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一般投稿欄

他者に依存するな、自分で考えよ‐悩める青年党員氏へ‐

2006/04/23 ブルーノート 40代 会社員 (組合活動家)

 いつもこのサイトをROM専ながら拝見している者です。よ ろしくお願いします。

 私はかつて党籍を持ち、故あって党を辞めたものであるが、 共産主義思想にはいまだに「シンパシー」を持ち、特に共産系 と言われる各種の集会やデモなども可能な限り参加している。 当然、赤旗を購読し、選挙でも共産党に一票を投じている支持 者ではあるので、この日本社会の中での左翼勢力、とりわけ共 産党には、その奮闘を期待するものである。しかしながら、そ の綱領や規約を含めた方針・組織運営については全面的に賛同 している訳ではなく、であるが故に離党したわけであるが、労 働組合活動を軸足においた非党員左翼という立場で生きている ものである。

 筆坂氏の著作をきっかけにして共産党の組織問題が「世間」 を賑わしているようである。
 そんな中で、党員投稿欄において、「悩める青年党員」氏の 一文を見つけ、柄にもなく投稿しようと思った。共産党の退潮 著しい要因の一端を氏の投稿に見た気がするからだ。
 それは筆坂氏の著作に対する評価でもなく、また、毎度繰り 返し語られる中央「患部」の「無能」ぶりや、硬直・高齢・官 僚化した組織問題でもなく、若手党員の党員資質の問題である 。悩める青年党員氏が希う「物好き」な人間の一人として意見 を述べる。

 青年党員氏の投稿を読む限り、彼が真面目で実直な党員なの であろうこと、共産党の「再生」を強く願いかつ切実に悩んで いる(絶望に近いのかもしれないが)であろうことは良くわか る。おそらく共産党の平均的な(青年)党員の中ではその意識 からしても「良質」な部類なのだろう。
 しかし、真面目な若い党員に良く見かける、「他者依存」体 質と呼ぶべき傾向全開の投稿というのは、読んでいて、甚だ情 けない。彼は問う。

>同志の皆さん、僕はどうするべきなのでありましょうか。
 さっさとこの党を見限って、離れてしまうほうが賢明なので しょうか。

 私は離党者なので、「同志」ではないかもしれないが、こと もあろうに共産党員たるものが、公衆の面前で恥ずかしげもな くこんな文章を投稿するのである。
 おそらく、これを読む支配層の人間は、密かにほくそ笑むだ ろう。共産党も「落ちるとこまで落ちた」と。それはともかく 、さっさと見限るべきなのかもと思いつつも、それができない 状況の中で葛藤しているのだろうが、しかし、見限ることがで きないのであれば、党に留まり党の改革に努力していく他ない ではないか。
 そんな簡単なこともわからないとは笑止千万である。と切り 捨てればおそらく氏は「そんな単純なものではない」と反論す るかも知れない。が、仮に「そんな単純な問題ではない」ので あれば、そんな悩みに、回答などないのである。心あるものは 皆、その出ない答えを出そうともがいているはずである。それ を

>どうか僕の悩みを解決する方法をお答えして下さる

 などと言う。
 世間知らずとはこのことをいうのであろう。あるいは、社会 における具体的な「闘い」の場面に直面したことのない人間な のであろう。少なくとも実社会においては、こんな泣き言は通 用しないのである。
 「患部」の言うことを鵜呑みにし、自ら考えようとしない「 同志」を批判する青年党員氏自体が、自分の進むべき道につい て、自分で考えようとせず、他者に下駄を預ける態度を取ろう とするのである。これを他者依存と言わずしてなんと言うのか 。

 まともな人間なら、「こういう打開策でいきたいと考えてい るがどうか」とか、「こういう闘い方をしたいがどうか」とい うのが、まっとうな問いかけである。困難に直面した時、自ら 考え、自ら行動しようとしない者に、救いの手は差し伸べられ ないのだ。自立した個人の連帯というのはそうしたものである 。
 こんなことに気づかない手合いが共産党員を名乗るのである 。共産党の危機は、まさにここにある。若手の青年党員にして この体たらくであれば、推して知るべしと言うほかない。

 少なくとも、悩める青年党員はもっと実社会で揉まれる必要 がある。特に、自分の足元において、闘いの経験を積まなけれ ばならない。自分の周りを見渡せば、困難な状況に対して果敢 に闘っている人間がいるはずである。そうした人々と共に闘え 。社会人ならば、労働組合運動に身を投じるのがよろしかろう 。経営者と対峙するというのは、闘いのあり方としては最も具 体的かつ実態的であって、党員として実りある経験になるであ ろし、党改革について悶々となどしてられないはずである。
 身近なところで、労働者・庶民の利益を守るための闘いに参 加することで、自ずと道も開けてこよう。その時、党員として あることが、貴兄にとって必要なことなのかどうか、必要であ るならば、より良い党であるために自分が何をするべきか改め て考えみたときに、現在のような、情けないあり方ではなくな っているはずである。

 さて、悩める青年党員氏よ、私はかくも失礼なまでに、貴兄 をコケにした。コケにされた君はどうする。性懲りもなく、自 分の進むべき方向を誰かにご教示賜るか?それとも自分の進む 道を自分で勝ち取るか、選ぶのは君しだいである。