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人数に関する自作自演説のウソ

2006/10/04 澄空

 前回の投稿に引き続き、陰謀論批判サイトからのこれまでの議論に関連する部分の紹介です。

行方不明のアラブ人
http://www.911myths.com/html/missing_arabs.html

 これは、無党派通行人さんが依拠するオルムステッド氏の主張を批判したページです。すでに、これまでの議論で決着済みですが、私の考察を確認する意味でさわりだけ訳しましょう。

「この記事の一番の問題は、オルムステッドが、彼の最初のリストがアメリカン航空による公式かつ完全な搭乗者名簿であると信させたがっていることです。しかし現実には、それはまさにCNNのページにすぎず、せいぜい言えることは『AP通信がこのレポートを配信した』ということなのです。」

 無党派通行人さんも、私との議論の中で、搭乗者名簿だと信じさせたがっていました。しかし、どこをどう読んでも、オルムステッド流の解釈が成り立たないことは自明です。
 CNNの「部分的な犠牲者リスト」が、AP通信による配信であるということは、犠牲者メインページの「about this site(このサイトについて)」をクリックするとわかります。つまり、AP通信が、各航空会社や国防総省やニューヨーク当局などから提供を受けた情報のうち、ハイジャック犯を除いて、犠牲になった(死亡した)と確認された人だけを「犠牲者リスト」として配信し、それをCNNがネットで提供したということです。

4000人のイスラエル人
http://www.911myths.com/html/4000_israelis.html

 このページは、9.11当日に4000人のイスラエル人がWTCに出勤しなかったという主張に対する批判です。
 私は以前、この手の主張を「出所不明のウワサ」と書きましたが、このページでは、元の記事とそれがどういうふうにして歪められてネットで広がったのかを明らかにしています。

 このページによると、9月12日付の『エルサレムポスト』の記事で、イスラエル政府に寄せられた安否不明の情報が4000人分あったが、そのうち実際に亡くなっていたと確認されたのは3人だったというものです。つまり、4000人という人数は、WTCに就業していた人数でもなければ、WTCとペンタゴンに就業していた人数でもありません。米国在住または旅行中の親族と連絡が取れなかったイスラエル人家族から寄せられた安否不明情報の数だったわけです。そしてこの記事を、レバノンのテレビ局がとりあげ、その反イスラエル的視点から、ネットのあちこちで取り上げられて(歪められて)広まったよというのが真相のようです。きっとその中で、WTCに4000人のイスラエル人がいたとしたら多すぎるというので、1000人バージョンもできたのでしょう。