1999年2月に本サイト「さざ波通信」が誕生した。あれから7年半、サイトを立ち上げた方々の不安が現実なる時代となっている。すなわち、公然と日本国憲法改悪、教育基本法改悪が政府より提案され、靖国神社に首相が参拝する。しかも、共産党は非民主的な体質は相変わらずであり、統一戦線は結成されないままである。
本サイトはバックナンバーをすべて見ることができる。1999年当時は、共産党が議席の面で大きく躍進したものの、政策や運動論で右傾化を示し、若者が共産党から離れていった。当時の本サイトでは、共産党が日の丸・君が代間接容認したこと、自衛隊活用論をとることを党大会で決めたこと、何より安保凍結を一致点とした政権構想を提案し、本質的に新自由主義的改革推進派の自由党や民主党と連合政権を作ろうとしたことが批判の中心であった。
2000年の総選挙での共産党の敗北、小泉政権の成立、2001年参議院議員選挙、2003年の総選挙での共産党の大敗北というなかで、共産党の小選挙区機械的立候補による与党連合の勝利への貢献の問題が論じられた。また、2003年総選挙時からなされた共産党による民主党批判も比較的肯定的に紹介された。もちろん、2003年に提案され2004年に採択された、象徴天皇制を美化し・憲法改悪反対から将来にわたり憲法擁護を提唱する現綱領も批判の的となった。
2005年の解散以後は、1999年当時とは異なり、「たしかな野党」を呼号し九条の会を推進するが、憲法改悪を阻止する政治的連合を作ろうとしない(否、)背を向ける共産党の行動が批判されている。本質的に新自由主義的改革派であっても、現連立与党と政権を争う党派である限り、活憲派と一致点をもって戦うことはありうるとして、平和共同候補運動を実らせる活動が論じられる。なお、2004年、サイト開設後5年たってから、さざ波通信は配信されず、護憲派・科学的社会主義に理解を示す人々の討論サイトとなっている。
安倍政権が成立し、イラク戦争・アフガン介入の矛盾が激化し、社会保障がガタガタになりゆく一方で、北朝鮮核実験脅迫が現実化するいま、本サイトでの活発で率直かつ建設的な論議が展開されることは未来を切り開く理論的準備につながりうるであろう。