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「テポドン」と「自衛権」と。

2006/06/20 寄らば大樹の陰 60代以上 苦闘するフリーター

 このところ「テポドン2号」でマスメディアは持ちきり である。
 アメリカはもちろん、日本も偵察衛星や何やらでみんな見通 し済みである。
 だが、なにか正体不明の映像らしきものを映し出し、軍事評 論家先生を担ぎ出してもっともらしく解説させる。
 さすがに額賀長官は、誤魔化すことが不得手と見えて、にゃ にやするだけだが麻生外務大臣となると「テポドンの破片が国 内に落ちれば大変なことになる」と脅かしをかけてみせる。
 しかし大丈夫、この国は毎日のように、JALなど航空機が 整備不良部品を投下してくれているではないか、テポドンの部 品の落下など恐れるに足りることではないのだ。
 ましてや麻生さんがしっかり保障してくれるように、元々テ ポドンは「発射してもどこに飛んでいくか分からぬ代物」なの だ、このように騒ぐこと自体、異様なのである。
 日本が鹿児島の種子島から人工衛星を打ち上げたり、H2A などの発射実験をやっても、どこの国もどこのマスメディアも このようには騒がない。
 アメリカや中国から見れば、軍事的にテポドンよりH2Aが 圧倒的に脅威である、また日本が持つ高濃度のプルトニユウム は、加工して今すぐにでもH2Aの先頭につければ、運搬手段 を持った核搭載した大陸間弾道ミサイルに変身する。
 この情報の使い分けのダブルスタンダードは、すでに立派な 大本営発表なのである。
 ある地区の「9条の会」の学習会に参加した。
 後半の質問で老齢の共産党員さんらしい人が質問した。
 「もしテポドンを日本海の上で打ち落としたら自衛権の行使 で、燃料注入が確認できた時点で、発射基地を先制攻撃して破 壊したらこれも自衛権に当たるのかな」と言う質問だった。
 聞かれた講師は、はっきり回答出来なかったが、それはそう だろう。
 アメリカ・ブッシュのイラク戦争も自衛のための戦争だし、 古今東西、戦争はみんな「自衛のための戦争」なのだ、それ以 外であったためしはない。
 その意味で「主権国家には自衛権がある」と主張する日本共 産党も、また土井たか子さんも同類項で怖いのである。
 今回テポドンが無事発射?されて、日本の気象衛星のように 上空を飛び回ったら、小泉純一郎も安倍晋三も朝鮮の「経済封 鎖」をするのだろうか。
 あるいは先制攻撃か、イラクやアフガンみたいにピョンヤン を「ピンポイント爆撃」に踏み切るだろうか。
 自衛権とはゆえに恐ろしいのである。各地の9条の会のみな さんも、だまされず憲法改悪を阻止し、しっかり9条とその2 項を守って行こう。