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一般投稿欄

民主連合政府と軍隊 シンタローさまへ

2006/05/22 銀河 60代以上 画家

以下はシンタロー さまに対する反論です。

国家と軍隊について

 「科学的社会主義:上下巻」(小林栄三監修)
「たしかに、独立した国家が一定期間軍隊を持たずに今日の世界で国の安全を確保しようとすることは、それとしてはひとつの矛盾です。しかし、これは、アメリカ帝国主義の占領と半占領が続き、違憲の従属的軍隊を増強させてきた日米支配層が平和、中立の日本と民主連合政府に残した悪しき遺産であり、彼らに責任ある矛盾にほかなりません。」

 これは何という論でしょう。日本軍があってはならないという憲法九条を「悪しき遺産」として非難するものです。その言葉に並列させて違憲の従属的軍隊の増強云々を言うのであるから文法的に成り立たない、駄文としか言いようがありません。
 大体私達にとって日本の国家とは何でしょうか。
 「国家は特殊な権力組織であり、ある階級を抑圧するための暴力組織である。」これはエンゲルスが言っている言葉です。ある階級とは日本ではブルジョアジーと読むべきです。国家が軍隊をもたねばならない、ではその国家の軍隊とはどの階級のための軍隊か、お分かりでしょう。自衛隊は日本独占資本の労働者階級と全人民の支配のための暴力組織なのです。また自衛隊は独占資本=帝国主義の利益のために侵略戦争を戦うための軍隊です。この暴力組織の存在を日本共産党は主張するのです。つまり日本帝国主義の軍隊がないのは「悪しき遺産である」!

 <この論理は共産党が野党であったときは説得力がありますが、民主連合政府を樹立して政権政党になろうとするときにはこの矛盾を日米支配層の責任に押し付けるだけではすまなくなります。
われわれが引き受けるべき矛盾、われわれの矛盾とならざるを得ないでしょう。>
 国家でありながら軍隊をもてないという矛盾は帝国主義としての重要な弱点であり、その弱点を私達は時刻帝国主義を打倒するために利用しなければならないのです。私達には独占資本=帝国主義の軍隊をなくさねばならない。軍隊をもってはならないという憲法9条を名実ともに守らねばならないのです。私達は自衛隊を解体させ、そして帝国主義の最弱の環としての日本帝国主義をさらに弱めることに熱心でなければなりません。なぜならばこの自衛隊という軍隊は日本帝国主義の軍隊であるからです。

<独立した主権国家である中立国が一定期間軍隊を持たずに今日の世界で国の安全を保障することは矛盾であると国民にもはやいい続けることはできないでしょう。→「自衛隊活用論」
民主連合政府のもとでのわが国の自衛措置の問題に明確な答えを出さないかぎり、>
 この論を主張する限り限りなく自民党の改憲論に屈服するしかないでしょう。

一.民主連合政府について
 資料・日本共産党綱領
 四、民主主義革命と民主連合政府
<民主連合政府のもとで万が一に急迫不正のわが国に対する侵略行為がおこった場合、反動的で階級性の強い自衛隊の使用を避けるべきでしょうか。>

 「日本の真の独立の確保と政治・経済・社会の民主主義的な改革の実現を内容とする民主主義革命である。それらは、資本主義の枠内で可能な民主的改革であるが、日本の独占資本主義と対米従属の体制を代表する勢力から、日本国民の利益を代表する勢力の手に国の権力を移す」 

 民主主義革命というのはブルジョア革命であり、封建的支配から権力をブルジョアジーに奪い取らせる革命です。これをいまどき主張すること自体がお笑いなのです。しかしそれは措いて、その具体的提案としてこう書かれています。だがいつのまにか日本独占資本の問題は民主連合政府の提案から抹消されているのです。それは偶然ではなく、日本共産党が日本独占資本=日本帝国主義を擁護する立場に移行していることを示します。
 これはこういうことではないか。日本独占資本自体はアメリカ帝国主義の一定のくびきのもとにおかれその強力な軍事力の圧力から逃れ出たいと考えつつ対等の帝国主義であることが出来ない苦悩を持っています。絶えず面従腹背の関係を持っているのです。この対米対抗的な日本帝国主義の代弁者として(小沢と同じく)日本共産党がなることによって第二自民党である民主党と連合政府を打ち立てよう、その一角を狙おうという意図があります。だが7000万日本労働者階級と人民をもっとも苦しめ収奪、搾取している元凶である日本独占資本の側に立つ日本共産党が左翼の中の反革命党であることを綱領ははからずも自白しているのではないでしょうか。
 ここ、綱領において「労働者階級の前衛」規定を投げ捨て「国民政党」という規定に変えた理由があります。これははっきり言えば労働者階級に対する敵対者として日本共産党が宣言をしたということになるのです。そしてこの党の民族主義とは民族排外主義であり、日本帝国主義の民族主義であることに他ならないのです。
 この方針を持って民主党と合体をしようとするのが民主連合政府でしょう。

「1 日米安保条約を、条約第十条の手続き(アメリカ政府への通告)によって廃棄し、アメリカ軍とその軍事基地を撤退させる。対等平等の立場にもとづく日米友好条約を結ぶ。」

 こうして共産主義者としての節操のかけらまでも投げ捨てて民主連合政府を樹立したとして、その政府が日米安保条約を第十条の手続き(アメリカ政府への通告)によって廃棄するのであるという夢想を方針に掲げています。このような一片の通告が世界でもっとも凶暴なアメリカ帝国主義に通じると考えるほうが異常ではないでしょうか。アメリカ帝国主義にとって日本を失うことは直ちにアメリカ帝国主義本国の瓦解になるのであることは明らかなのだからそのような政府の存在を許さないし、万が一そのような政府が成立すれば軍事力によって瓦解させるのは火を見るよりも明らかです。つまり生まれたてのか弱い民主連合政府といえども帝国主義の政府であるのだから帝国主義間戦争となるのです。これは夢物語(悪夢)でしかないことは日本共産党指導部も知っているが、現実には民主連合政府が成立したとしても日米安保条約は継承する以外にないのを承知の上でのうそです。一方で日米安保条約を凍結すると共産党が主張しているのはその伏線でしょう。
 だがこのように節操をなくした党であってすら政権の座に入り込むことは不可能です。というのは日本共産党に対して日本の支配階級は決して心を許すわけがなく、自民党は日本共産党の国会の議席を限りなくゼロにさせてしまおうとしてきたし、今後もするでしょう。その表れが小選挙区制であったのですが、この選挙制度のもとで議席をとることは不可能になっているのではないでしょうか。かろうじて比例代表区で十人未満の議席を持ちえたが、比例代表すらなくすればそれですむことであり、議会制民主主義は言い換えれば議会制ブルジョア独裁制ということなのです。筵議会制民主主義を主張する日本共産党は真に民主主食いを求める人民の戦いを敗北が明らかな議会闘争に押し込め、院外闘争に敵対することになるのです。
 話を戻して、民主連合政府を樹立するためには日本共産党は議会で多数の議席を持たねばならないが、どんなにあの手この手を尽くしてもそうはならない。民主連合政府をすら樹立できないのだから議会を通して社会主義にいたる道は完全にふさがれているのです。つまり社会主義などは日本においてありえないということを日本共産党が主張しているのです。ただこうした民主連合政府という夢物語を私が引用しているのは夢にはフロイトの分析ではそれを見る人の欲望を無意識に表しているそうだからそうしたまでです。そういえば筆坂問題などは禁欲主義者の性的欲望を暴露するフロイトそのものです。

 二.急迫不正のわが国に対する侵略行為について
 だがイラク戦争の中で形成されたのが世界の支配をめぐる帝国主義ブロックです。ドイツ・フランスを中心にしたユーロ帝国主義に対抗して日米英ブロックが形成されてきています。それは世界の植民地支配を二つの帝国主義ブロックが奪い合う構図であり、やがて帝国主義間戦争という恐るべき第三次帝国主義戦争へと登り詰める十三階段に足をかけたのです。それが軍事的には日米自衛隊の再編成に表されており、在日米軍基地の再編なのです。
 それがただちに何を意味するのか。米軍が戦争をする世界のどの地域においても日本の自衛隊(改憲後には自衛軍)が共同して戦争をするということなのです。それこそが改憲の目的であり、改憲が侵略と同義の言葉なのです。特に日本帝国主義にとって朝鮮(南北とも)、中国に対する領土的支配こそが名実ともに帝国主義にふさわしい行動なのであり、現自民党政権であれ、民主党あるいは民主連合政権であれ、日本帝国主義の代理人である政権はアジア侵略を掲げるしかないのです。
 あなたが危惧する

 「民主連合政府のもとで万が一に急迫不正のわが国に対する侵略行為がおこった場合、反動的で階級性の強い自衛隊の使用を避けるべきでしょうか。」

 急迫不正のわが国に対する侵略行為などは朝鮮、中国に対する侵略戦争のためのプロパガンダにマインドコントロールさせられた理性の眠りからくる悪夢でしかありません。一体、朝鮮、中国をにらむ米軍、即刻に攻撃できる米軍のシーレーン、沖縄の基地、内地の基地の核兵器、そして世界第二位の軍事力を持つ自衛隊。それを考えて御覧なさい。急迫不正のわが国に対する侵略行為がアジアにおいてありえないのです。中国、朝鮮の日本に対する攻撃がないのは日米の圧倒的な軍事力と経済力の差をまともに見れば明らかです。
 私たちの民族は抑圧民族であることをいつも自覚しなければなりません。今改憲をを阻止できなければ私達はアジアの諸民族を絶滅させる虐殺者として人類の最後の世界史に登場するのです。

 三.抗日における国民党の軍隊について
 このような問題を例証に出すことが私にはおかしなことに思われます。
 国民党は孫文の民主主義革命から生まれた軍隊で旧中国の封建的支配に依存しながらも民族資本の立場を代表する国民党の軍隊であり、中国共産党の反封建制と農奴解放、社会主義革命を任務とする軍隊が日本帝国主義の支配に対しては共通する利害をもつので統一戦線を組んだのです。一方自衛隊は元から旧日本軍の侵略性を本質として持つ軍隊であり、本質的に帝国主義の軍隊です。まったく異質の軍隊を同質として比較することは出来ないのです。ちなみに私は社会主義革命を果たしたときには労働者階級の軍隊を必要と考え、絶対的な反軍隊思想をもつものではないのです。しかし自衛隊を社会主義の軍隊に置き換えることは出来ません。自衛隊はその場合には解体するしかないのです。したがって自衛隊は現憲法に照らしても存在してはならないし、将来のどの時点でも共産主義者であるならば解体する方針を持つのです。

 四.<反動的・階級的な軍隊の存する状況での民族戦争・祖国防衛戦争が成り立たないわけではないことは近現代の歴史が証明している>について

 一体このような証明を歴史がしてきたでしょうか。
 まずいっておきたいことは軍隊は必ず階級的な軍隊であるということです。階級がなくなれば軍隊は消滅します。
 ベトナム戦争ひとつをとってもゴジンジェムの軍隊が米軍の傀儡であったにせよ「反動的・階級的な軍隊」として存していたが民族戦争・祖国防衛戦争が成り立っていたのではないですか。それについて反論に多くの言は必要としないでしょう。