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安倍晋三は靖国神社参拝を行わない?

2006/08/01 sapata 60代以上 無職

 今夜(06/07/31)のテレビ朝日、たけしのTVタックルはなかなか面白かった。安倍のパシリ、山本一太参議院議員はかなり苦しげに、安倍候補が当面、靖国神社参拝についてはだんまりを決め込むこと、そして最後に、総理になった場合、靖国神社参拝を行わない選択肢もあると発言した。本音が出たという所か。他の出演者もすべて、この発言には異を唱えなかったし、納得した表情であった。もし本当に安倍が総理になって靖国神社参拝を行わないことを選択したとすれば、何故であろうか。単純に国民世論に押されたからだとは考えにくい。世論は対中外交改善が多数のようであるが、圧倒的ではない。私の推理では、決め手はアメリカからの要請に従ったということだと思われる。少し前、対中関係改善を唱える、有力総理候補の福田が訪米した時のテレビ報道は、異常なほどの歓迎振りを映していた。時を同じくして、アメリカ議会筋から、小泉の靖国参拝を批判する声が、盛んに報道された。これらは靖国参拝を止めて、中国の面子を立て、対中関係を改善せよ、中国の経済成長のあしを引っ張るなという、アメリカから日本の政治家へのメッセージと思われる。アメリカ資本は中国を当面、攻撃の対象としてではなく、最も魅力あるマーケットとして重視している。それでなくてもアメリカは中東問題で忙しいのだ。「ブタは太らせてから食え」という積りかも。安倍は既にこの要請を受け入れた。そこで福田の役割は終わったのだ。これが福田が立候補しなかった理由なのではあるまいか。以上のようにでも推理しなければ、福田の立候補中止はいささか不可解である。
 もう一つこの番組で注目したことは、昭和天皇のメモの話である。多くの出演者はこのメモが一定の政治的意図があって、公表されたものだと主張していた。私もそう思う。従って何も「有難い」話だとは全く思わない。それどころか私は昭和天皇の真意がこのメモの通りだというのは、少し不自然だとすら思っている。天皇が靖国参拝を中止するという行為はかなり影響力のあることである。一応の政治的計算なしで、昭和天皇個人の「平和愛好」の心情だけで出来ることとも思えない。一種の政治的保身の意味をこめたメモである可能性もあると疑っている。しかし靖国神社サイドが分祀論を受け入れやすくする効果はあるのではないか。
 面白かったのは浜幸の発言である。この元国会議員は三枚目と強面を使い分けながら、時々当たる発言をする。彼は妙に興奮した面持ちで、声を震わせて、天皇の命令で戦死した幾百万の兵士のため、天皇は靖国神社に参拝すべきだと主張した。戦争裁判を批判し、一歩間違えれば昭和天皇の戦争責任論になりかねない発言をし、開戦のアメリカ陰謀論まで飛び出して、他の出演者もハラハラして、或いは感動したように、早く、天皇が靖国参拝できるようにしたいものだと、発言していた。浜幸は言いたい放題言っているというより、冷汗をかきながら発言しているように見えた。彼は何を恐れていたのだろうか。恐らく、彼はアメリカの虎の尾を踏むことを恐れていたのではあるまいか。アメリカの逆鱗に触れる発言をすれば、どんなしっぺい返しがくるか、よく理解しているようだ。彼の予測が時々当たる秘密もその辺にありそうだ。
 戦死者だけでなく、何百万という日本国民も犠牲になっているという話も出た。しかし、日本国民以外、アジアに何百万という犠牲者が出たという話は、最後まで一言も出なかったのが印象的であった。