民主主義の定義に関してですが、もう一度言いますが、福田 氏の「民主主義」という言葉の使い方が一般的でないというの は、福田氏自身が述べていることです。
ここで使っております近代民主主義という言葉の用法は、お そらく普通に使われる場合とはたいへん違うだろうと思います 。(中略)そういう用法は不当だという講義や批判が当然出て くるでありましょう。(「近代民主主義とその展望」終章1「 歴史的展望への要求」より再掲)
ここでの私が言っていることは、あくまで「言葉の定義」で
あって、別に政治体制について望ましい方向性や、イデオロギ
ーについて言っているのではありません。
あくまで、民主主義という言葉の定義です。少なくても、1977
年当時では福田氏のような用語の用い方は極めてまれであった
ことは福田氏自身が言っていることです。(くどいようですが
、福田氏が間違っていると言っているのではありません。あく
まで、「特殊な用語の使い方をしている」ということです。)
まあ言葉の定義なんて流転するものですから、そんなにこだ
わっても仕方がないですが。
>ではお聞きしますが、福田氏はジェコバン派の独裁を「民主 主義」だとして称揚していましたか?
称揚はしていませんね。これも、福田氏独自の用語の使い方 で、ジャコバン独裁は「悪い民主主義の一例」としてでてきま す。(くどいですが、普通(普通という言い方が悪いなら平凡 )はジャコバン独裁は「民主主義には含まれないと思いますが 」)しかし、福田氏はソビエトのボリシェビキ一党独裁は民主 主義と称揚していますよね。ソビエトでは選挙による国民のチ ェックを受けないため政治が腐敗し、国ごと崩壊してしまった のは歴史が示した通りです。これはまことさんのおっしゃる「 民主主義の逆説」に入るのかは分かりません。しかし、「民主 主義とその展望」では「アメリカではアメリカの政治形態を民 主主義といい、ソビエトではソビエトの政治形態を民主主義と 言う」と言っていますが、どちらがより優れていたかは歴史が 示した通りです。もちろん、まことさんの言うとおり、アメリ カの政治形態が理想的だとか無謬だとか死んでもいえないよう な有り様ではありますが。
>こうした「民主主義の逆説」とでも言うべき状況を単に「あ れは民主主義では無いのだ」と捉えるのでは無く、むしろ私達 はそうした民主主義の「負」の側面にも真摯に向き合った上で 、より民主主義の内実を豊かにさせていく必要があるのでは無 いでしょうか。
この点は完璧に同意します。ただ申し上げたいのは、暴力と か審議拒否など、言論以外の方法を国会に用いることは民主主 義の内実を豊かになどしないと思います。
>例えば1999年の「盗聴法(通信傍受法)」の審議の際には、日 本共産党も民主党や社民党とともに牛歩戦術に参加しました。
あの時、野党は政府・与党の議論の矛盾を指摘しつつ、十分 な審議時間を取ろうとしない与党の態度を批判しました。
確かに小渕内閣はひどかったですね。あそこまで強行なら「 牛歩もやむなし」と考えてしまうかもしれませんが、私はやは り、「国会は言論の場である」ということを繰り返したいと思 います。あのときは小渕首相が倒れてその後の総選挙では同情 票から自民が勝利しましたが、あのまま小渕内閣が続いていた ら野党が勝利して与野党逆転も夢ではなかったと思います。た だ、野党のやり方も国会としてあるまじき姿だったのは確かで しょう。あれできちんと言論で対抗していたら、国民は「野党 の言うことは筋が通っているのに与党のあの態度は何だ!」と 野党に投票したような人も「確かに与党もひどいけど、野党も レベル低い」と見て野党に投票しなかったのも事実だと思いま す。
確かにアメリカではフィリーバスターが市民権を得た戦術と なっていますが、あれはルールの枠内で行われていること、長 時間演説をしたり毎回違ったまともな緊急動議をだし続けるこ とは相当の知力と体力がいることへの賞賛という意味も含まれ ていると思います。審議拒否と同列におくことはできないと思 いますが。審議拒否をするだけなら、僕にもできるし、体力だ けが自慢の人間の方がもっとできるでしょう。多大な血税がし はわれている国会議員がやるのはどうかと思いますが。
第一、「多数による不当な実力行使」と言いますが、その不 当正当は誰が決めるのでしょう?少数派が決めるのですか?野 党は与党と考え方が違うから違う政党なのであり、与党のやる ことに不満があるのは当然でしょう。しかも、野党は賛同して くれる人が少ないから野党なのでしょう。共産党とは、「共産 主義」という虐殺と抑圧のイメージしかない言葉を全面に押し 出しているから、また、民主党や社民党はその国会における態 度が共感されないから、賛同者が少なく、野党なのです。それ はいいとして、日本には自民党以上に右の政党はありませんが 、欧州では極右政党がある程度の力を持っている場合が多々あ りますよね。極右政党が与党のやり方が気に入らないからと審 議を妨害して自分の意見を押し通そうとしたらまことさんはど う思います?たとえばもし(あくまで例えばです)「皇国愛国 者党」が議席を持って、「福祉に金を使うのは税金の無駄。こ の予算案は不当である!」と予算委員会でやりだしたらどうし ます?それも正当な反撃手法ですか?もしそれが正当か不当か 決めなければいけないとしたら、その正当不当を判断するのは 、「国民の投票」以外にあり得ず、「自分がやる審議拒否は正 当な審議拒否」「他党がやる審議拒否は不当な審議拒否」とい う考え方はあり得ないわけです。
確かに、民主主義は現状として理想とはいいがたく、「民主 主義の逆説」というものもあるでしょう。しかし、たとえばナ チスが国会の大多数を占めたとき、少数派である政党の意見を 優先させればドイツはうまくいったかというと、必ずしもそう はいえないでしょう。第一次世界大戦の爪痕を大きく残し、ど うしようもなくなったからドイツ国民はナチスに一縷の望みを かけたのだから。ワイマール憲法を堅持し、「全権委任法」な んていう狂った法律を可決させなければ、ヒトラーの現実に気 づいたドイツ国民はナチスを権力の座からおい落としたでしょ うし。
民主主義には確かに問題がありますが、それを克服していく のも、また民主主義である必要があります。約75年前の日本で 、民主主義に絶望した正義感の塊の青年が行った行動がどれだ けの悲劇を日本に与えたのか、もう一度かみしめるべきでしょ う。
それから。
とうとう部外者U氏、壊れてしまいましたね。。
一応反応しておきます。
ふうん、先例って、それだけで決まりになるんだね!じゃあ
与党が強行採決するのも先例だから守らなきゃね!
確かに、「参議院で勝っても衆議院で勝たなきゃ政権交代が
起きない」って小学生でも知ってる常識だよね!
でも、「せっかく参議院で勝ったのに消費税が廃止にならな
いやい、なんでだよ、ぷんぷん」なんて言ってる常識を全く知
らない人がいるね!誰だろう?