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嘉田さんおめでとう!(そして革新側の立直しを希む)

2006/07/04 Forza Giappone 青年

 嘉田さんおめでとう!(そして革新側の立直しを希む)
 「所詮、他県のことではないか」と冷ややかに言われればそ れまでかもしれないものの、個人的にはそうは思わない(仮に ぼくが滋賀県民だとしてもやはりこの無党派新人候補に迷わず 一票を投じたかもしれない)。というのは、ほかでもない7月 2日投開票・滋賀県知事選において政治未経験のフレッシュな 新人が見事、初当選を果たした件である。他薦ではなく「全く の自薦」(!)というから、この国の立候補上の慣例(?)と しては異例ではないだろうか。他陣営よりも数ヶ月出遅れて勝 ち取った当選だというし、「彗星の如く現れた」という形容詞 がふさわしいのかもしれない。これは新しい革新の風になりう るかもしれない。

     初当選の 嘉田由紀子氏:217842票.
      2位の 国松 善次氏:185344票.
 共産党推薦で3位  辻 義則氏: 70110票.

とあるように、自・公・民推薦の現職(国松氏)に3万票以上 の差をつけての快挙。
 出張の途上立ち寄ってくれた滋賀県在住の知人がやや昂奮気 味に語ったが、最大の争点は言うまでもなく「新幹線新駅」問 題。なんでも滋賀県の債務は累計約9000億円(?)前後も あるのだとか。
 にもかかわらず、不要不急の大型公共事業で地元利益誘導を 謀ろうとする悪政。新駅設置予定地に最も近い栗東市瀬田地区 (万一、誤謬があればご指摘ください。)でのアンケートでも 「新駅をぜひ」の強い要望は少数派らしい。
 これは他県の人間にとっては以外だった。「滋賀も1県2駅 になれば便利になるんじゃないの?」との冷やかしに同知人は 「そやかて、新駅はJR在来線の駅と交差するわりには不便なん や。在来線の交差地点からわざわざ離れた場所に新幹線新駅が できるいうことは、県民は気づいとったんや」。「でも京都や 大阪に出る際に便利になるでしょー?」とおだて(?)ても、 「おれらはクルマ族やから新幹線なんて関係あらへん」と一蹴 。
 「新幹線なんかどうでもええさかい、おれのかあちゃんが病 院通いできるように無料循環バス整備してほしいんや。マイク ロバスもしくはワンボックス車で充分やさかい。運転手雇用も 地元優先でな。それにそもそも県財政が膨大な借金抱えとんね ん。毎月確実に借金減らすことや。これ以上ツケを弱者にまわ されたらたまらんわ。ところで、お前んとこは空港でけるっち ゅうやないか? そんなん県民がよくも賛成しとるなぁー、人 口減社会だっちゅうのにそんなん要らんやろが?」
 方言丸出しながら、彼のような冷静派(?)ひとりひとりの 結集が滋賀県政の流れを民主的なベクトルに変えうるかもしれ ない、と強く感じた。着任早々県借金財政の建て直しにあたる 嘉田氏のご苦労は大変だとは思うが・・・。

 個人的には、今回の滋賀の保守3選阻止実現を喜んでいるが 、だが、ここでも共産党に苦言を言っておかなければなるまい 。共産党員の方々からは異論が出るかもしれないが、今回保守 陣営の3選を阻止できたから(まじめな共産党員がみたら)マ ダよかった?ようなものの、辻候補の得票数は、国松氏(現職 )に比べても約11万票も少なかった(それでも善戦と言わな ければならないのかも)。
 辻候補には失礼ながら、立候補者の探索・調整・選定にあた ってベストを尽くしたのだろうか、という点である。ひろく党 外民間人・大学人・NGO等をあたってみなかったのだろうか?  どうせ密室で決められるだろうことだし、いろいろな憶測を 呼んでいるのではないだろうか? 4月にあった衆院千葉7区 補選とは環境等がかなり違うものの、機械的に候補者擁立する ようでは、やはり、もう無党派市民は振り向いてくれないと思 う。

 ともあれ、嘉田氏は環境学者ならではの鋭敏で卓越した自然 眼をお持ちなのだろう。なにしろ中学生時代に訪れたこの琵琶 湖に感動したことが環境学者への志しを決定したのだとか。門 外漢がいうのもナンだが、天職なのではないか。母校の京大や 京都精華大学の同僚研究者、友人らはさぞ喜びもひとしおなの だろう。
 自然を愛でるまなざしはきっと護憲運動にも新風を吹き込ん でくれるだろうことを確信するとともに大いに期待している。
 嘉田さん、おめでとう!