ある地方へ出張中、持ってきたかみそりの電池が切れた
ので、滞在地の機材の流通センターに行って新しい充電式かみ
そりを購入した。
ところがなんとその値段が298円、あまりにも安いので一
回使ったらだめかなと思っていたが、実際使ってみたら性能的
にもデザイン的にも立派なのである。
もちろんMADE IN CHNAである。
よくある「海賊版」なのかもしれないが、製造メーカー名も
明記されており、ユーザーとしては何の問題もないのである。
確かに経済誌などでは日本と中国の賃金格差は最大で25倍
といわれているが、このかみそりを見て現実に不均等発展の感
じたしだいである。
政府はデフレ克服を強調してきた、そして現実として今私た
ちの生活を振り返ればガソリンを筆頭にガスや電気代の値上が
り、医療費の負担増、かつてスーパーを席巻していた中国産野
菜など安い野菜の放逐で庶民の懐には確実にインフレの影が忍
び寄っている。
政府や財界は景気回復を盛んに強調している。しかしその実
態の相当部分を中国に依拠していることも間違いないだろう。
298円のかみそりを使うたび中国労働者の苦闘、働きぶり
を思い浮かべることになるかもしれない。