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「自殺防止法」は成立したが、それで何がー?

2006/06/15 寄らば大樹の陰 60代以上 苦闘するフリーター

 末期を迎えた国会で、全会派一致で「自殺対策基本法」なるものが可決成立したという。
 確か去年の警察まとめによる自殺者は、32400人前後だったと思う。1998年から8年連続で3万人を超え、日本は名実共に「自殺大国」である。
 しかも、片方で生きる目的を喪失した若い人たちのメール交換による自殺の頻発、だがもっと深刻なのは社会に出て「責任を負った人々」の自殺の増加である。
 その多くはニート、非正規雇用の増大、入った企業でのリストラ、いじめなどによるストレスからくる「うつ病」の増加が、その原因となっている。
 成立した法案ではⅠ、自殺の防止の調査と研究、Ⅱ、自殺問題の普及、啓発Ⅲ、医療体制の整備、Ⅳ、遺族と民間団体の支援、が取り上げられている。
 しかし「おい、待った、なに考えているのか」と問いたい。
 「うつ」に追い込まれた人々の深刻な苦しみと、もがきが、こんなことで少しでも緩和され、解消するとでも言うのか。
 こんなこと、全くのウソである、ごまかしであり、欺瞞そのものである。

 昨日は医療費負担を削減することを目標にした「医療改革法」が成立した。
 高齢者から「医療費をもっとぶん取れ」、高齢者は「病院に来るな」、「痛くても売薬で我慢しろ」そして「高齢者は早く死ね」という法律である。
 内容からすればこれは「お国のために役立たない高齢者は早く死ね」というナチス以上の法律である。

 そしてそのすこし少し前には、特殊合計出生率、いわゆる「少子化率」が1,25となったと発表され、また65才以上の人口比率が20%を超えたという統計も発表された。
 「小泉構造改革」と「新自由主義」がまるで、なんでも解決する「印籠」や「打ち出の小槌」のように振るわれ、みんなそれにひれ伏しているように見える。
 しかしこんなことで何が解決するのか、何かの進歩でもあるのか。

 もうこの国は根底から変革されなければならない。
 もう国会の政治ゴロや2世3世の政治エリートなどに頼るのをよそう。
 安易な妥協などに「糞食らえ」と言おう。
 政治と企業・資本と、私たちのあり方を根本から変えないと、この国は滅びる、何もしないで、何も出来ないで私たちは滅びてしまう。
 戦後の一時期を除いて、私たちはフランスの高校生やイスラム移民の子弟のように、アメリカのヒスパニックを主体とする移民の人々のように、ドイツや韓国の労働者のように、政府と支配者に怒りをぶっつけ闘ったか、そして中南米の政治家のようにブッシュにNOを突きつけたか、イラクやアフガンの戦士のように明日を信じて圧制者の銃弾に闘いを挑んだことがあるか?

 何もせず、なに試みずなにも悩もうともせず、こんなところでグダグダ唱えてなんになる。
 夏が過ぎれば秋が来る、そのとき、ほとんど全てが決まる、戦後のつけが全て回ってくる、それまでどう行動しどう闘うか、考え討論しよう。
 グダグダはそれまでお預けである。