小泉純一郎氏がまもなく首相を自ら退く。歴代の首相が支持率がひどく低下したり、選挙で与党(連合)が敗北して辞めるのとは、わけがちがう。小泉氏の路線を、渡辺治氏に従って整理すれば、新自由主義的構造改革、対米従属強化での軍事大国化 といえよう。
この5年間、共産党が果たしてきた役割は、客観的に何か?それは、党中央や党員の方々の主観とは別に、自公連立の側面支援だったのではないかと思う。これを私は自公共路線と呼ぶ。自公共路線は政策面で言えば、民主的財政再建や経済改革の対案を打ち出さないこと(かつては、この政党も日本経済への提言をしたと聞く)、国会での政策連合形成を2002年度の健康保険自己負担率問題以外おこなわなかったこと、審議ストップさせるほどの追及をしないこと(90年代以前だったら超問題発言となる言動が首相や閣僚から横行したのに)、消費税増税を(一時?)容認したこと、綱領で天皇制を丸呑みで認め君主制ではないとまでしたこと、自衛隊による国防をさらに認め(無防備地区運動に一転して反対しはじめた)、海上保安庁法の改正に賛成したこと。
運動面では、国政レベルの選挙で、小選挙区や参議院1人区に全区立候補させようとしたこと、さらに、共同の努力を党勢拡大より低位に置き、共同ができない理由を他の政党の態度によるとしたこと。2004参院選や2005衆院選など右派の行き詰まりと分裂を生かせなかったこと。例えば建設的な政策論争を社民党などと行い、それが報じられることを通じて、小泉流でない政策のありかた、運動のありかたを広めるチャンスではなかったかと感じた。
組織面では、筆坂離党事件や選挙での敗け続けても路線も人も改まらないことで、独裁的官僚的な体質が露呈したにもかかわらず、それを改善する努力がいっさいみられないこと。そのため、共産党はカルトのようなものと、見放されつつある(かもしれない)こと。
やっぱり自民、公明と共産党はつるんできた、といえませんか?