>7、最後に
...
願わくば、レスという形を取らずに、“疑惑”紹介していた だきたいものです。
初めにお断りするために順番を入れ替えましたが、やはり誤
解されていると 受け取れることが多々あるので、申し訳あり
ませんが返答させていただきます。
これは澄空さんの反論を期待してのものではなく、ほかにお
られるかも知れない、9.11事件の事実解明に関心をお持ちの読
者の判断に任せるためです。
...
> 無党派通行人さんは、投稿の中で、自作自演論者の言う“ 疑惑”や思い込みが、あたかも真実味のある証拠や「裏付け」 、あるいは周知の事実であるかのように述べておられます。そ うすることで、自作自演説の信憑性はますます失墜していきま す。
澄空さんの「思い込み」は相当なものだと思いますが、それ
は措きます。
「公式アルカイダ陰謀説」の代替説に関する日本での紹介の
され方だけを見る とそのように感じられるのかも知れません
が、米国で信頼性が失墜しているのは「公式陰謀説」のほうで
あり、政府が犯行を意図的に見逃したか何らかの形で関与した
との疑念または確信を持つ人の割合は増える一方で、主流メデ
ィアも無視できなくなっています。
> 「9.11」に関しては事実上の犯行声明があり、自作自 演説もあちこちで批判にさらされているのですが、信奉者には 都合の悪い事実はみえないのでしょう。
「都合の悪い事実がみえない」という表現は、むしろ「公式
陰謀説」信奉者に よりいっそう当てはまると考えますが、そ
れは措きます。
「公式陰謀説」にとって都合が悪く無視されている事実のな
かには捏造しようのない証拠や証言が数多くあります。
たとえ信憑性の評価を抜きにして「事実上の犯行声明」を受
け入れたとしても、便乗、スパイ、工作員、共犯などいろいろ
な可能性が考えられるので、内部犯行が関わらなかったことの
根拠にはなりません。
また「自作自演説」と一口で言ってもその内容は様々で、あ
る特定の説が否定されたとしても、それで他の説が否定される
わけでも、「公式陰謀説」の信憑性が他の説より上がるわけで
もありません。
>1、批判対象を知らずして批判できるのか?
ものごとを批判する場合、批判対象を正確に理解することは 最低限のルールだと思いますが、無党派通行人さんはまたして も簡単に切り捨ててしまっています。
調査委員会報告書は、あれこれの“疑惑”に答えるために出 されたのではありませんし、7時間にわたる火災で倒壊したW TC7はテロの対象ではなかったので触れられていないのは当 然であって、それをもって「全く触れられていないということ を知るだけで十分」とはどういうことでしょうか? 読んだこ ともないなら、そもそも批判する資格はないことを知るべきで す。
わけがわからないのですが、もともと委員会報告書を批判の
対象にしていません。
記録に残っている証拠によって科学的に考察できる現象を対
象にしているので、 委員会報告書にそのような考察に必要な
情報が含まれていないことがわかれば十分だということです。
委員会報告書への他人の批判を引き合いに出したのは、単に
話題に出された からです。
(前回挙げた批判本の表題が尻切れになっていたので訂正する
と
David Ray Griffin, "The 9/11 Commision Report: Omissions
And Distortions"
書評
https://secure.reopen911.org/catalog/product_info.php?products_id=31
日本語の要約
http://www.wa3w.com/911/resources/CommissionReport.html)
「テロの対象ではなかった」というのは「ハイジャックされ
た旅客機の攻撃対象ではなかった」ことを意味するに過ぎず、
「テロ」の意味や範囲を初めから決めつけているだけです。
WTC第7ビルの崩壊が9.11の事件を構成する重要な要素である
ことは変わりません。
>2、不思議でないことを不思議そうに言う
...
つまり、偽名であっても、当然ハイジャッカーと認定できる し、組織のトップがそのメンバーを通称(偽名)で呼ぶことは 不思議なことではありません。
偽名は架空のものや不破氏のような独自のものではなく、実 在の人物のなりすましなので、容疑者名が発表されたあとに自 分が無関係として訴え出た人物とは、それまでの生活で不都合 が起こらなかったのかなど、疑問は尽きませんが、特に私の興 味の対象というわけではないのでこれ以上は立ち入りません。
3、古いデータを使った“疑惑”をさらに誤読する
AA77便の「最初の」乗客リストなるものに関する紹介ページ は、アメリカン航空の「最初の」乗客リストにアラブ人の名前 がなく人数も少なかったことがおかしいとしたものです。その 後まもなく、アメリカン航空がCNNに提供した乗客リストは訂 正されていますので、前回の投稿でアメリカン航空のリストに は不備があったとみなすべきだと私は書いたわけです。
いずれにせよ、最終リストで乗客数の過不足が発生している わけでないことは紹介ページをちゃんと読めばわかることです (さらにCNNのサイトをみれば一目瞭然です)。無党派通行人 さんは、ページを斜め読みして勝手な思い込みをしているので しょう。
問題を全く理解されていないようですが、初めだろうが後だ
ろうが、そもそもオンラインで処理されているはずの航空会社
の乗客リストに欠落が生じるという現象が無視できないほどの
確率で起こるかどうかが問題なのですが。
何にせよエラーが起きるとすれば、まずは人為的なもの以外
に考えられません。
後になって訂正されたら、ますますリストに細工がなかった
ことの根拠にならなくなります。
また、私の探し方が足りないかも知れませんが、その後AA社
がCNNに訂正した「最終リスト」を提供したという内容が、CNN
のサイトでも、
前回の http://www.physics911.net/olmsted.htm
でも見当たりません。
念のため記すと、AA社の提供とされるCNNのリスト
http://www.cnn.com/SPECIALS/2001/trade.center/victims/AA77.victims.html
では、乗員6名、乗客50名のままで、ハイジャッカー5人を加え
てもこのページの冒頭にも記されている総員64人に3人足りま
せん。
一方、筆者が Armed Forces Institute of Pathology (AFIP)
に正式に請求して得られた検死リストに載っていて、AA社のリ
ストにない名前は、Robert Ploger, Zandra Ploger, Sandra
Teague
の3人です。
筆者によると、AA社に3回コンタクトを試みたが、最終リス
トの提供を拒んだ ばかりか、初めにCNNへリストを提供したと
いう事実も確認しなかったということです。
だいたいこの著者は「最初の」リストなるものをアメリカン 航空ではなく、CNNのサイトから得たくせに、最新のリストに ついてはCNNのサイトでみるだけでは満足せず、あえて相手に されないことを承知の上でアメリカン航空にリストの提供を求 めたわけです。それで返事が得られないから、どうだというの でしょうか? まったくわけがわかりません。
筆者がAA社の「最新のリスト」をCNNのサイトで見たという
内容が見当たらず、「(筆者が) 相手にされないことを承知の
上で」と判断される根拠もわかりません。
ここは私の根本的な勘違いの可能性もあり、主たる興味の対
象でもないので、これ以上は立ち入りません。
4、容易に説明できる方が正しい?
説明の容易さが説の正しさを保証するするわけではありませ
んが、説明が容易でない、すなわち (都合のよい偶然も含む)
根拠不明の余分な仮説をより多く加えなければならない説より
も正しい見込みがあるということです。(これを「オッカムの
剃刀」とか「思考節約の原理」とか言います。もちろん例外は
あります。)
しかし公式説では説明が容易でないどころか、事実上不可能
な (だから無視 されているとも考えられる) 現象があります
。
> 「まず今のところ、WTC7についてはもとより、飛行機の衝 突と火災のみによってタワーが崩壊するというシミュレーショ ンモデルは存在しないか公開されておらず、鉄骨の耐久試験に よっても支持されない一方で、爆破解体説は入手できるほぼす べての証拠を説明できて、それに対抗する説がありません。」
爆破の場合なら爆薬の位置や威力は計算可能でしょうが、火 災という要因を入れてWTCの崩壊を完全にシミュレーション することは困難です。どの階にどのような可燃物があったのか は調査可能としても、火災がどのように広がり進んだのかにつ いてのビル内部の情報はほとんどなく、外部からのビデオなど 限られた情報しか存在しないからです。当たり前のこと(と思 うの)ですが、シミュレーションが困難だから事実ではないと いうことにはなりません。
わけがわかりません。
シミュレーションが「困難」なのではなく、要求にもかかわ
らず公開されない か、もとより存在しないということなので
すが。
特に、WTCタワーの崩壊開始後の振る舞いと、第7ビルの崩壊
そのものについてはシミュレーションが試みられたという兆候
もありません。
私は専門家でないので具体的に述べることはできませんが、
別に現実の条件をぴったり再現する必要はなく、ビル内の火災
の燃料になる物質や量を想定して、現実の条件が十分に含まれ
ると考えられる範囲を設定すればいいので、特に「困難」とい
うことはないでしょう。
その範囲でシミュレーションして、最も過酷な条件でも崩壊
が起こらなければ、現実にも崩壊しないだろうということを強
く支持することになるわけです。
火災の燃料についてではなく、タワーの崩壊前までの過程に
限られてもいますが、NISTによるシミュレーションでの四苦八
苦ぶりがジョーンズ論文に述べられています。
(最近大学のサイトから削除されたジョーンズ教授の論文は
http://worldtradecentertruth.com/volume/200609/
WhyIndeedDidtheWorldTradeCenterBuildingsCompletelyCollapse.pdf)
いずれにせよビルが崩壊するという過程が公開できないか存
在せず、実物による耐久試験によっても支持されないというの
では、飛行機の衝突と火災のみによってビルが崩壊したという
根拠は何一つ存在しないことになります。
これは歴史上火災で全崩壊した鉄骨の高層ビルが他にないと
いう事実とも合致します。
以上から導かれる結論は、飛行機の衝突と火災のみによって
ビルが崩壊した という説は「極めて疑わしい」というもので
すが、これは普通の言い方では「事実ではない」と言っている
も同然です。
> こういった場合、判断基準は、シミュレーションモデルが あるかどうかではなく、WTCの崩壊が、飛行機の衝突と火災 で説明がつくかどうかという点におくべきです。つまり、自作 自演説を主張するならば、飛行機の衝突と火災で崩壊したので はないことを証明するか、他の原因があったことの証拠を示す 必要があります。そのような証拠は今のところ示されておりま せん。
わけがわかりません。
「シミュレーションモデルが存在しない」あるいは「シミュ
レーションで再現できない」ばかりか、実験や歴史的経験によ
っても支持されないことを、普通の言い方では「説明がつかな
い」ともいうのですが。
さらに、ジョーンズ論文にも載っていてここで列挙してもし
ょうがないですが、他に原因があったとしなければ説明できな
い、あるいは公式説による説明のためには新たな根拠不明の仮
説を付け加えなければならないような証拠は数々あり、公式の
報告書で全く触れられていないものもあります。
力学法則を考慮しなくてもわかりやすいものには、
・飛行機の衝突直前や崩壊直前・途中の爆発、爆発音、閃光の
証言
・WTC南棟の崩壊直前に見られた、まわりの火災の温度を明ら
かに越えると見られる融けた金属の外への漏れ出し。
・飛行機の突入位置や崩壊部分よりはるか下の何か所かで見ら
れた水平方向への破片の噴き出し
・WTC 7の崩壊開始と同時に南西の壁面を下から上に向かう速
い連続した噴き出し
・瓦礫の下で崩壊直後から何週間も融けたままの金属のプール
といったものがあります。
>5、少しでも可能性があれば断言!?
ここでまず、爆破解体説に関して、前回の私の投稿について ミスを訂正しておきます。
...
ここでの無党派通行人さんの主張は、専門家でないから正当 性を保証できないと言いながら、「ビル解体用の爆薬 (テルミ ット) が使用された痕跡を検出した」と断言し ておられます 。前回の投稿では、そのように断言できないということを私は 言いたかったわけです。
ジョーンズ博士の分析結果をみる限りでは、無党派通行人さ んのように「ビル解体用の爆薬 (テルミット) が使用された痕 跡を検出した」と言うことはできません。せいぜい、“テルミ ットが使用された可能性を否定出来ない結果であった”という ところでしょう。
テルミット系爆薬が使用されたという仮定は、観察された主
な現象を説明するために「必要」かどうかは未確定としても、
少なくとも「十分」な条件ではあるので、可能性は「少し」ど
ころか「十分」と言えます。
一方で公式説の可能性は (今のところ)
ほぼ無いのですが。
「可能性を否定できない」というのは論理的関係が全くない
場合も含むので、「可能性がある」というほうがより的確です
。
「爆薬が使用された痕跡」というのがお気に召さなければ、
さしあたり「爆薬が使用された可能性を示す痕跡」でも結構で
す。
他方で、飛行機の衝突と火災によって崩壊したという公式説
にとっては、また極めて厳しいことになりました。
まず、火災の温度が鉄の融点をはるかに下回ることは、風評
はともかく専門家などの一致するところなので、融けて固まっ
た金属の主成分が鉄であるということだけでも公式説にとって
は一大事ですが、それが鉄骨由来でないならなおさら説明がつ
きません。
さらに検出された物質が、飛行機やビルなどの構成物質から
のバックグラウンドで説明できなければ、今のところテルミッ
ト系爆薬だけがぴったりで、公式説では説明できない崩壊原因
も直ちに説明できるわけです。
もちろん最終的な評価は論文になってからの話です。
>6、事実誤認やゆがんだ事実認識に依拠
無党派通行人さんは、米国政府がWTCの鉄骨が「FEMAの調査 員らの立ち入りを阻止してまで、さっさと持ち去られ」証拠が 隠滅されたかのように述べていますが、とんだ事実誤認です。
...
つまり、無党派通行人さんがソースを明記せずにわかりきっ た事実であるかのように書かれているその事実認識自体が相当 歪んでいると言わざるをえないのです。
これもわけがわかりません。ここは周知の事実だと思ったの
ですが。
「さっさと」というのは、事件現場の検証もろくに行われな
いまま進められた作業の異例の迅速さを表現しているのであっ
て、鉄骨の量や期間を云々しても意味がありません。
また、証拠の保全がまるで行われていないのだから、「証拠
隠滅」という表現にも問題ありません。
メディアの報道を見るまでもなく、FEMAの報告書にごく一部だけ回収された部材の分析結果が載っているので実際にある程
度調査されたことは明らかですが、その実態が批判されています。
(http://911research.wtc7.net/wtc/groundzero/cleanup.html
http://911research.wtc7.net/wtc/groundzero/restrictions.html
上のジョーンズ論文や、
http://www.journalof911studies.com/JonesAnswersQuestionsWorldTradeCenter.pdf
のp.53にも一部引用されています。)
「FEMAの調査員らの立ち入りを阻止して」と表現したことはおそらく "Loose Change 2nd ed."というドキュメンタリーのナレーションに私が引きずられてしまったものと思いますが、より正確には、FEMAのチームに必要な権限や資金がなく、現場へのアクセスの仕方も極めて制限されていたということです。