戦後60年、社会主を名乗った国は姿を消し、壮大な社 会主義という社会実験は失敗したというのが私の評価です。結 局社会主義を名乗って国民を幸せには出来なかったということ でしょう。
日本の場合、社会主義運動は組合運動といっしょになって戦 後の混乱期を乗り越える希望として輝いている時期もあったよ うに思いますが、それも尻つぼみになって組合運動そのものの 衰退すら招く結果になってしまったわけです。資本家は生産手 段を持ち、それを持たない労働者という対立の構造の中で、結 局生産手段を持たないものの悲しいサガでしょうか、社会を発 展させる力を持ち得なかったということなのでしょう。
それにしても、今になって組合運動や社会主義運動を振り返 ってみると、常に『敵』を攻撃することについてはとても『元 気』だったのですが、自分達がどういう社会を目指すかという 点についてはあまり語ったり、議論したことが無かったように 感じます。言ってしまえば常に他人の至らなさを責め、自らの 夢を語ったり、現実の問題を自分達で解決する努力をしようし てきては居なかったように見えます。
そして、この姿勢は今の日本のマスコミそのもののようです 。マスコミは何か問題が起こると、政府を非難することはあっ ても問題の本質を捉えて国民は解決に向けて何をしなければな らないかとは問いません。常に政府や企業を槍玉に挙げて謝罪 を迫るのみです。
社会主義が退潮になったことを受けてかどうか、かつての社 会主義者達がやっていた手法をそのまま取り入れているように 感じられます。今までは社会主義の退潮ということで済みまし たが、これからは、日本社会そのものの退潮を招くことになる ようなそんな感じがします。