共産党は、新社会党からの「共産・社民・新社会の3党の護憲闘争の窓口づくり」の提案につき、新社会党との共闘を拒否しました(1.6)。その理由は、①新社会党は不法な糾弾路線をとる部落解放同盟と癒着、②共産党の政策へ批判的、③新社会党は選挙対策に社民党、共産党を利用しようとしている、の3点だそうです。
①は極めて重要なので後記します。②は政党間の政策論争を封じる議論で問題外です。③は、共産党が小選挙区比例並立方式(衆議院)、足切りつき拘束名簿式比例代表方式(参議院)を是認したことを意味します。昨年の9月の総選挙に際して問題とされた、衆議院小選挙区全区立候補路線による自民・公明候補への間接援助(自公共路線)、巨額な供託金の納付を肯定するものととられるでしょう。歴史的条件は異なりますが、戦前の選挙で共産党員が労農党名簿で立候補した事例をどう考えるのでしょうか?今後、少数派が国政に意見反映するに当たり、政党がどの程度窓口を国民に開いているかは、重要な課題と思います。自民党は昨年秋の総選挙で、郵政民営化支持を基準に「公募候補者」を多数当選させました。②③の論拠は、新綱領にある「当面一致する課題での共同」という趣旨からすると、理解できません。また、②③を機械的に考えれば、地方選挙レベルでの共闘(2007の参議院選挙までは重要な諸局面)も困難にしかねません。ちなみに、共産党24回大会決議案でも、綱領の上記「一致点での共闘」部分にかかわる方針はなく、全小選挙区での立候補を追求することが書かれています。
なお、①については、部落解放同盟がこれまで行なってきた暴力ー利権による地方行政支配の問題とかかわります。「護憲」や「反米」を売り込みポイントとして、テロ賛美路線や既得権を不当に守ろうとする人々とは、きちんと一線を画さないと人々の理解と支持は広がりません。部落解放同盟はなお、糾弾会の方針を堅持しているようです(同ホームページ)。しかし、2004年以後、どの程度暴力的な糾弾行動を行なったか、それに、新社会党がどの程度関与・支援しているか、これが明らかでありません。この点で、共産党の舌足らずは困ります。
当面、①の問題が明らかでない場合、自公共路線をとりにくい地方政治レベルでの論議と護憲派の共闘の積み重ねが、ますます大切になるかと思います。