前回の投稿にミスがあったので訂正しようと思ったら、またまたトンデモ系かと思わせるレスがついていたので、コメントしておきます。
無党派通行人さんは、投稿の中で、自作自演論者の言う“疑惑”や思い込みが、あたかも真実味のある証拠や「裏付け」、あるいは周知の事実であるかのように述べておられます。そうすることで、自作自演説の信憑性はますます失墜していきます。
「9.11」に関しては事実上の犯行声明があり、自作自演説もあちこちで批判にさらされているのですが、信奉者には都合の悪い事実はみえないのでしょう。
ポイントをしぼったコメントでもって、終わりにしたいと思います。
1、批判対象を知らずして批判できるのか?
ものごとを批判する場合、批判対象を正確に理解することは最低限のルールだと思いますが、無党派通行人さんはまたしても簡単に切り捨ててしまっています。
調査委員会報告書は、あれこれの“疑惑”に答えるために出されたのではありませんし、7時間にわたる火災で倒壊したWTC7はテロの対象ではなかったので触れられていないのは当然であって、それをもって「全く触れられていないということを知るだけで十分」とはどういうことでしょうか? 読んだこともないなら、そもそも批判する資格はないことを知るべきです。
2、不思議でないことを不思議そうに言う
偽名を使っていたということは、犯人が偽名を通称として生活していたということです。たとえば、日本共産党の不破哲三は本名ではありませんが、共産党員ならほとんど誰でも彼のことを知っていますし、また彼のことを本名で呼ぶことはまずありません。
つまり、偽名であっても、当然ハイジャッカーと認定できるし、組織のトップがそのメンバーを通称(偽名)で呼ぶことは不思議なことではありません。
3、古いデータを使った“疑惑”をさらに誤読する
AA77便の「最初の」乗客リストなるものに関する紹介ページは、アメリカン航空の「最初の」乗客リストにアラブ人の名前がなく人数も少なかったことがおかしいとしたものです。その後まもなく、アメリカン航空がCNNに提供したという乗客リストは訂正されていますので、前回の投稿でアメリカン航空のリストには不備があったとみなすべきだと私は書いたわけです。
いずれにせよ、最終リストで乗客数の過不足が発生しているわけでないことは紹介ページをちゃんと読めばわかることです(さらにCNNのサイトをみれば一目瞭然です)。無党派通行人さんは、ページを斜め読みして勝手な思い込みをしているのでしょう。
だいたいこの著者は「最初の」リストなるものをアメリカン航空ではなく、CNNのサイトから得たくせに、最新のリストについてはCNNのサイトでみるだけでは満足せず、あえて相手にされないことを承知の上でアメリカン航空にリストの提供を求めたわけです。それで返事が得られないから、どうだというのでしょうか? まったくわけがわかりません。
4、容易に説明できる方が正しい?
「まず今のところ、WTC7についてはもとより、飛行機の衝突と火災のみによってタワーが崩壊するというシミュレーションモデルは存在しないか公開されておらず、鉄骨の耐久試験によっても支持されない一方で、爆破解体説は入手できるほぼすべての証拠を説明できて、それに対抗する説がありません。」
爆破の場合なら爆薬の位置や威力は計算可能でしょうが、火災という要因を入れてWTCの崩壊を完全にシミュレーションすることは困難です。どの階にどのような可燃物があったのかは調査可能としても、火災がどのように広がり進んだのかについてのビル内部の情報はほとんどなく、外部からのビデオなど限られた情報しか存在しないからです。当たり前のこと(と思うの)ですが、シミュレーションが困難だから事実ではないということにはなりません。
こういった場合、判断基準は、シミュレーションモデルがあるかどうかではなく、WTCの崩壊が、飛行機の衝突と火災で説明がつくかどうかという点におくべきです。つまり、自作自演説を主張するならば、飛行機の衝突と火災で崩壊したのではないことを証明するか、他の原因があったことの証拠を示す必要があります。そのような証拠は今のところ示されておりません。
5、少しでも可能性があれば断言!?
ここでまず、爆破解体説に関して、前回の私の投稿についてミスを訂正しておきます。
前回、「作者は、WTCの残骸のサンプルを分析したがっておりサンプルの提供を要求していますが、分析したとは書いてません」と書きましたが、最後の「分析したとは書いてません」は、正しくは「爆薬の痕跡を検出したとは書いていません」と言うできでした。
ここでの無党派通行人さんの主張は、専門家でないから正当性を保証できないと言いながら、「ビル解体用の爆薬 (テルミット) が使用された痕跡を検出した」と断言し ておられます。前回の投稿では、そのように断言できないということを私は言いたかったわけです。
ジョーンズ博士の分析結果をみる限りでは、無党派通行人さんのように「ビル解体用の爆薬 (テルミット) が使用された痕跡を検出した」と言うことはできません。せいぜい、“テルミットが使用された可能性を否定出来ない結果であった”というところでしょう。
まして博士の分析結果をもって「爆薬を検出した」などと言うこと(無党派通行人さんではありません)は、電気分解で水から水素を発生させる装置を搭載した自動車が開発されたことをもって、“水で走る夢の自動車が開発された”と主張するのと同じくらい馬鹿げたことです。
6、事実誤認やゆがんだ事実認識に依拠
無党派通行人さんは、米国政府がWTCの鉄骨が「FEMAの調査員らの立ち入りを阻止してまで、さっさと持ち去られ」証拠が隠滅されたかのように述べていますが、とんだ事実誤認です。
ビルの瓦礫は総量1,640,707トン、撤去された鉄鋼は190,568トンという莫大なもので、短時間に撤去できるわけがありません。周知のように、実際に完全撤去されたのは「9.11」の翌年5月末のことです(http://www.unicom.co.jp/syouhintousi/NYM/nym05m.html)。また、FEMA(連邦緊急事態管理局)がスクラップ場で鉄骨を回収して回ったというメディアの記事(日経2002年3月9日)もあります。
つまり、無党派通行人さんがソースを明記せずにわかりきった事実であるかのように書かれているその事実認識自体が相当歪んでいると言わざるをえないのです。
7、最後に
今度こそ、私の投稿に訂正の必要がない限りは、無党派通行人さんがレスをつけても応答しません(できません)ので、ご了承願います。願わくば、レスという形を取らずに、“疑惑”紹介していただきたいものです。