これは10月3日付の澄空さんの「陰謀説に対する批判サイト」に対する応答です。
> 私が推奨するサイト「分解 『911 ボーイングを捜せ』」(msq氏)で、9.11の陰謀論を批判するサイト(英文)が紹介されています。そのサイトから、直近の議論に関係したページをここで紹介いたします。
◎911Myths...Reading between the lies
◎http://www.debunking911.com/
これらのサイトはNISTのFAQ集にも増して、根拠のないその場しのぎの説のオンパレード (トンデモの1形態) なので、いちいち取り合うのはげんなりです。
いったい、作者の専門分野は何でしょうかね。
>http://www.debunking911.com/moltensteel.htm
流れる融解金属を色で判断できるか?
このページでは、まず、NISTのFAQと同様に、ビルから流れた融解金属がアルミや酸化アルミ等であるといえるだけの十分な証拠があると説明されています。言うまでもありませんが、アルミの存在とアルミが融解するだけの火災という条件が存在しているわけです。ビデオ映像には、アルミの証拠ともいえる銀色のしずくが写っていることも指摘されています。
澄空さんは実際にご自分の目でビデオをご覧になったのでしょうか。
(http://video.google.com/videoplay?docid=545886459853896774&q=label%3Awtc)
私には落下した黄色の液体の一部が外周柱にかかって広がった瞬間に、内部の白熱した部分が現れるように見えます。
銀色というのは発光の色ではなく、可視光のほぼ全波長が比較的滑らかな表面で反射されていることを示しますが、ここはビルの陰になっているので銀色にピカピカ光を反射して見えるとは考えられません。
これがアルミの銀色とすると下でオレンジ色になるのはなぜでしょう。
> また、融解金属の色は、必ずしも黒体放射によるものとはいえず、2つめの可能性として、NISTのFAQと同様に、融解金属が他の混合物と化学反応を起こして放出したスペクトルの場合があり、3つめの可能性として、周囲の光の反射もありうると書かれています。3つめの指摘は、黒体放射がどうのこうのと言う前に、ジョ-ンズ博士の実験は光学的条件を考慮していないので再現実験として意味をなさないという私の指摘と一致します。
だから、何度も述べたようにNISTはアルミに何が混じれば問題の色を示すのかを提示も実証も何もしていません。また、ビルの陰で周囲の何の光を反射すると一様なオレンジ色に見えるのでしょうか。
3つめの指摘については前回の投稿で説明したように笑うしかないのですが、それでは意味のある再現実験とやらを提案してみて下さい。
> こうした指摘に加え、ビデオでは窓から銀色の融解物質が出て急速にオレンジ色に変化したようにみえるので、オレンジ色は黒体放射によるものではないとしています。なぜなら、融解金属がそれほど急速に温度変化することはまずありえないからです。要するに、オレンジ色の説明として考えられることは、上の2つめの可能性ということになります。
どう見ても源から黄色にしか見えません。銀色の融解物質というのはどこにあるのでしょうか。
> ジョーンズ博士は、「自作自演」説批判に対する反論をいろいろ書いていますが、少なくとも上記の「銀色のしずく」の指摘や「融解金属が急速に温度変化することは考えられないから黒体放射でない」という批判には答えていないようです。
真面目に相手にすべき「批判」と考える方がどうかしています。
>火災の温度と熱腐食が発生する条件
このページではさらに、融解金属があったという証言がいずれも証拠としては不十分なものであると考察されています。
「不十分」というのはウソとは違うのですが。
> ここでは(瓦礫で起こっていただろう)火災で達する温度にも触れられているので、火災で最高1,000℃というのが決して異常ではないこともわかることでしょう。
「異常」の意味が温度だけではないことは、すでに何度も引用した通り。
>また、熱腐食が瓦礫の中で発生したことも示唆されています。火災等で熱せられた鉄は、酸素と水蒸気があれば熱腐食が発生します。また、石膏は、水素と一酸化炭素があれば鉄の硫化に必要な酸化硫黄や硫化水素を発生しますので、熱腐食の条件にプラスして石膏の瓦礫があれば、鉄の硫化は充分に起こりえます。
瓦礫の中で火災が続いていたことは事実ですから、融解金属がアルミであるという証拠と同様に、熱腐食に必要な物質と条件は揃っていたことになります。
これらは、以前にも下でも挙げたFEMA報告書Appendix Cの著者によるの憶測の
一つに過ぎず、「充分起こりえる」などと明言できるはずがありません。
過去に事例や、考察した論文などがあれば、とっくに引き合いに出されている
でしょう。
>http://www.debunking911.com/jones.htm
ジョーンズ教授たちのグループは信用できるか?
私は当初から英文サイトからえた情報から、ジョーンズ博士の主張は「相手にされていない」「信用できない」と述べております。彼は建築物の専門家ではなく、制御解体説の学術論文を書くための基本的要件さえ欠いていますから、無党派通行人さんが何と言おうと、彼の草稿が正式な論文になることはまず考えられません。
また、内容で議論しないか出来ない典型的な印象操作ですね。
建築土木関係者が相手にしたくないだろうというのは想像に難くありません。
「正式な論文」というのが何か知りませんが、どう見てもこの論文は、建築を始めとして特定の学問分野に収まったり、オリジナルな知見をもたらすという性質のものではありません。
> このページではまさにそういったことが書かれています。
たとえば、所属大学の同僚で土木工学の専門家は彼の制御解体説は「とても信頼できない」と述べていますし、彼の論文(草稿)自体、同僚専門家に査読されたものではないことが指摘されています。
論文が取り扱う範囲が土木や建築の分野を越えていて、それらの業界の建前に
真っ向から挑戦しているので、公には自然な反応でしょう。
複数の物理学者などによる査読は受けています (とどこかに書いてありました)。
それより、そのページで「査読」がどうのこうの言うのは、へそで何とかを沸かすようなものですよ。
> 他にも、融解金属の色でもってアルミではないと主張している部分については、「物理学を学んでいる高校生にもわかる」「ウソ」だと指摘されています。色はその温度を反映しているのであって、物質そのものの反映ではない、つまりアルミは、どんな温度でも銀色なのではなく、融点よりさらに熱せられれば黄色にも見えるからです。要するに、ジョーンズ博士の実験で言えることは、ビルを流れた融解金属の流れがアルミの融点よりも高かったということだけです。
本当に「物理学を学ぶ高校生」あるいは物理教師にでも意見を聞いてみて下さい。
四の五の言わずに、火災で溶けた融点より高いアルミと何かの混合物があのような色に見えることをとっとと実証するべきです。(これはNIST向け)
> さらに彼の「学者」グループには、まともな土木工学や構造の専門家がいないこと、中には「反物質兵器で木星を爆破するという米軍の陰謀」について書いている人物が含まれていることも指摘されています。
実名を明かして土木や構造の専門家が参加することは、社会的地位や場合によっては身の危険も伴うでしょう。
土木工学エンジニアで公式報告書に疑問を抱いている人はいます。(http://www.journalof911studies.com/JonesAnswersQuestionsWorldTradeCenter.pdf
p.189)
また、問題の性質上いろいろな種類の人間が集まることは仕方ありませんが、見解が統一されているわけでも、学術グループの調査・研究が影響を受けるわけでもありません。
ここも印象操作ですね。
>http://www.911myths.com/html/recycled_steel.html
FEMAはちゃんと調査していないか?
...
ここでは、その証拠として、各種マスコミの報道とともに、FEMAの「ビル性能調査班」の班長の証言を引用しています。
すでに指摘したように、撤去作業のスピードと要した期間とは全く別のことだということを (故意に) 混同しています。
FEMAの立場を代弁する人の証言では実態を正直に話すかどうか定かではありません。
現実に採取されたサンプルの数は、数十万の破片のうちの150片だけです。
During the official investigation controlled by FEMA, One hundred
fifty pieces of steel were saved for future study.[4] One hundred
fifty pieces out of hundreds of thousands of pieces!
(参照リンク先が切れていますが、
"WTC Steel Removal The Expeditious Destruction of the Evidence at Ground Zero")
また、FEMAと土木学会による調査についての「観光旅行」("tourist trip")という関係者評があります。
(Fire Engineeringの編集者による引用
http://www.scholarsfor911truth.org/WhyIndeedDidtheWorldTradeCenter
BuildingsCompletelyCollapse.pdf p.40)
そして、これもすでに挙げましたが、実際に鉄骨のサンプルを分析した当人たちが、FEMA報告書 Appendix Cのタイトルで「限定的」("Limited") と断ってあり、よりいっそうの調査の必要性を訴えています。
(http://www.fema.gov/pdf/library/fema403_apc.pdf p.13、
"The "Deep Mystery" of Melted Steel")
以下も再掲。
"Structural Steel Destruction of the Towers' Steel Remains"
"Destroyed WTC Evidence What Became of the Physical Evidence of the WTC Attack"