サッカーが嫌いなのではない。わたしはスポーツが出来
なかったがサッカーに関わらず野球もラグビーもボクシングも
相撲も好きなのである。
サッカーはあまり点が入らないので目が離せない、それで疲
れてしまってうんざりすることもある。ネットの幅をあと1メ
ーターづつ左右に広げたらもっと面白くなると思う。野球は高
校野球のファンであるがいい年をして孫の野球に熱を上げるの
もどうかと思う。プロ野球はどのチームが好きというのではな
い。落合ファンで、ワンちゃんファンだから彼らの行くところ
には追っかけをする。パリーグは冷や飯を食わされているので
、日本シリーズではパリーグの代表を応援する。去年は万年最
下位だったロッテが浮上して阪神を完膚ないほどにやっつけた
のには溜飲が下がる思いだった。だが阪神だ、巨人だと言って
いるプロ野球もアメリカの大リーグが来れば赤子の手をひねる
ような情けないレベルなので味気なくなる。阪神が熱狂的なフ
ァンのおかげでいつでもスポーツ新聞をにぎわしてくれるから
体質が弱く、ハングリー・ロッテに叩き伏せられたのである。
巨人は最もお金も人気のある球団なので「お坊ちゃま」体質と
なってしまっている。
相撲界が肥満のお坊ちゃまだから、貧しいハワイやモンゴー
ルに横綱と大関を取られてしまう。これからは優勝者の国旗を
千秋楽で揚げて、国歌を聞かせてくれればいい。きっとモンゴ
ールの国歌を日本中が覚えてしまうだろう。朝潮竜、白鳳、琴
欧州、わたしはこの三人が好きなのである。外人力士よ。日本
の横綱になって大金を稼いでモンゴールやブルガリアの両親に
孝行をし、村や町の貧しい子供達に寄付をしてやってください
。
たいした実力もないのに、マスコミが騒ぎ立て、ドイツにま
で応援団をたくさん繰り出して日の丸の旗を左右にはためかせ
大歓声をあげる愛国サッカー応援団も、日本のサッカーチーム
がオーストラリア戦、クロアチア戦では後半は引き回されて、
赤いハンカチをくわえて泣く芦屋の「お坊ちゃま」になってし
まったのでは情けないだろう。ブラジル戦が次の相手だが、日
の丸お坊ちゃまは歯が立たないだろう。せっかくブルジョアジ
ーはマスコミと国家を挙げて、この際愛国心をあおりたてるチ
ャンスにしたかったが、井の中の蛙大海を知らず。愛国応援団
は日の丸を巻いて帰ることになるだろう。負け犬が尻尾を巻い
て歩くように。日本の愛国心を無理に煽り立てるサッカーのw
杯は胡散臭い。
被抑圧諸国のブラジルやクロアチア(イランは見ていない)
が、がんばるのは帝国主義諸国の抑圧民族に対する民族主義の
独立の戦いをサッカーに託しているからである。サッカーは帝
国主義対帝国主義、帝国主義対被植民地諸国の代理戦争の戦場
なのである。
戦争を競技場の中でやっていてくれるならば殺しあうほどや
ってもいいことだ。かつてローマでは奴隷のレスラーが競技場
で勝者だけが生き残る競技をさせられ、観客席では貴族と貴夫
人たちが大歓声をあげて見ていたのである。死体になったり、
重傷を負った闘士は檻からから放たれたライオンに競技場の中
で食われてしまうのである。それはローマ貴族の人気のある娯
楽であった。
スパルタクスは競争者を次々と殺したために生き残った奴隷
だが、ついにローマ帝国に対して奴隷達を団結させて反乱を起
こしたのである。この階級闘争がローマ帝国を崩壊させる原動
力となり、歴史は封建時代へと進歩したのである。「クオ・ヴ
ァディス」(ヘンリキシエンキヴィッチ)、少年のころに読ん
だが、スパルタクスの反乱の描写が印象的だった。
そういえば日本のサッカー選手は愛国主義の奴隷のように鍛
え上げられた体をしている。皮下脂肪など全く殺ぎ落とされ、
体は走るための鋼の筋肉で固められたサイボーグである。それ
でも過酷な戦いに傷つけば彼らはボロクズのように路上に捨て
られるのである。すべてのプロスポーツ選手と同じように。彼
らはローマの闘士のようにライオンに食われはしないがどこに
でも消えうせろ。
巨大資本家たちがソファーにそっくり返ってテレビを見なが
ら、日本中が愛国心の糞にまみれていくのを観覧席の日の丸の
旗が日本中になびく日を瞼の裏にオーバーラップさせながら、
高笑いをしているのである。ところでこやつらには愛国心など
かけらもない。いつでも国外に逃げられるようにスイス銀行に
巨額の預金をしている。
「オーオー、可愛いやっちゃ。ほっぺたに赤丸を書いて。お
前さんを前線の自衛軍の部隊の旗手に引き立ててやるぞ。イラ
クがいいか、朝鮮がいいか、それとも中国に行きたいのか」
オイみんな。このどでかい、強欲の腹を蹴飛ばそう。