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共産党の立場の難しさと野党外交

2006/09/15 パルタ 30代

 共産党が議会に議席を持たない新左翼に比べて暴力革命 を表明できないのは理解できる。暴力革命肯定論を堂々とやれ ば、それこそ右派からの反共攻撃は凄まじいものとなるだろう 。
 そんなことよりすでにある行政の暴力というべき、受給権が 十分にある人々への生活保護の拒絶や職場の上司のパワハラ、 トラックやタクシーの運転手の労働状況と交通事故、高校中退 などを取り上げ、共感の輪を広げていくことが大切だ。今の共 産党の方向性は基本的に間違っていない。
 今の日本は、訴訟を起こすだけで官憲から暴行を受けるので 暴動に訴えるしかない中国とは置かれている状況が違うからだ 。
 それに野党の段階なら反共攻撃の激化で済むが、もし与党に なって新左翼的なアナルコ・サンジカリズム一本で行った場合 、日本は国際的に孤立して経済制裁を受ける可能性が高い。
 日本は食料自給率が低いので、北朝鮮ほどでなくても一時期 のキューバのような飢餓状態になる可能性は高い。そこまで行 くまでに共産党政権は外部からの干渉でスペイン人民戦線やチ リ連立政権のように短期で崩壊する可能性がある。
 ロシアは外部からの過酷な干渉はどうにかはねのけたが、代 わりに労組の自主性は奪われ、一党独裁体制になってしまった 。左派の勝利の代償はほとんどの国では高いものである。同じ イスラム圏の独裁国家でも左派色の強いイラク、シリア、リビ アが目の仇にされ、右派色の強いサウジアラビアやエジプト、 モロッコとは友好関係にある。
 つまり、共産党は第三世界にも階級対立があるのは分かって いるが、分かった上で自党が与党になったとしても、日本が国 際的に孤立して経済制裁を受け、国民生活悪化によって短期間 に野党に戻らざるを得なくなるので、保険のために第三世界の ブルジョア政府と結託しているように思われる。
 階級的な原則論ばかり振り回しても日本の新左翼のように孤 立させられるのがオチであるのが目に見えているから国内外の 階級矛盾にあえて目に見えないように振舞っているのが日本共 産党なのだろう。
 派遣員を追放されてはいけないので、海外のブルジョア政府 におべんちゃらを言う必要もあろうが、やり過ぎてその国の労 働者に敵対することがあってはならない。その辺りの加減が難 しいと思う。
 今でも多くの国でナチやスターリニズムのような人権侵害が 続いている。合法の範囲内での自国を含む各国での労働者階級 利益の追求というのは世界では独裁国家が多いので戦時中の反 体制派のように奴隷の言葉である国の政府批判をする必要も出 てくるだろう。
 ボルシェビキと合法主義者の間を行くのは大変だが、長持ち するには言葉を慎重に選ばねばならない。ブンドや全共闘のよ うに急進的な運動がすぐに潰れても、労働者は過酷な環境で一 生生きていかなきゃならない。安保闘争や学園紛争は終結して も、生活がかかった職場はすぐに出る訳にはいかないだろう。 闘争が終結したからといって、ローンが減る訳でもなければ、 サラ金の金利が銀行並みに安くなる訳でもない。
 運動は表面の一時的な過激さや派手さ、暴力性よりも息長く 続くことが大切だろう。大切なのは継承だ。運動の継続が大切 だ。ブンドや全共闘は過激で派手だけど、後の世代に継承され ているものがほとんど全くない。運動消滅後、労働者の置かれ た環境はかえって悪くなってしまった。
 だから、私は日本共産党の立場も分かるが、左バネからの批 判を否定するつもりもない。共産党の方向性は常に左バネを意 識した合法主義であって欲しい。