政党が世論に浸透していく上で無視できないのが、マスコミである。マスコミは、事実を伝えていくだけでなく、かなり自分の意見をいい、視聴者の意見形成に直接係わっていく。とはいえ、建前上はマスコミは中立である。(産経や朝日は全く中立ではないけど)
さて、とにかく建前では中立で、政府を批判したり応援したりしているマスコミも、一丸として「自民党大応援団」となる時期が一つだけある。そう、自民党総裁選の時期である。自民党総裁選はイコール日本国の代表総理大臣を選ぶ選挙に他ならないから、マスコミはできるだけ公正に各候補者の主張を流す。ところが、各候補者に対しては中立でも、各候補者それぞれは自民党の有力議員なんだから、多少のずれはあってもそれは自民党の主張なのである。よって、毎日のようにマスコミからは自民党の主張が流れ、自民党はメディアに金も払わずに党内選挙をするだけで宣伝が大いにできる。総裁選後は自民党が大きく勢力を伸ばしているのはみなさんご承知の通り。
これを共産党支持者が「ずるい」とか「メディアと権力の~」とか批判してもしょうがない。自民党はただ党内で選挙しただけで、悪いことは何もしていない。じゃあどうすればいいのか。簡単なことだ。共産党もやればいい。共産党が党内で委員長選挙(もち中央委員会の内部とかいう狭い空間だけではなく党内全部で)をやりさえすれば、普段は「またあの弱小政党がなんかやってるぞ」という感じで適当にしか紹介しないマスコミが、急に共産党の大応援団と化し、共産党幹部はテレビに引っ張りだこで共産党の宣伝をしまくれる事は間違いない。現委員長の志位氏はこれを読んでいるのかは知らないけれど、もし読んでいるとしたら、自分の保身と、共産党全員の幸福ひいては日本国民全員の幸福とを天秤にかけてどちらを取るべきかよく考えてほしいと思う。