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世界の常識とは?

2006/06/10 まっぺん 50代 会社員

 たいへんご無沙汰しております。天野さん、はじめまして。

 税について私は詳しいわけではありませんが、あなたが挙げられた「世界の常識」にはアメリカの税金制度が入っていないようです。政府も消費税アップの時には欧州と比較しましたが、いつもならべったり追随しているアメリカを例にはあげませんでした。なぜならアメリカでは消費税(間接税)よりも直接税の方が主だからです。そうであるならアメリカも「世界の常識」からはずれているという事でしょうか?

 第二に、税制はトータルな収支バランスのもとで比較するべきであって「税金のパーセンテージ」だけで比較しても比較にはなりません。税金が高い国は実際にそれだけ福祉も充実しており、例えば失業者に対しては失業手当を長期間保障しながら再就職のケアをするというように、国民の生活を支えるためにちゃんと使うべきところには使っているのです。公務員の人数を比較すると日本はアメリカの70%、フランスの半分しかいません。世界の常識に合わせて税を上げよというなら、同じく世界の常識に合わせて公共サービスもあげなければバランスがとれません。

 第三に、税のバランスは所得に応じても考えなくてはなりません。欧州の税制の数字だけを今の日本に当てはめれば生活破綻者がますます増大することでしょう。日本では低所得者に同じ比率の消費税を払うゆとりはありません。欧州では所得の差も税制に織り込まれており、例えば食糧などの最低限の生活必需品への課税減免などの措置がとられています。しかし現在日本ではそんな措置はまったくとられておりません。経済格差がますます進みつつある今の日本に、このような税制は合いません。

 第四に、政府が消費税を引き上げる時には「福祉目的」を強調した事を憶えておられるでしょうか? あの約束はどうなったのでしょうか? 福祉は切り捨てられ、一部民間委託になってしまいました。年金もますます重い負担を強いられる一方、老後に戻ってくる額は削られていきます。このように日本政府はその場その時に都合のいい事をいいながら税を引き上げたり法を改正したりし、後になって約束は反故にしてきたのです。これ以上政府のウソに騙されてはいけません。