「セクハラ」問題は、筆坂問題のほんの一側面にすぎないのでこれ以上関わるつもりはありませんので、この投稿をもって関連投稿は最後といたします。
赤根さんの「私見」は私の意見を意識したもののようですが、「『セクハラ』と断罪して良い場合というのは、筆坂氏とこの女性が支配/被支配の関係にあり、女性が筆坂氏に対して直接抗議することが困難な場合だけ」という極めて限定的な「セクハラ」の定義に基づいているようですので、反論する必要もないと考えます。
ここでは、他者の投稿も考慮に入れながら、2点に絞って意見します。
1つめ。
指導部が「党内に身分的特権的な上下関係などなく、平等な党員間における任務分担があるだけ」と言ってるからといって、それを真に受けるべきではないでしょう。物事を判断する場合、何を言っているかではなく、どうなっているのか分析することが大事です。「民主集中制」の名の元に築きあげられた、民間企業の命令指揮系統と同様のピラミッド構造があります。そのピラミッドの最上位にいた筆坂氏が、その最上位の中でさえ、不破氏が特別な権威者として振舞っていたこと、またその裏返しで、不破氏がおかしなことを言っても誰も指摘する人がいないこと、それらを著書で暴いていますよね。
2つめ。
たとえ赤根さんの「私見」を基準にしたとしても、また事実経過をみても「一方的な断罪」には当たらないと思われます。
筆坂氏は確かに国民に選ばれた議員として説明責任を果たせなかったことが無念であったとは言っています。しかし、党の決定である「中央委員の罷免」という処分自体は納得して受け入れていますし、議員の辞職は、党の決定ではなく、罷免処分を受けて彼自身が決めたことです。要するに、少しも「一方的」ではなく、離党したあとになって、「不可解」だとか指導部が「脅迫」に屈したなどと開き直っているにすぎません。
また、処分自体は、表向きに言えば「自由な人間関係が開花する未来社会を目指しているはずの共産党」の中で、中央委員の地位と「平等」な他の地位にただ異動されただけです。確かに「警告」よりは厳しい処分ですが、「除名」ほど厳しい処分ではない、まさに「中間」の妥当な処分で、「断罪」と言えるほどではないと私は考えています。
一歩譲ったとしても「常幹解任」という処分でしょうか。その場合であっても、中央委員会総会で処分決定されるわけですから、党員および世間に公表され、その影響や衝撃を考えるなら、ほぼ議員辞職にいたったのではないでしょうか。