私が推奨するサイト「分解 『911 ボーイングを捜せ』」(msq氏)で、9.11の陰謀論を批判するサイト(英文)が紹介されています。そのサイトから、直近の議論に関係したページをここで紹介いたします。
◎911Myths...Reading between the lies
◎http://www.debunking911.com/
http://www.debunking911.com/moltensteel.htm
流れる融解金属を色で判断できるか?
このページでは、まず、NISTのFAQと同様に、ビルから流れた融解金属がアルミや酸化アルミ等であるといえるだけの十分な証拠があると説明されています。言うまでもありませんが、アルミの存在とアルミが融解するだけの火災という条件が存在しているわけです。ビデオ映像には、アルミの証拠ともいえる銀色のしずくが写っていることも指摘されています。
また、融解金属の色は、必ずしも黒体放射によるものとはいえず、2つめの可能性として、NISTのFAQと同様に、融解金属が他の混合物と化学反応を起こして放出したスペクトルの場合があり、3つめの可能性として、周囲の光の反射もありうると書かれています。3つめの指摘は、黒体放射がどうのこうのと言う前に、ジョ-ンズ博士の実験は光学的条件を考慮していないので再現実験として意味をなさないという私の指摘と一致します。
こうした指摘に加え、ビデオでは窓から銀色の融解物質が出て急速にオレンジ色に変化したようにみえるので、オレンジ色は黒体放射によるものではないとしています。なぜなら、融解金属がそれほど急速に温度変化することはまずありえないからです。要するに、オレンジ色の説明として考えられることは、上の2つめの可能性ということになります。
ジョーンズ博士は、「自作自演」説批判に対する反論をいろいろ書いていますが、少なくとも上記の「銀色のしずく」の指摘や「融解金属が急速に温度変化することは考えられないから黒体放射でない」という批判には答えていないようです。
火災の温度と熱腐食が発生する条件
このページではさらに、融解金属があったという証言がいずれも証拠としては不十分なものであると考察されています。
ここでは(瓦礫で起こっていただろう)火災で達する温度にも触れられているので、火災で最高1,000℃というのが決して異常ではないこともわかることでしょう。
また、熱腐食が瓦礫の中で発生したことも示唆されています。火災等で熱せられた鉄は、酸素と水蒸気があれば熱腐食が発生します。また、石膏は、水素と一酸化炭素があれば鉄の硫化に必要な酸化硫黄や硫化水素を発生しますので、熱腐食の条件にプラスして石膏の瓦礫があれば、鉄の硫化は充分に起こりえます。
瓦礫の中で火災が続いていたことは事実ですから、融解金属がアルミであるという証拠と同様に、熱腐食に必要な物質と条件は揃っていたことになります。
http://www.debunking911.com/jones.htm
ジョーンズ教授たちのグループは信用できるか?
私は当初から英文サイトからえた情報から、ジョーンズ博士の主張は「相手にされていない」「信用できない」と述べております。彼は建築物の専門家ではなく、制御解体説の学術論文を書くための基本的要件さえ欠いていますから、無党派通行人さんが何と言おうと、彼の草稿が正式な論文になることはまず考えられません。
このページではまさにそういったことが書かれています。
たとえば、所属大学の同僚で土木工学の専門家は彼の制御解体説は「とても信頼できない」と述べていますし、彼の論文(草稿)自体、同僚専門家に査読されたものではないことが指摘されています。
他にも、融解金属の色でもってアルミではないと主張している部分については、「物理学を学んでいる高校生にもわかる」「ウソ」だと指摘されています。色はその温度を反映しているのであって、物質そのものの反映ではない、つまりアルミは、どんな温度でも銀色なのではなく、融点よりさらに熱せられれば黄色にも見えるからです。要するに、ジョーンズ博士の実験で言えることは、ビルを流れた融解金属の流れがアルミの融点よりも高かったということだけです。
さらに彼の「学者」グループには、まともな土木工学や構造の専門家がいないこと、中には「反物質兵器で木星を爆破するという米軍の陰謀」について書いている人物が含まれていることも指摘されています。
http://www.911myths.com/html/recycled_steel.html
FEMAはちゃんと調査していないか?
このページの回答は私の2つの指摘と一致しています。1つめは、現場から最後の鉄鋼が撤去されたのは2002年5月29日だったという事実、もう1つは、FEMAがちゃんとサンプルを回収したという事実です。
ここでは、その証拠として、各種マスコミの報道とともに、FEMAの「ビル性能調査班」の班長の証言を引用しています。
「そういうこと(調査班の仕事が妨害されたということ:澄空訳注)はありませんでした。調査班は、スクラップ置場にも現場にも完全にアクセスでき、多数のサンプルを入手することができました。」
www.house.gov/science/hearings/full02/mar06/corley.htm