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ドキュメンタリーの紹介と、やはり誤解の指摘

2006/09/19 無党派通行人

 どうも、特に科学や工学上の誤解をこの場でいちいち指 摘していても埒が明か なそうなので、ためになるドキュメン タリーを初めにいくつか挙げておきます。
 これらは「ボーイングを捜せ」よりはるかにましで、フィク ションの「ユナイテッド93」や「ワールド・トレード・センタ ー」よりも事実を知る上ではるかに役立ちます。
 全部タダでも見られるのですがあいにく英語のみなので、日 本語による紹介とともに示します。
(このサイトは911事件について (元?) ジャーナリストらしく なかなか徹底的に検証した有益な情報を載せています。)

WTC1、2、7の制御解体を示す「911 Mysteries」
http://www.mypress.jp/v2_writers/hirosan/story/?story_id=1491747

真実を求める遺族たちの「9/11 Press for Truth」
http://www.mypress.jp/v2_writers/hirosan/story/?story_id=1490704

戦域全体を眺望せよ:911の真相に迫る「Loose Change」
http://www.mypress.jp/v2_writers/hirosan/story/?story_id=1327699

 以下はオマケのようなものですが、一応指摘しておきます。

>犠牲者の部分的なリスト
> 紹介ページ著者が「アメリカン航空によって提供された56 人の搭乗者リスト」だというその前提に2つのウソがあります 。示されているリストは、(1)アメリカン航空が単独で提供 したリストではなく、(2)加害者が含まれない犠牲者リスト (搭乗者リストではない)です。しかも、それは、2001年9月27 日最終更新となっているCNNサイトの書庫にあり、「部分的 リスト」であるという注意書きさえあります(注1)。確認作 業によってリストの人数が増えることを「人為的」で「細工」 だと強弁したければ、するがよいでしょう。これ以上は言いま せん。

 私が見つけられなかったリンクを示していただきありがとう ございました。
 しかし「ウソ」があるとのご指摘に何の意味があるのかマッ タクわからず、 単なる言いがかりにしか見えません。
 どうも澄空さんは言葉の表現にとらわれていて、実質的に何 を指し意味しているかということを考慮していないようです。

(1) アメリカン航空だけが「単独で」AA77便の初期のリストを 提供したかどうかは
http://www.cnn.com/SPECIALS/2001/trade.center/victims/main.html
の文面だけからはわかりませんが、AFIPによる検死が終わった とされる2006年11月 (元記事へのリンクが切れていますが http://www.physics911.net/olmsted.htm) よりずっと以前の9月の段階で、アメリカン航空を除いてはリ ストを提供できる組織がほかにあるとは考えられません。

(2) たとえ上のCNNのサイトで"Lists of victims"と名付けら れていても、検死結果をもとに同定された犠牲者のリストでは なく、生存者もいなかったので、実際に指し示される対象はア メリカン航空から提供された搭乗者リスト(からハイジャッカ ーを除いたもの) に他ならないでしょう。
 指し示される対象が明確で、また検死リストとの混同を避け るためにもCNNと同じ呼称を使わなかったからといって何ら差 し支えはありません。

 また、オンラインで処理されるはずの乗客リストに「確認作 業」も何もないだろうというのは前回述べた通りです。
 オンラインでエラーの起こる確率が無視しうるのであれば不 備が起こる原因は「人為的」になるし、それが偶然に起こる可 能性を問題にしているわけです。
 これは「強弁」ではなく単なる疑問です。
 「部分的リスト」などの断り書きは、完全に把握されている はずの旅客機の搭乗者 (の犠牲者) についてではなく、人の出 入りがあるWTCやペンタゴンの犠牲者を考慮していると考える のが自然でしょう。
 まあこの搭乗者リストの欠落の件は911事件のなかでは主要 な問題ではないし、真の意味が判明するとしても事件の全容が 明らかになってからでしょう。

>倒壊シミュレーション
> 火災を計算に入れたシミュレーションがないということと 、火災を計算に入れてシミュレーションしたが失敗したという こととは意味が違います。前者の場合なら、火災が主要な原因 でないという証明にはなりません。後者なら、火災は主要な原 因ではないという証明になります。もし後者だと言うなら、ソ ースを示すべきでしょう。後者でないならこれ以上の議論は無 駄です。

 えーと、当たり前のことですがNISTのシミュレーションは火 災を考慮しています。
 NISTの報告を直接見るまでもなく (見てもいいですが)、ジ ョーンズの論文
(http://worldtradecentertruth.com/volume/200609/
WhyIndeedDidtheWorldTradeCenterBuildingsCompletelyCollapse.pdf

http://www.scholarsfor911truth.org/
WhyIndeedDidtheWorldTradeCenterBuildingsCompletelyCollapse.pdf

のp.36-39) での引用からも明らかです。
 ただしNIST自身が認めてジョーンズが崩壊「前」仮説と呼ぶ ように (p.27)、実際にはビルが崩壊し始める条件に達するま での過程しか含んでいないばかりか、崩壊させるまでにも苦心 しているようすが報告書に現れており、外部の専門家からの批 判にもかかわらず肝心な部分が公開されていません。
 したがって、火災によって崩壊し始めた後の過程のシミュレ ーションがないということは、シミュレーションしようにも出 来なかったと解するべきです。

>公式調査とジョーンズ博士の主張
> 公式調査では、鉄骨が溶けなくても火災による強度低下で 倒壊したことが示されています。飛行機衝突のシミュレーショ ンに成功した建設会社の鹿島ホームページでも、「最終的には 火災で崩落したことが検証された」としています。そもそも鉄 骨が溶けたという物証はありませんので、ジョーンズ博士の主 張自体が砂上の楼閣だと考えていますが、論文が出るそうなの で楽しみにしておきます。

 あのー、火災による強度低下で倒壊したというのは、当初か ら唱えられながら何も支持する証拠のない憶測のような仮説の 一つに過ぎず、「示されてい」るというのを「証明されている 」という意味で使うなら日本語として不適切です。
 また、よく勘違いされるようなのですが、見つけていただい た鹿島のページは、火災によって崩壊する過程のシミュレーシ ョンではなく、飛行機が衝突する過程のシミュレーションで、 衝突による損傷だけでは崩壊しないことを確認しただけです。
(シミュレーション自体の説明がそこまでしかなく、月刊「建 築防災」No.316(2004/5月号) の「航空機衝突時の挙動解析/ 小鹿紀英(鹿島建設(株)小堀研究室)」の抄録
に簡潔な説明があります。)
 従って「最終的に火災で崩落したことが検証された」という のは、飛行機の衝突以外の原因として火災のみを想定して消去 法で結論づけただけと考えるべきです。
 おそらくこのシミュレーションの詳細は他所でも発表された でしょうが、そもそもFEMAやNISTが解明できないことをよその 研究機関などが成功して発表したら引用されないはずがありま せん。

 次に「鉄骨が溶けたという物証」については学術論文やFEMA 報告書にもなっているのですが。
 火災では鉄骨が溶けなかったとされているにも関わらず、わ ずかに回収された鋼材で粒界が溶けて腐食や侵食が起こったこ とが「最も深淵な謎」とされたわけです。
(http://www.911research.wtc7.net/wtc/evidence/metallurgy/index.html
ジョーンズ論文の p.19、
http://www.journalof911studies.com/
JonesAnswersQuestionsWorldTradeCenter.pdf

p.84)

 その上、前回も触れたように、(NISTの報告書などでは飛行 機からのアルミニウムとされ、ジョーンズによって反論されて いる) 崩壊直前の南棟からの溶けた金属の漏れ出しや、3つの ビルの崩壊直後から見られた溶けた金属のプールというのがあ ります。
 また、保管してある融けて固まった金属のスラグや実際に分 析された融けて固まった金属のサンプルがあります。
 これらを「物証」と言わずして何が「物証」になるんですか ね。
 また、ジョーンズの主張が「砂上の」楼閣だとすると、憶測 以上の何物でもない公式説を支えるものは一体何でしょうか。
 だからこそ、政府機関に握られたすべての証拠を放出させた 上での公正な再調査が必要なんですけどね。

>感覚的な言葉遣い
> ビルの瓦礫処分に8ヶ月以上要し、その間に不十分ながら も鉄骨などのサンプルが採取されている事実について、ふつう 「証拠の保全がまるで行われていない」とか「証拠隠滅」とは 言いません。これも表現上の問題、つまり“疑惑”をよりオー バーにみせるか否かの問題ですから、これ以上の議論は不要で しょう。

 ここだけでなく、先の「ウソ」や「強弁」という表現など、 「感覚的な言葉遣い」というのは澄空さんにこそふさわしいと 考えます。
 調査が「不十分」であることを認めて、特に前回の終わりに 挙げたリンク先で引用されているFire Engineeringの編集者に よる批判 (ジョーンズ論文のp.40など)を踏まえた上でこう言 われるのでは、もはや議論にならないことは確かです。
 ところで、そんなこんなで調査が (極めて) 不十分で支持す る証拠もないのに、どうして飛行機の衝突と火災だけ、または 火災だけでWTCの3棟が完全崩壊したという公式説を支持できる のか、摩訶不思議としか言いようがないですね。