しんぶん赤旗1月7日付けの記事によると、共産党は新社会党の共闘呼びかけに対し、「共闘の条件は存在しない」と回答したそうです。
詳しくは以下のURLでご覧ください。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-01-07/2006010704_03_0.html
この記事を見て正直ショックを受けた人は結構いるのではないでしょうか?
共産党は新社会党と共闘できない条件として、
1.新社会党と部落解放同盟との関係
2.新社会党綱領に見られる反共産党姿勢
3.新社会党が共産党を「利用しよう」としている姿勢
の3つを挙げています。
特に1と2は新社会党の側にも問題があり、改める必要は確かにあります。
しかし、新社会党と共産党は、護憲・平和、日米安保を機軸とした外交への異議申し立て、「小泉改革」に反対し格差社会を阻止しようとする姿勢など、基本理念・政策では極めて共通しています。
現在自民党と公明党を合わせると衆議院で3分の2以上の議席となり、改憲や消費税アップが差し迫っているのが現在の情勢です。
護憲勢力がお互い細かな違いや過去の対立のことで争い、共闘ができないようでは、小泉・安倍の戦争賛美・弱者切捨て「改革」を食い止める展望は全くないと思います。
せめて共産党としても、頭ごなしに共闘の可能性を否定するのではなく、「新社会党に綱領を見直す意欲があり、部落解放同盟が過去の「糾弾」を反省するなら全面的に共闘する。それまでも改憲阻止などのテーマでは力を合わせる」など、建設的な提案はできなかったのでしょうか?
新社会党と共産党だけでなく、社民党と共産党の関係の現状も極めて問題があると思います。
共産党は社民党の問題点を指摘することはあっても、違いを乗り越えて共闘しようと呼びかけたり、社共共闘に向けた具体的な条件を提示することはありません。
一方、社民党が政策の近い共産党を最初から無視し、政策の全く異なる改憲政党・民主党に相変わらずラブコールを送るような姿勢も、非常に問題だと思います。
社民党・共産党の間には決定的にコミュニケーションが不足しています。今後特に両党首が接触を取り、共闘に向けた取り組みを具体的に進める必要があるのではないかと思います。
現実の政治は、国会における勢力が非常に重要な意味を持ちます。
共産党や社民党・新社会党が単独政権を目指すことは現実には不可能です。
社民党・共産党・新社会党および沖縄社大党・生活者ネットワークなどの地域政党など、護憲・平和勢力が統一候補を立てて共闘すれば、護憲勢力が国会で大きく躍進し、さらに民主党や自民党の個別の議員にも訴えかける力を持つことができるはずです。
特に小選挙区制、地域ブロック比例代表制の衆議院では、護憲派で統一候補を立てることができれば共闘の効果が大きく発揮されると思います。
共産党や社民党の将来の発展のためにも、9条改憲を阻止し「国民が主人公」の政治を実現するためにも、もはや護憲政党は個別での闘いに甘んじていてはいけないと思います。
今こそ全護憲勢力の発展に向け、力強い共闘を進めるべきです。
実際、共産党の綱領にも、21世紀の早い時期に「民主連合政権」による政権交代を目指す、と定められています。 綱領に従えば、社民党や新社会党その他の勢力との共闘により、護憲・左派の連立政権樹立を目指すことになるのではないでしょうか。