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やすし様 同盟系の労働運動について

2006/08/22 ぴーす2006 40代 会社員

やすし様
 私は端的に言えば旧新左翼出身の市民主義者でして、政治信条的には旧同盟・民社のアナクロ反動的主張は大嫌いです。旧同盟系の労働運動は、ただの経営側の別働隊で、労働運動の名には値しないと思っていました。
 しかし、最近はそれなりに様々な系統の活動やカードルと具体的に接点を持つようになりだいぶ考えが変わりました。現在の私の理解では、旧同盟系の労働運動は全く経営の一部であるものと、反左翼で経営と共闘してきた労働組合主義者の混成部隊です。共通項は反共・反総評です。思想的には概ねアナクロ反動派で、左派勢力攻撃の先兵を務めることによって、経営側から厚遇されてきたことはご承知の通りです。私自身、労働者階級の裏切り者とずっと決めつけてきました。
 でもね、職場で左翼が壊滅した後では彼らは用済みになって、活動家はちゃんと弾圧されているんですよ。敵の敵は味方で経営と共闘してきたものの、労働者の権利や利益を守るということについては相当に徹底している活動家が確かに存在しているわけです。左翼は政治目的のために無謀な戦いに労働者を動員することもあるし、左派組合に結集すること自身が不利益になるような場合も少なくないわけですが、彼らは実利に拘る。
 私は正しいとはまったく思わないけど、自らの組合員の狭い利益のために共通の敵をたたきながら、経営に取入るということを目的意識的に追求し、一定の成果をあげてきたわけです。現に民間基幹産業の労働運動は同盟系が占めるに至って、結局連合の主導権を握ったわけです。民社系の議員も現に勢力を維持している。
 もちろん他組合の労働者を売り渡して利益供与を受けるという同盟系の手法は極めて不愉快ではあるけど、まあ考えてみれば行政と密接な関係にある官公労に入って出世するとか、当局と密接である福祉職場や医療職場で共産党系労組に入って居心地よく暮らすのと大差ないのじゃないですか。
 労働組合は別に革命したり政治運動するものじゃなくて、労働者の権利を守り待遇を向上させることが直接の任務だとすれば、こちらの方がまっとうという見方もできると思います。共産党の伝動ベルトとして党の利益に従属させられる全労連主流や、官公労の独特の利害共同体であった旧総評主流の労働運動家より、よほど自立した労働者の利益のために献身的に活動するカードルが旧同盟系にも存在するということ自体は正当に評価すべきと思っています。もちろん政治的な議論をするとたいてい自民党より反動的で180度違うんですが。労働者の団結と利益には拘るんだよね。
 友愛系労組は富士社会教育センターという財団法人をつくって、活動家を詰め込んで労働運動論や社民主義(彼らの用語では民主社会主義)のスパルタ教育をしています。産別毎の制度や取り組みはあるでしょうが、私の知る限り全労連全体、連合全体、全労協全体、旧総評勢力全体のどれも、これに匹敵する活動家養成システムはないと思います。
 いま議論になっている「社会主義青年フォーラム」は旧民社ユースを母体にして新たに結成された青年組織で、IUSYの加盟権を継承しています。私の理解では、当初は「拉致はケシカラン」・「大日本帝国万歳」的反動若者と、欧州社民志向のピュア社民派の共同戦線的に組織形成されたものの、その後の勢力争いで反動派が勝利したようで、現在は普通のウヨク青年組織と思っておけばよいと思います。
 ちなみに、旧社青同の分派であった社青同全国協が改名した同名の組織「社会主義青年フォーラム」という組織も存在していました。いわゆる旧太田派系の青年組織で、社青同、全青連と並んで社会党系青年三団体と言われてましたが、数年前に解散しています。