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一般投稿欄

内部変革か新党か

2006/01/17 元横浜市立大生

 民主集中生さん、新党構想、興味深く読ましていただき ました。

 人文学徒さん、ご意見ありがとうございました。
 紹介していただいた「日本共産党の惨状の本質に関わって」 「日本共産党の全体像をこんなふうに変えてみたい」、またそ れとの関連でさつきさんの「民主集中制を無くさなければなら ない理由」も読みました。伊里一智さんの『気分はコミュニス ト』を当時熱心に読んだことを思い出し、懐かしく感じました 。
 人文学徒さんが願う党のあり方と、民主集中生さんの新党構 想との間には違いはあれど、本質的には通じ合うものがあるよ うに思え、興味深く思いました。
 人文学徒さんのぼくの投稿(「民主集中生さんの意見に同意 」)に対する意見は、情緒的な表現が多く、なぜこのような意 見になるのか理解できないところがありました。ごめんなさい 。
 ぼくの投稿の趣旨は、日本共産党の内部変革の可能性はない というものです。これに対して「それでも、日本共産党には期 待しています。それは40年の経験から、生活営為面での党員 たちには日本の宝がいっぱいいると考えるからです」と述べて いらっしゃいます。
 この「さざ波通信」の党員欄に投稿している人たちは、日本 の変革を真剣に考えていらっしゃる方々だと思っています。そ うした方々を含め「(党員の中には)日本の宝がいっぱいいる 」という考えには、いっぱいかどうかはともかく、同感します 。
 しかしながら、日本の宝がいっぱいいるからといって、党の 内部変革が可能である理由にはなりません。それは人文学徒さ んの「日本共産党の惨状の本質に関わって」を読めばわかる通 りです。

 党外から見て、日本共産党が変わるチャンスはたくさんあっ たと思います。原水禁の統一問題、小田実さんのインタビュー 記事を契機とする民主文学の事件、田口さんの問題提起、ヨー ロッパ共産党の内部変革、東欧民主革命、ソ連崩壊。そうした おりおりに日本共産党が取った態度は、説明するまでもなく教 条主義そのものであり、党と党外の垣根を高くするばかりでし た。
 その結果、変革を熱望する党員、変革のオルタナティブを提 起するような学者党員は党から去り、日本の社会を変えてくれ るのではないかと共産党に期待した国民は失望し、たった一票 を入れるということすらやめるようになったわけです。
 日本共産党凋落の本質は、権力の攻撃ではなく、共産党自ら が選んだ道(自己閉塞の道)だったと思います。
 その間、日本の社会はどうなったのでしょうか。その象徴は 年収300万円世帯の急激な増加、身分不安定な派遣社員・パ ート社員の増大です。若者のホームレスの悲惨な実態を紹介し た投稿もありました。お金がなく修学旅行に行けない高校生ば かりか、就学支援を受けている小中学生の数も増大しています 。
 つまり、組織から見放された下層階層が増大しているのです 。
 私の付き合いが狭いゆえでしょうが、知り合いの党員は収入 が安定した公務員、教員などが多く、平和問題、憲法問題には 敏感ですが、年収300万円世帯の実態についてはおよそ鈍感 です。
 下層階層の増大の責任は政府自民党・公明党にあり、日本共 産党にはありません。
 しかし、唯一の変革の党を自認し、その党に期待した国民に は責任があります。
 ところが、日本共産党はその責任に無自覚だし、党内外から の批判にはきわめて鈍感です。先日の党大会で「マスコミから 相手にされない」ことを凋落の原因として言及していましたが 、笑止そのものです。党勢拡大のみを壊れた人形のように言い 続ける党は報道する価値がありません。党勢拡大なかでも赤旗 拡大は中央委員を含め専従職員の給料を確保するためと一般紙 の記者は見切っています。
 日本共産党の内部変革を求め、そこに日本の変革の可能性を 期待する考え方を否定するものではありませんが、しかし、田 口さんの問題提起からもう20年以上も経っている(うちの子 どもも20歳を越えた)というのに、日本共産党は保守的にな るばかりです。一部の党員の方が熱望していた不破哲三さんの 議長退任が決まりましたが、何かが変わるわけではありません 。
 日本共産党の内部変革を求める発想は私には保守的に映りま す。社会全体の劣悪化を食い止めるためには党員元党員(日本 の宝)が加わるような新しい変革の組織が必要だと思うのです 。
 それにはどうすればいいのか、方策が浮かばないから悩むば かりです。

 民主集中生さんが語られた新党構想の条件には概ね賛成です 。ただ、わからないのは「弱者救済」ではなく「弱者優先」と されている点です。ここにどのような違いがあるのでしょうか 。また、新党構想に世界的な視野が入っていないことが気にか かります。この点についてはどのように考えていらっしゃるの でしょうか。
 資本がグローバル化している今日、日本だけの変革を考える ことは世界の人民からみれば保守そのものだと思うからです。
 中国はナイジェリアの石油利権の45%を確保しました。今 日のニュースではその油田に対して反政府組織が破壊活動を行 いました。こうした事実を知れば正直、どのように構想すれば いいのかわからなくなります。

(追記)いまの日本共産党は他党や他組織との共闘、統一戦線 問題のレベル以前の段階に戻っており、変革の主体性そのもの が問われているような状況にあります。主体のないところに共 闘問題は発生しません。新社会党との共闘拒否に苛立つ気持ち はわかりますが、憲法問題を含め日本のどうしようもなくなり つつある状況に抗するには、どうすればいいのか、知恵を出し 合うしかないと思うのです。

一部訂正

 「内部変革か新党か」の投稿に事実の間違いがありました。訂正してお詫び申し上げます。中国がナイジェリアの石油利権の45%を確保したというのは間違いで、正しくは<中国海洋石油総公司の香港子会社「中国海洋石油有限公司」(香港上場)がナイジェリア・オイルマイニングリース海底油田の開発権利45%を買収した>(出典はサイト中国情報局)