お読み頂きまして、有難うございます。時宜的な関係で
、急いで紹介したので、また、文章の点でも至らず、誤解を招
く面もあったようであります。逐一お答えいたします。
〈高熱で焼かれた遺体の存在が不思議がられているようです
が〉
この文章の意味が十分に分かりませんでしたが、北朝鮮側が
DNA鑑定を不能とするように、わざと高温で処理した遺骨を
渡したということでしょうか。そう解釈します。
勿論、偽物であるとの疑念はあると思います。しかし、それ
だけでは、外交交渉のカードとして用いることは出来ません。
だからこそ、日本政府も科学的鑑定を行ったものと思います。
それが科学的に見て不確実だったと、ネーチャー誌が指摘して
いるのです。同誌では、昨年の2月5日号以来、数度にわたっ
て日本政府の対応に疑問を呈しております。それは、別に特定
の政治的立場に立つものではなく、政治が科学に干渉するなと
いうことです。
日本政府の態度は、北朝鮮が日本の鑑定結果を素直に受け入
れるべきとのことだったと思います。第三国が鑑定した結果な
らばともかく、冷静に考えれば、このような外交は成立ちえま
せん。最近、野球のWBCでは、アメリカの審判による身びい
きの誤審が問題となりましたが、たかが野球でも、審判が自国
チームの試合にジャッジすることはアンフェアと思われている
のです。まして、これは外交問題です。科学的鑑定は第三国に
依頼すべきだったとは思います。
〈さざ波はセクトではないのでイギリス科学紙の一例を挙げた だけで読者を納得させることがそう簡単なことはないと思いま す〉
「イギリス科学誌の一例」では片付けらない位の重みがあり ます。日本ではどれだけの人が知っているのでしょうか。テレ ビや大手日刊紙はまったく無視しているようです。このような 中で簡単でないことは確かです。
〈拉致事件をとって外交の勝利とのたまう総連とは何者でしょ うか〉
誤解があるようです。私の文章では
「その勝利とは、遺骨のDNA鑑定に関するものである。先
ごろの二国間会談では、北朝鮮側は、DNA鑑定を議論するた
めの研究者のジョイントミーティングを提案したが、日本側は
、初めの鑑定が正しいとの解釈に固執して、これを拒否したと
いう。これはしかし、日本側には道理はない。これがどうやら
、北朝鮮側の外交的勝利ということらしい」
となっています。決して、拉致問題に関する外交的勝利という
意味が取れる文意は原文にもありません。
〈ここでのテーマとなっている日本共産党を正しく理解し向上 させていく目的?に立つときに、いったい国民大衆に向かって その程度の説明で通るとお思いでしょうか〉
現在の共産党のことは、「しんぶん赤旗」の電子版に目を通 すだけで、その程度の知識しかありませんが、この問題が取上 げられた記憶はありません。「しんぶん赤旗」の紙版にも出て ないとすると、一般のマスコミに倣って、黙殺しているのかも 知れません。ネーチャー誌が提起したのは、純粋に科学と政治 ・外交の関りの問題であり、科学的社会主義を標榜する日本共 産党にとっても、大いに世論を喚起すべきものだと思います。
〈民主党のガセネタの件ですが追及された自民党の党史におけ る潔白さの度合いから見れば反撃はごろつきのいなおりに受け 取れるのですがいかがなものでしょうか〉
私もそう思いますし、多くの人もそうでしょう。だから、状
況証拠的には十分に嫌疑があります。恐らく、永田氏も、メー
ルコピーのでなく、ハードデスクそのものが入手可能と考えて
、万全の物的証拠と思ったのでしょう。日本政府の対応のこれ
と現象的には似ていると思います。
ただ、私には、政府の科学鑑定は、外交カードとしてではな
く、国内の世論操作が目的ではなかったかとの疑いも棄てきれ
ません。
〈おっしゃることを要求するならば日本共産党に、またしても 党史に残るへたをうたすことを危惧します〉
私は
「科学的データの間違った解釈と世界的に権威ある科学誌から
指摘され、それを正せないようでは、歴史認識などのデリケー
トな問題で実りある成果が上がるとは思えない」
と書きました。これは日本政府への直接的な要求でしたが、共
産党にも当然同じ立場にたって欲しいと思います。
なお、その後調べましたところ、雑誌「世界」2005年8
月号に野田峯雄氏の「すべての情報の公開を」という記事があ
りますので、出来ましたら参考にして下さい。