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レバノン問題について2

2006/08/04 風来坊 50代 自営業

 8月1日の日刊ゲンダイに天木直人氏が以下の文章を書いている。

 世界はレバノンを見殺しにするのか
 7月12日から始まったイスラエルの攻撃でレバノンが悲鳴を上げている。それでも世界は何も出来ないままだ。連日繰り返される戦争報道は決して問題の本質に迫ろうとはしない。だからこそ私は真実を語りたい。これは3年前まで駐レバノン日本国特命全権大使を務めた私のせめてもの責任である。
 中東のあらゆる紛争の底に流れるのは1948年に始まったイスラエル・パレスチナ問題である。それはナチの虐殺から逃れて欧州から中東に移り住んだユダヤ人が先住民であるアラブ人(パレスチナ人)と始めた、領土をめぐる宗教、民族紛争である。その限りでは双方ともに、欧米植民地政策の犠牲者であった。
 ところが、この紛争は1967年のいわゆる第3次中東紛争を契機に大きくその性格を変えた。米国の軍事支援を受けて圧倒的に強くなったイスラエルが、弱者であるパレスチナ人を弾圧、追放するという不平等、不正義の戦いになったのだ。
 パレスチナ問題の公正かつ永続的な解決はイスラエルとパレスチナの二つの主権国家の平和共存しかありえないことは誰でもわかるだろう。ところが圧倒的に強くなったイスラエルはもはやパレスチナ国家の独立を認めない。それどころか抵抗するパレスチナ人とそれに味方するアラブ、イスラムの過激派を地球上から一掃することによってのみ自らの安全が確保できると信じるようになった。これでは平和が来るはずがない。
 絶妙のタイミングで起こった9・11事件をきっかけに、米国とイスラエルは「テロとの戦い」を叫び、抵抗組織の壊滅作戦に乗り出した。アルカイダを追ってアフガン、イラクを攻撃し、アラファトを軟禁、病死させてPLOを分裂させた。そして今、最後の抵抗組織であるヒズボラを叩き潰そうとしている。
 これが今回のイスラエルのレバノン攻撃の真相だ。だからこそ米国はイスラエルの攻撃続行を許している。あらゆる犠牲を払っても「テロとの戦争」に勝たねばならないのだ。
 なぜ国際社会はこの暴挙を止められないのか。それはユダヤ人に国を乗っ取られた米国がイスラエルに味方し、圧倒的な軍事力にまかせて世界を黙らせようとしているからだ。世界が米国に楯突いても仕方がないとあきらめつつあるからだ。
 しかし、果たしてそれで世界は平和になるのか?
 いま国際政治は21世紀最大の正念場を迎えようとしている。


 前の投稿でも述べたように、どちらが侵略者なのか、占領者なのか。
 また、どちらの側に正義はあるのか。
 それを曖昧にしてはならない。