筆坂氏は『日本共産党』の「皆無の政権担当能力」の中
で、共産党はいかなる侵略があっても自衛隊は使いません。…
…そして、自衛隊が災害救助で活躍しているところでも行って
、堂々と「自衛隊反対」というキャンペーンを張ればいいので
ある、と書いている。
これは、安保解消前の自衛隊活用なる不破指導部の見解の行
き着く先を示している。安保条約は日本を守るためのものでは
なく、アメリカ帝国主義の支配と侵略のためのものであり、こ
の条約が存在する限り、自衛隊はアメリカ従属下の反動的軍隊
であり、戦争の原因は日米支配層自体が作り出したものにすぎ
ないというのは、61年綱領の立場に立つ限り疑問の余地はなか
った筈です。安保条約解消前の自衛隊活用の立場に立つ新綱領
は、戦時国債に賛成したドイツ社会民主党と同様の改良主義に
陥っていると言うしかない。
次に自衛隊が災害救助で……だが、地震や災害のの度に自衛
隊が派遣されるのは、これに大規模で組織的に対応できる組織
が自衛隊しかないからにすぎない。自衛隊は軍隊であり、その
目的は戦争である。自衛隊にとってそれは副次的な任務にすぎ
ない。
本来ならば、災害救助のための大規模な組織を(自衛隊の救
助隊化も含めて)主張すべきなのに、この論法は詭弁と言うし
かない。
権力の暴力装置としての軍隊の役割についての認識さえない
筆坂氏を中央委員、幹部会員、政策委員長にしてきたのは、共
産党指導部の責任だと思いますが。