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どろさま

2006/08/13 風来坊 50代 自営業

 ヒズボラがイランの第五列という指摘ですが、ヒズボラがイランの革命防衛隊が作ったレバノンに元々の基盤がない組織にすぎないという西側の報道に疑問を持っていました。
 kusukusu氏が「地球が回れば、フィルムも回る」というホームパージの中で、日刊リベタの7月31日の記事(イランの支援がなくてもヒズボラは生き残る アンワールリジビ)を掲載していましたので引用してみます。
 ケンブリッジで学者をしていたサイード・アリ・アッバスはイランとヒズボラの関係に深い見識を持っている。彼は現在、ロンドンとイランのコムの両方に暮らし、コムではイスラム法を学んでいる。コムに滞在することでアッバスは、シーア派の学者と知り合った。彼らの一部はイラン政権の非公式の政策顧問として活動している。彼もまたコムでは、ヒズボラの多くの指導者と会っている。
 アッバスの見方はヒズボラとイランとの関係の性質を明らかにし、西側の政策決定者の考えにある材料を与えるかもしれない。彼の見方によると、西側はイランに対しヒズボラへの支持を止めろと要求しているが、それは単純化しすぎている。「ヒズボラはイラン政府から命令を受けることはない、マル。関係はずっと深く、宗教的、文化的、精神的意味合いは数世紀さかのぼる」
 ヒズボラを動かす哲学の基本的な原則は、ベラヤティ・ファギ(イスラム法学者による統治)というシーア派教義の信念である。これは、世俗的、精神的な出来事でシーア派を率いることができる唯一の者は、この世で12代目のシーア派のイマームを代表する人であるということを意味する。
 現在、世界のシーア派の人々の相当数と特に、ヒズボラにとって、その人はイランの精神指導者、ハメネイ師である。彼はラーバー(ペルシャ語で「指導者」ないし「道を示す人」)として知られる。ハメネイは公式な役職は持たないが、イランにおける宗教・政治権威の究極の源であり、当然、彼を法学者として信じるすべてのシーア派は従わなくてはならない人物である。
 アッバスによると、彼を信じる人にとって、法学者の言葉は選挙で選ばれた政府が通した法律より影響力がある。
 「ヒズボラは、レバノンであろうと、イランであろうと、国家の権威を認めることを拒否する。なぜなら、国家は、12代目のイマーム(シーア派神学での最高法学者)を代表していない人々によって運営されているからである。それゆえ、イラク政権の交代があっても、現在のイラン政権がヒズボラへの支持を止めることはなさそうだが、仮にあっても、ヒズボラは国家を飛び越えて、彼らが現在の法学者とみなす者から指導を求めるであろう」
 資金援助については、アッバスは同様に率直である。「仮にイランが国家としてヒズボラへの物質的支援をやめても、ヒズボラが組織として崩壊することを意味しない。ヒズボラは、その資金の大部分をフムスというシーア派の徴税制度から得ている。これは主流イスラムのザカートとはまったく異なる、独特な税金形態である。
 フムス税制度によるとシーア派の成人は誰でも収入の一定の割合を、シーア派の宗教指導者に払う義務がある。フムス制度を通じて集められた金のほとんどは、シーア派のふたつの主要な権力の座にいるアヤトラのところに集まる。イラクのナジャフとイランのコムである。
 実際の総額は明らかにされたことはないが、毎年数億ドルの範囲にあると思われる。一旦クムスが集められると、使い道を決めるのはシーア派の指導者で、価値ある大義と見なしたものに使われる。フムス制度を通じて、収入が得られる限り、ヒズボラは生き残り、成長するというのがアッバスの見方である。
 イランをレバノンにおける「テロリスト」組織を支援する国家として見るのは単純すぎる見方で、ヒズボラとイランの関係の根本には、ずっと根深いものがある。このために、ヒズボラへの支援をやめさせるためにイラン政権に圧力を掛けることで何が達成できるのか見極めるのは困難である。イランがこの悲劇的な出来事で、はっきりした役割を演じているが、イランが好きな時に焚きつけたり、やめさせたりできるかのように言うのはまったくの誤りである。

 全文は、日刊ベリタをご覧になってください。
 確かに、ヒズボラはイスラム原理主義の立場に立つもので、問題点がないわけではありません。しかし、ヒズボラの出自はレバノン民衆ではなくシーア派イランであり、彼らを支えている財源は民衆の拠出ではなくイランの資金でありというのは、一面的すぎるのではないですか。
 イスラム原理主義に問題点がないわけではありません。
 しかし、今、中東で起きている悲劇の主要な原因は、イスラム原理主義ではなく、シオニストの横暴とアメリカ(ブッシュ)のキリスト教原理主義に原因があるのではないでしょうか。
 ヒズボラ以外の問題は改めて投稿したいと思います。