さざ波の半分位が筆坂問題でゆれているようだが、「筆
坂本」は彼が私の想像以上に「骨が折れている」ことの証明で
しかないし、一方不破さんの赤旗での反論もただ意地汚いだけ
で、髪振り乱した大人気ない代物だし、どちらにもうんざりし
させられてしまった。
しかし、それよりすごいのは、不破反論が出されたら、どち
らもまともに読みもせず、詳しく分析もされていないのに共産
党全党が全国各地で、いわば日本共産党の内部腐敗の問題を、
街頭に出て人々に宣伝してしまうという、漫画チックでかつ、
文字通り共産党のもつ、根深いスターリン主義的な組織のあり
方が、モロに表に出て演じられてしまったということである。
正直、筆坂が書いた「共産党の内実」なるものは少しでも共
産党を知っている人たちにはすでに十分承知の事実であり、な
んら新鮮味はない。
無視すればすぐに収まるものである。しかし共産党は主な書
店に手を回し、「筆坂本」の買占めさえ行い、組織防衛に走っ
た。
しかしなぜ共産党は「筆坂本」発売の裏にあるどす黒いもの
を見ようとしないのだろうか。
改憲と教育基本法改悪、そして共謀罪に国民投票法、それら
強行の「道具」の一つとして「筆坂本」も出されたのである。
今、私たちに要請されているのは、憲法改悪阻止の具体的行
動を行うことであり、教育基本法改悪反対の大統一戦線を構築
することである。
ある町の九条の会発足一周年記念集会で、ある右翼的弁護士 は次のように述べている。
「戦後日本を守ったのは九条ではなくて日米安保 と自衛隊。九条は日本人から有事への想像力を奪った。国民が 公的な義務と責任を果たす、真の民主主義のためなら徴兵制も 容認する」
またある大学教授は次のように語った。
「憲法は自衛隊の存在であからさまな矛盾を抱え ており、あいまいさを除去するべきだ。軍備の増強を続ける中 国や北朝鮮の脅威に対し、抑止力としての軍隊は必要。国のあ り方、現実に憲法を会わせるべきだ」
こういう暴論が司法の場で、キャンパスで論じられ、大衆の
面前で語られているのである。
これらと闘わずして、己のちっぽけなコップの中で争って何
になるといいたいのである。
このままでは負けである。もう少し目を覚ましましょう。