前回の、大樹の陰さんの民主主義論への疑問の投稿の中で、
次回からは民主主義論を社会主義論、革命論と絡めながら、論
じていきますので、革共同中央委員会派(旧第4インター派)
とのやり取りを紹介しますと結びました。
そこで、以下に、第4インター派の主張を紹介します。
長文になりますが、私たちの主張の中の、<帝国主義の戦争
と新自由主義的グローバリゼーション、憲法改悪と<戦争国家
>化に対決する新しい左翼政治組織の統合へ、討論を開始しよ
う>という一文を参考にしてください。
・・http://www.jrcp.net/web/frame050321f.html・・
以前内ゲバについて質問しました・・・・です。
その節は丁寧なご回答ありがとうございました。
さて、今回斜め読みながら、あなた方の主張を一部拝見させ
ていただきました。
その中に欧州の社民主義について、・・資本主義の利潤追求
の忠実な担い手・・といった表現があったようです。
また、世界社会フォーラムのような運動の発展にあなた方が
貢献すると同時 に、それが、<よりましな資本主義>や<現
実的対案>にとどまらない、新たな社会主義像の構築とその提
起となるようなそういう運動に発展していくために奮闘するの
だそうですね。
では、1、それが如何なる社会主義像となるのか興味の尽き
ないところです。
よく言われる議論として、<武力・暴力社会主義革命が必然
である。>というのがあります。
その根拠として、・・過去の変革はすべて、武力・暴力革命
として戦われて来た・・という議論が 持ち出される」のです
。
しかし、私は、それはそういう歴史的社会的条件のなかでの
議論に過ぎない、と思っています。
現代の闘いはやはり、現代史の歴史的社会的条件のなかで闘
われるものです。
あなたがたの革命論は如何でしょうか?やはり、武力暴力社
会主義革命必然論ですか?
そして、1と関連しますが次の問題として、欧州の社民主義 についての認識があります。
2、私はそういった認識は一面的に過ぎると思います。社民
主義、或いは、その党といってもさまざまな傾向がありますし
、また、それらと社民主義的改良改革とは必ずしも一致しない
からです。
例えば、保守的政権のもとでも、重要な改革を獲得できたり
、逆に、社民政権のもとで、重要な後退や、軍事行動が行われ
たりします。
日本は一貫して保守政権ですが、一定の重要な社民的改革改
良政策が医療や社会保障の分野に見られます。
また、消費税導入以前は、直 接税中心でかなり民主的税制
でした。
(米国のシャープ勧告による。米帝の要求ですよ、米帝のね
)
欧州の場合は今でもかなり重要な社民的(或いは民主的改革
と言ってもよい)改良改革が実践されていると思われます。
その中で、先頭を占めるのはスエーデンを始めとする北欧諸
国だろうと思います。
スエーデンの実情については遠山哲夫氏の<北欧通信>で検
索すれば簡単に見ることができます。
一部を紹介しますと、
A,教育は大学院まで誰でも無料、外国人までも、奨学金を支
給。
B,医療は18歳まで無料、それ以降は年間約、3万円弱まで
支払った場合は、その人は、それ以降のその年と翌年は医療費
は無料となる。(弱者であるほど、より手厚く救済)
また、16歳まで、小児に全員毎月2万円の育児費を政府が
給。
C,労働者は誰でも、5週(教員は12週)の年休を取得でき
る。
また、労働者が申請すれば、企業側が、1年後に現職を保障
すると言う誓約書を労働者側に!提出して、労働者は悠々と1
年間の研修休暇を取得できる。
大学を含めて、社会人向け各種教育機関は充実しており(無
料)、社会人(労働者です)の再 教育意欲は、非常に高く、
首都圏の大学では半数が社会人である。
等々です。
こうした社民的といいますか、民主的改革改良をすれば、グ
ローバリズムの理論からすれば 資本主義階級からは最も強く
攻撃されて、次第に立ち行かなくなり、後退せざるを得ないと
いうことのようですが、各種資本主義的指標でも、北欧諸国の
国際競争力は世界最高レベルという 逆の結果が示されていま
す。
・・GCI(成長競争力)1位フィンランド、2位米国、3位
スエーデン、4位デンマーク、、、9位ノルウェー、、11位
日本12位蘭、13位独、、・・
これは一体どう説明すべきでしょうか?
また実際に、北欧諸国の高度な福祉社会は私が中高生のころ
から有名でした。(35,6年前 からだが、実際にはもっと
以前からだろう)
ですから、立ち行かなくなるどころか、随分と長い期間が過
ぎて、なおも、世界トップクラスの先進国の地位を占め続けて
いるのです。
・・1人あたりのGDPはスエーデン34000ドル位で日本
とほぼ同じ。
1位ルクセンブルグ58545ドル、2位ノルウエー485
92、3位スイス42138、4位デンマーク39429、、
、独仏29000ドル位・・
また、ドイツで見られる、労働者の経営参加権は資本側の経
営権の一部を奪うものとして、重要な制度と思います。いわゆ
るグローバリズムの歯止めとして機能させる可能性がある制度
だからです。
ですから、確かに欧州の社民的改良改革(民主的変革という
べきか)は社民主義政党が主導してきたのは事実だが、しかし
、政党レベル、政権レベルだけではなく、広く、労働者人民の
闘いが切り開いてきた改革として捉えるべきで、そうしないと
、日本のように、一貫して保守政権だ った国は、では自民党
が良心的保守だったのかとい うおかしな議論になりかねない
のです。
つまり、欧州の社民諸党を社民だからというひとくくりで捉
えるべきではないし、各国ごとに、労 働者人民の闘いがあり
、その闘いの成果としての改革された社会の姿を私たちは見て
いるのだと捉えるべきではないでしょうか?
その辺はあなた方の捕らえ方はあ~どうせ社民だからとでも
言うような、一面的な理解(その国の社民的改良とその国の社
民党の同一視ではないか?)
が見られるような気がします。
3、したがって、1と関連しますが、<よりましな資本主義 >や<現実的対案>の時代的役割はかなり長期にわたると私は 見ています。今世紀中、少なくとも、この半世紀は確実でしょ う。そういうスパンで闘いを構築していくべきで、欧州社民諸 党も闘いの一翼を担うものであると言えると思います。(もち ろん、右翼的転落や戦争加担には厳しい批判が必要でしょう。 そうした民主的相互批判の精神は左翼全体の命です。)以上拙 論ながら、恥をしのんでお尋ねします。どうかご回答のほど、 お願いいたします。(次回は回答です。)(注)GCIは今回追 加。また、GDPの1位~4位も今回追加。もともとの質問の際 にはこのデータはありませんでした。