の保持や支配ではないし、把握できるものでもない、指揮労働は支配階級に属する)
 レーニンの作り出した体制は生産手段を全て国家が所有する国家資本主義であり、国民の生活と権利を保障するものは前衛政党としてのそれまでの共産党の資質のみだった。例えるなら「権力者の良識」に全てを託するようなものだった。
 しかしながら生産手段を所有する事によって支配階級そのものへと不可避的に変質せざるを得なかったのではないか?
 支配階級が不可避的に発生する以上は国民が樹立する権力は生産手段を所有してはならず、国民はその把握した権力によって生産手段の所有者つまり支配階級の指揮労働に介入し、国民本位の運営を支配階級の手によって実現させるほうが現実的と思われる。
 革命とは階級間の権力の移動であって階級の廃棄ではない。それが出来ないことはこの間の歴史が証明している。
 いくつかの併記された命題は性質が異なる故に併記されるのであり、労働者階級独裁を持って生産手段の社会化を強行することはできない。ロシアや中国の農業が強制的な社会化の結果どうなったか?を考えるだけでも私的所有の変更は権力ずくで行うものではないと思われる。
 私達は権力を奪取し、階級闘争を有利に進め、もって生産関係の変化を待つべきと思われる。