ロックとともに、共産党や左翼の多くの人々に毛嫌いされる 音楽にジャズがあります。
しかし、ジャズのついて共産党は、1970年代の中ごろに 赤旗で30回にわたって特集がなされたこともあります。
私もこの記事を読みながら、丁度、中学・高校生の私がジャ ズ喫茶に通いだした時期でもありましたので、たのしみながら 読んでいました。
ここでは、ジャズについての偏見やジャズとは何なのかにつ いて論じたいと思っています。
第一に、ジャズは黒人解放運動の中で培われてきた音楽です 。
ジャズと聞くと、進駐軍といっしょに日本に入ってきた印象 が強いと感じる人が多かったのでしょう。
ジャズをアメリカ帝国主義の手策の音楽と言う人があります が、それは間違いです。
ジャズは、アフリカから大量に拉致されてきて奴隷として抑 圧されてきた黒人が作り出した解放のための音楽です。
その起源は、1900年頃であり、一世紀の歴史がある音楽 です。
第二に、ジャズはクラシックと同列に置けるだけの音楽理論 を持った高度な音楽であるだけでなく、即興性の高いクラシッ クにはない側面を持った大衆音楽です。
音楽の要素は、リズム・メロディ・ハーモニーです。
このジャズのリズムは、4ビートで刻みます。
ロックのリズムのほとんどは8ビートです。最近のフュージ ョンと呼ばれているジャズは、16ビートです。
ジャズのメロディは、自在に即興で演奏されます。
ジャズの演奏の多くは、テーマのなる原曲のメロディの演奏 からはじまり、各楽器がソロで即興演奏する演奏が行われ、テ ーマに戻って終わる構成になっています。
このメロディですが,クラシックの多くは、ドレミ…の教会 スケールで演奏します。
しかし、ジャズの場合、それに加えて、ペンタトニックスケ ールやブルーススケール、モード奏法といわれるスケールなど を使って、即興演奏されるのが特徴です。
ジャズのハーモニーは、重層化した複雑なコードで深みを出 して演奏されます。
たとえば、C|F|G7というコード進行があった場合、C△7 |F6|G7と演奏するなどといったコードを独特な様相に置き 換えて演奏します。
第三に、ジャズと言ってもその様相はさまざまです。
ジャズは、18世紀のブルースから始まり、ニューオリンズ ジャズ、デキシージャズ、シカゴジャズと変化していき、大衆 に受け入れられたスイングジャズへと転化していき、即興の音 楽として開花したビーバップか革命を経て、クールジャズ、ウ エストコースト、ハードバップ、フリージャズ、クロスオーバ ー、フュージョンと進化してきました。
ジャズはすばらしい音楽です。
ジャズは、それまでのクラシックや世界中の民族音楽では表 現できなかった人間の怒りや苦しみ、喜びや嬉しさを多様に表 現している音楽と言えます。