「皇室典範改訂」を巡って、与党は勿論、民主党その他を含む国会内が大分裂状況に陥っている。
勿論これは、先に政府が決めた「女系天皇容認」に対する、三笠宮など一部皇室と右翼勢力による「男系天皇制擁護派」の巻き返しである。
しかしこれは文字通りこの国のあり方、基本的な国家要件を巡っての対立であり、郵政民営化に関する与党の分裂などより、より遥かに深刻なインパクトを持っている。
ここでその内容は問わないが、これは「小泉政権最終年」に当たって、戦後隠蔽され続けてきたこの国の矛盾が、文字通り上部構造から吹き出したものなのだ。
この間、マスメディアや国会を揺るがしているライブドア・ホリエモン事件、官から民へを根元に据える耐震構造偽装事件、またBSE牛肉輸入騒動で杜撰さが一層明らかとなった対米圧力にノーチャック構造、これらの暴発は、まさに小泉構造改革路線、新自由主義、規制緩和路線が「砂上の楼閣」でしかなかったことが露わになったことであり、今まで国民の支持を基盤にして、磐石な強みを持っていたかに見えた小泉政権が、実はこれまでの保守自民党政権と何ら変わらない、本質的にはブルジョワジ社会のほんのうわべだけの強さだったことが明確になったのである。
そしてそれは同時に、これまで改憲や教育基本法、共謀罪、に突っ走っていた小泉政権が今、忽ち深刻な行き詰まりに陥り、ゆとりを失い何も出来なくなったと言うことでもある。
さて、ではこの正体を知った私たちは、一体何をすべきなのか?、それが、私たちの「主体」の行動が、今即座に、そして深刻に問われているのだ。
たしかにこの俄かに訪れた「大事態」は「敵失」に見えるかもしれない、だが本質的には、これまで全てを先延ばしにしてやっと生き延びてきた日本帝国主義が、とうとう破綻の危機に陥ったということなのである。
今私たちは「ロドス島」に立っているかも知れない。
「皇室典範問題」はさらに深刻さを増す、一方ライブドア問題や耐震偽装はさらに他に波及して、より拡大しより深刻化する。次はMファンド問題が表面化するかも知れない。
これらはただ「氷山の一角」に過ぎない。
大幅賃上げ、格差是正、非正規雇用制度廃止、長時間労働の禁止等も闘いのスローガンにはなる。
まさしく今、私たちは「ここがロドスだ、ここで飛べ」と歴史的に問われているのだ。
「勇気を持って大胆に前に進もう」ただそれだけである。