貴方の主張は理解します。大部分は同調しますが、見解を異にする部分もありますので、私の見解を述べます。
1.差額ベッド問題
経営が苦しくなると「差額ベッド問題」が時おり出てくることが あります。貴方の主張とは性格が違いますが)親切でよい医療は民 医連だけの専売特許ではありません。土曜午後及び日祭日に診療し ているところはいくつもあります。往診を断る民医連施設もあると 聞きます医療体制もあるかとは思いますが)。かつては救急医療の 返上、産婦人科の廃止、小児科ベッドの縮小・廃止、夜間診療の縮 小等々懸命に経営主義的(?)に打開を図っているものと思います。 患者・住民の最後のよりどころとしての民医連経営をいかに守るか という観点が強いものと思います。
さて、差額ベッド問題ですがこれは民医連医療の原点だと思って います。本来入院すれば全ての医療行為、医療環境は保険負担とす べきであり、政府厚労省はホテルコストという名目で患者負担を増 やしてきています。また、一部導入されていますが、混合診療の本 格的導入の機会を狙っています。貴方の文章にもあります「差別な しの医療」の実践あると思います。
2.民医連方針と医師の多量の退職問題
貴方は「上意下達式に各県連に医療方針を提案」と書いています が、一応大事な方針は全日本民医連理事会での決定という民主的手 続きに基づいての提案であるものと推察します。形式民主主義とい われるかも知れませんが、これの民主的徹底しかないと思います。 貴方の意見が理にかなっているなら必ずそのことを理解してくれる 人がいるはずですし、その意見を持ち続けるべきと考えます。共産 党の強い地域ほどそれを忠実に実行しようとします」と書かれてい ますが、たぶん貴方の誤解だと思います。結果的に同じかも知れま せんが、共産党の強い地域というより大都市部ではないかと思われ ます。
次に医師の多量退職問題ですが、医師だけでなく看護師・薬剤 師、かつては放射線技師の退職問題もありました。その都度各県連 からの支援体制があり、連帯性の強さに感心しています。
私は理想と現実とのギャップが一番の問題と思っています。医師 になったらこういう医療をやろう。あれもやりたいと理想に燃えて 入職しても、現実はなかなかその通りになりません。医療に対する 思いが強ければ強いほどそのギャップに悩みます。労働条件はきつ い、賃金は安い。それならばよそに行こうと考えても不思議はあり ません。でもちょっと待って。よそに行けば賃金は上がる、高度医 療機器は整備されている。それじゃないですよね。いかに自分が描 いた医療の実現に近づけるかが鍵と思います。医療体制の後退はあ る局面ではありますが、患者中心の医療の構築という視点は民医連 が一番と思います。具体的にいうと治療行為というだけでなく、家 庭環境の改善や社会的な資源の活用など一歩踏み込んだ観点による 医療活動の実践があると思います。
最後に一言
「全日本民医連の言うことを聞くばかりの管理職などなりたくな い」私の勝手な憶測ですが、そういう管理部は全日本の方針を本当 の意味で理解していない。自分の言葉で語れない人ではないかと思 います。党員の私でもいやになります。
最後の最後に
私も組織への帰属意識はありません。共産党の方針は基本的には 受け入れていますが、民主集中制、政党助成金、衆院小選挙区全区 立候補、全労連の結成、日の丸君が代問題等々は私の考えと一致し ているわけではありません。
批判・意見などありましたらお寄せ下さい。