これは、イラク戦争といわずアフガン戦争についてもだけど、戦争の根本的な原因は、アメリカによる経済封鎖と軍事的圧力にある、と思う。つまり、アメリカは、自国にくみする、いわゆる「同盟国」とつるんで、敵視する国々に対して、貿易の禁止や制限をしたり、また、問題の国と隣接する国に対して軍事援助をしたりしてきた。
これって、広い意味での「戦争行為」なわけですよね。武力による恫喝ってやつ。気に入らない国を、経済封鎖と軍事圧力でおどしているわけです。
イラクってバース党の国でしたよね。バース党って日本語で言えば「汎アラブ社会主義政党」なわけですよ。いかにもアメリカに睨まれそうじゃないですか。またアフガニスタンはイスラム原理主義の国でしょ。つまり資本主義を受け入れない国なわけです。おんなじことはイランと北朝鮮にも言えるわけですよ。要は非資本主義ってこと。
結局、実際に武力行使をする以前から、広い意味での「戦争行為」をすでにおこなっているわけですから、アメリカに非があるのは明白です。こうしたアメリカによる経済的・軍事的外圧が、これらの国の中に危機状態を生み出し、それがこうした国々の強権的な独裁政治に、ある程度の支持を与えているわけです。つまり外圧による危機感が、独裁制に根拠を与えているってこと。そのことは、70年代初めのオイルショックのとき、なぜかトイレットペーパーというひとつの商品にみんな飛びついて買いだめたり、90年代半ばに消費税が5%に上がって、それ以降不況が長く続くなか、小泉という、中身のない、恥知らずなペテン師に、なぜかみんな飛びついてみたり、ってことを引き合いに出せばわかるでしょ。危機感っていうのは一種のパニックなわけです。なにかひとつのものにしか目がいかなくなってしまう。
だから、いま行われている戦争(イラク、アフガン)と、これから起こってしまうかもしれない戦争(イラン、北朝鮮)を解決するには、根本的な原因を解消しなければならないってことなんです。つまり、以前からすでにおこなわれてきた、経済封鎖と軍事圧力をやめろってこと。仮にイラクとアフガンから、いま米英軍が撤退したとしたって、経済封鎖と軍事圧力が残ったんじゃ、元の木阿弥なんですよ。
アメリカ・イギリスは、自国に都合のいい資本主義を受け入れるまで、広義の「戦争」をやめないわけでしょ。
それだから、ホントのこといえば、経済封鎖と軍事圧力さえなくさせることができれば、イラクとアフガンにいる米英兵なんて、かかしの兵隊ぐらい無意味な存在にできるってわけですよ。広い意味での「戦争」が終わらせられれば、軍隊が現地にいる必要なんかないわけです。