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普遍性を土台に歴史の一面

2006/09/16 灯台守 60代以上 自営業

 国連安保常任理事国と安国問題を投稿した後、書こうとしたのだが、文章が長くなる為、割愛してしまった部分が有った。東京国際裁判についての部分であった。東京国際裁判を再評価しょうとすると、連合国(国連)全体を相手にする事になる。評価の問題は、歴史に任せればよい。問題はある、とした点だある。
 現代の学校教育では、明治以来の日本の歴史が明確な容で、教育されてはいない。おおずかみに言えば、黒船以来の日本の歴史は、如何にすれば欧米列強の圧力に対抗できるか、明治政府の最優先の課題であった。その柱は大アジア主義であった。清国は中華主義(中国を文明中心とする思想)朝鮮は清国の調貢藩屏国、タイ国を除き、他のアジアは欧米列強の植民地、と言う状況下では、明治政府の採った富国強兵策(軍国主義)を、現代的倫理観で評価すべきではない。
 孫文を始めとした独立革命派は、日本の大アジア主義者を、自国の自立革命に利用する為、満州を日本に割譲する案を、吹聴していた。孫文を首班とする革命事変の多くには、日本留学者、日本人の物心両面の支援、革命軍への日本人の参加等、その係りが大きかった。この事は、その後の日本と中国との係わり方と、関係してくる。石原莞爾「世界最終戦争」等国粋主義者の書いた物を見れば良く解る。
 第一次世界大戦の講和会議に、日本代表は”民族自立案”を提案している。否決されてはいるが、ヨーロッパでは実現している。アジアの自立は第二次世界大戦を待たねば実現していない。
 満州の制圧は侵略であろう。通州事件(200名余の日本人が虐殺された事件)を切っ掛けとした、日本軍の河北展開(詳細は不明な点が多い)、上海での日本人殺害事件理由とした上海事変(日本軍は日中全面戦争になると、アメリカ等の経済封鎖になる事を恐れ、中国に戦線布告をしていない)、日本政府は軍部の動きを制御する力を発揮できなかった。国民政府を相手とせず声明。占領地に傀儡政府を作り、占領地の産業開発を進めた。
 日本は戦争中大東亜共栄圏を目指し、大東亜会議を開いた。傀儡満州国代表、占領地中国代表、インドを始め東南アジアの植民地、独立を求める住民代表、問題は多い。連合国からはこれらの動きは、否定されている。
 日本の子供達にはこの事を教育の場で教えるべきであろうか、教えるべきではないのであろうか。
 日本政府は東京国際裁判を批判すべきではないと思う。単に、批判は連合国全体を相手にしてしまうと、言う理由からではない。
 戦争を否定すると言う立場からである。戦端を開き国民と世界とアジアの多くの人々に生命財産の被害を与えてしまった、と言う責任からである。
 日本人はこの一世紀、欧米列強諸国と対峙し、時に戦争をして来た。しかし、不名誉な事と考える事には賛成し難い。日露戦争では世界中から賞賛された。欧米列強の植民地化されてきた、アジアの諸民族には民族の希望でもあった。侵略として評価されている、第二次世界大戦の日本の有り方の中にも、植民地からの独立の時期を早めたと考えているアジアの国々も存在する。
 共産党は、帝国主義と言うレッテルで、全てを否定してしまう。歴史は消しゴムで消し去れるようなものではない。どのような立場で歴史を見るかによって、見えてくる歴史は異なる。日本人にとってのこの一世紀の歴史は、消し去るのではなく、科学的歴史観によって伝えてゆくべきであろう。
 最近ヨーロッパを旅行していると、ヨーロッパ人によるアジア人蔑視に合う事が有ると言うブログにであった。心無い人は何処にでも居るであろう。それらを心に置きながら、私としての努力をしてみたい。灯台守