日々の「赤旗」を見ていて、ここ数年では最近ほどイヤ
な思いをしたことはありません。「筆坂転落問題を利用した党
封じ込め戦略」なるものが、学習・党活動のページに載らない
ことはありません。
もし、筆坂氏が『日本共産党』の中で述べていることが「事
実無根の攻撃」であるなら、具体的に反論し、それを支部など
で議論して全党のものにするならわかります。それを、「いま
支配勢力はなぜこの問題を利用して…」と見えもしない想像を
前提に「封じ込め戦略」という架空のストーリーをつくり、党
員を思考停止させる。そして、最後の落としどころが「憲法や
教育基本法の改悪が狙われている中、共産党や赤旗が無くなっ
たら大変」などと、“脅迫”じみた文句でムリヤリ納得させて
しまう。これで「科学の党」なんて自称しているのですから、
あいた口が塞がりません。
「筆坂問題」について、党員の方を含めて最もまじめな議論
がされているのは、ここ「さざ波通信」くらいしかないでしょ
う。筆坂氏の幹部としての矜持やセクハラに対する捉え方につ
いての欠点を明確に指摘し、実名で堂々と議論をリードされた
染谷さん、いろいろな事情で匿名で語られている方々(筆坂氏
の提起した内容に賛意を示した方を含む)の真摯なご意見をこ
こで見るにつけ、一種の救いを感じると共にこうした方々のエ
ネルギーを日本共産党がどのように活かしているのか、ため息
も出ます。
私も、いま自分の党員時代の経験を振り返りながら、筆坂氏
の著書を読み(内容には「その通り」と思うことが多いと感じ
ています)、同時に他の方々の意見も見ながら「筆坂問題とは
何なのか」を考え中です。それにつけ、こうした考察には何の
役にも立たないというか、怒りすら感じる「赤旗」の紙面はな
んとかならないものかと、心を痛めています。
率直に言って、ここに書き込まれている方々の真摯さに比べ
るなら、党中央の腐敗と堕落ぶりを日々露わにしているのが、
最近の「赤旗」紙面だと言わざるをえず、こんなものを国民に
持ち込むようでは自分たちの希望とうらはらに、自らの手で自
分たちを「封じ込め」ているようなものです。
ここで議論されることは、党の内部規律からはイレギュラー
なのでしょうが、インターネットの普及で時代の流れが変わっ
た反映でもあります。ここでの活発な討論が、現実に背を向け
た共産党をまともにする一助になってほしいと願わずにはいら
れません。