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蠢動する暗黒勢力ー21世紀の現代史をなぞる (その3)

2006/03/18 杜魯月 20代 学習塾講師

 本稿(その2)迄で、豚肉差額関税制度がメキシコとのFTA交渉での大きな争点となり、FTA締結に日本「帝国主義」の未来を賭けた小泉により、利権に群がる野中広務、鈴木宗男などの政治家、その中核にあったドン浅田、藤村(何れも同和関係者)が始末されていく様を時系列的に概観した。

 さて、ここで、差額関税制度と言う一般には馴染みの無い豚肉輸入に特異な輸入制度について説明して置きたい。この制度の「裏」の部分、何故、利権なのか? 驚愕の実態のさわりにまで踏み込むことにより、「蠢動する暗黒勢力」の犯罪性を浮き彫りにしたい。

【差額関税制度について】
 差額関税制度とは、基準価格との差額を関税として徴収する制度です。通常の輸入品では、関税は、一定の率(%)で課税されます。
 例えば、米国からの干ブドウには3%とかの関税率が決まっており、輸入価格100円(CIF)なら, 100円x3%=3円が関税として 掛かる。これに対して、差額関税では、豚肉の基準価格410円/KGと決まっており、仮に、アイルランド産豚肉輸入価格(CIF)が300円/KGであれば、410円ー300円=110円の関税を掛けると言う制度です。

 こうした制度の下では、輸入価格が100円だろうが380円だろうが、全部、同じ410円にされてしまう。これで、まともに喜んで 関税を払う業者がいるであろうか? 例え、アイルランド産豚肉が300円でも、380円で輸入した様に偽装してしまうのである。
 そうすれば、関税は、410円ー380円=30円で済む。

 「そんな偽装が簡単に出来るもなのか?」と言う疑問を持つ人がいるかもしれませんが、実は、いとも簡単に出来てしまいます。
 インヴォイスのオーヴァーヴァリューと言うごく初歩的な操作によって(商社マンなら誰でも知っている)。最も、単純な書類操作だと発覚リスクが高くなる為、海外の豚肉製造業者と結託する手口が利用される。アイルランドの豚肉業者と結託した場合、この業者は最初から380円で出荷する(本当の価格は300円だが)。この差額80円は、この業者が一時預る。最も、旨い汁をお互いで吸おうと言うことなので、半分の40円は分け前としてアイルランドの業者にも掴ませる。残りの40円は、あの手この手でマネーロンダリングして日本の業者の懐に還流する。ある商社では、こうして海外にリザーウ゛した豚肉資金を中東産油国への賄賂に使っていたと言う噂もある。
 一度も日本に金が流れ込まないので、尻尾をつかまれ難い上に、国税の目も眩ませる極めて巧妙な手口だ。

 自宅庭園内の池に鯨を飼って、訪問する政治家を驚かせたと言う浅田(元ハンナン会長)の巨億の富もこうした裏資金で形成されたことが容易に推測できる。そして、これらの資金は、周辺の浅田・藤村系政治家に流れていっただろう。この制度を必死で守ろうとしている農水官僚の姿も驚愕である。もっとも、浅田逮捕の直接の容疑であったBSE牛肉補助金の不正受給では、受給制度を設けることを政治家を使って役所に働きかけ、農水官僚は、受給制度の詳細や時期を浅田・藤村にいち早く情報漏洩し、制度化を見越してBSE問題で大暴落した牛肉を買占、巨額の補助金をせしめると言う手口であった。
 豚肉、牛肉ともに共通している構図は、同和系業者ー政治家ー役人の癒着と利権体質である。

(参考サイト)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-04-25/14_01_0.html
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/ohayou-news-mondou.html
http://yarude.way-nifty.com/ushigahashiru/2005/05/asahicom__6ff7.html
http://www.n-jcp.jp/sisei/backnumber/262.html