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小泉的護憲と枝野的改憲---無責任政治自民vsとリアリティー欠如民主若手

2006/08/16 音 重子 30代 給与生活者(連合系労組役員、社会市民連合代表幹事)

 小泉さんは、最悪の総理大臣だったという人も多い。

 しかし、小泉さんは、実は、建前上は「護憲派」である。
 先の戦争も侵略戦争であると認めている。ただ、靖国参拝には拘っている。これは、保守層をなだめるためのパフォーマンスという側面もある。しかし、建前とはいえ、「護憲派」なのだ。
 イラク、アフガンに派兵しているが、一方で頑強に「平和憲法を遵守」と繰り返している。もちろん、彼は総理大臣で公務員だから当然である。石原都知事が公務員の自覚がないのとは対照的である。

 さて、小泉さんで解釈改憲されたから、歯止めのために改憲をと、枝野幸男さん(民主党憲法調査会長)がTVなどで発言している。

 たしかに、枝野さん本人や、江田五月さんくらいが総理大臣ならそれも当てはまろう。しかし、今度、自民党に政権が戻ったらどうか。安倍晋三、山本一太、西川京子、山谷えり子。。こんなところが総理や閣僚になったら、その政権で、改正後の憲法が守られるというリアリティーはない。枝野さんは理論的には優秀な弁護士だと思うが、政治的リアリズムに欠けるところがある。有事法制のときも、国民保護法制を制定すれば良いと自民党と妥協した。とんでもない。
 国民を保護するなどそもそも政府も考えては居ない。むしろ戦時色を強めることに利用されるだけだろう。

 そんな現実感覚もないのか。小泉さんが無責任政治なら、枝野さんは机上の理論先行で、結局、自民党に利用されてしまう未熟な政治と言えるかもしれない。(小沢さんや亀井さんのほうが現実感覚ははるかにあるだろう。)

 歯止め改憲など、ナンセンスである。結局変えたところを出発点にまたそこからさらにひどく解釈改憲が進むだけ。だったら、最初から変えないほうが良い。それが政治というものだろう。やはり、そうすると民主党の若手諸君には信頼して任せられないという結論になってしまう。