> しんぶん赤旗も「アラブ連盟は、十五日、エジプトの首都 カイロで緊急外相会議を開き、イスラエルのレバノン攻撃と、 ヒズボラの行為を非難する最終声明を発表した」と報じた。
> しかし、このような報道の仕方は、どちらが侵略者、占領 者であるのか触れず、両方とも悪いという印象を与えかねいし 、マスコミ報道の経過を追認しているような報道姿勢に終始し ている。しかしこのような事実経過に納得できない
風来坊さまの他の投稿には共感できるところが少なくないし
、こまかな相違点にこだわるのは間違いだと常々思っているの
ですが、引用文の観点には本質的な点で納得できないので、失
礼を承知で一言差し挟ませてください。
ヒズボラとイスラエル、どちらが侵略者で占領者なのかとい
う二項対立の図式は誤っているのではないかと私は思うのです
。
イスラエルが侵略者であるのは間違いない所です。
しかし侵略されているのはヒズボラではありません。
侵略されているのはレバノンの民衆です。
ヒズボラは侵略と戦うレジスタンスであるという側面はあり
ますが、それだけでヒズボラを語ることはできません。
ヒズボラは挑発者でもあるからです。
またヒズボラはカルトの側面も持つ団体です。
そして他面ではイランの第五列でもあるようです。
ですからけっして民衆の本当の味方ではない。
レバノン政府が戦わないのだから、イスラエルの侵略と戦う
気概を持ったレバノン人は戦うための武器と資金を持っている
ヒズボラに接近するでしょう。
それは勇気あるレバノン人にしてみれば余儀ないことかもし
れません。
しかしヒズボラの出自はレバノン民衆ではなくシーア派イラ
ンであり、彼らを支えている財源は民衆の拠出ではなくイラン
の資金であり、求めているものは平和ではなく当面の混乱であ
り、混乱から生みだそうとしているのは民主主義ではなく宗教
支配であり、その結果としてその奉仕する対象は民衆ではなく
シーア派イランにならざるを得ないことを知れば、安易な同調
は危険ではないでしょうか。
「敵の敵は味方」とよく言われます。
戦略としてはそういう選択もあるでしょうが、しかししょせ
ん「敵の敵」は「敵の敵」でしかないのであって、それが民衆
の陣営に属するのかどうかは、慎重に見極めねばならないと私
は思います。
あえて言いますが、イスラエルとヒズボラのどちらが悪いか
と問われれば、私は「どちらも悪い」と答えたいと思っていま
す。
「イスラエル政府もヒズボラも、どちらもレバノン民衆のた
めにならない」と。
大変にぶしつけなものいいになって恐縮です。
しかし大切な視点ではないかと考えたので、あえて異論を提
示致しました。
失礼の段はお許し下さい。