11.15日に、衆議院特別委員会で教育基本法改正政府案が自民党、公明党の連立与
党のみで可決された。「愛国心」教育や教育への行政の統制を強める内容の本法案に
は教育関係者だけでなく戦前の教育を知る方々から強い批判がある。また、教育基本
法改正案のタウンミーティングでの質問者買収問題、進学校を中心とした履修不足問
題、いじめおよび教育委員会による隠蔽問題は未解決なまま強行されたことは、多く
の国民に政治不信を起こすであろう。
今回の単独採決は、連立与党公明党、むきだしの「愛国心」の入った対案を出して
いる民主党、与党ペースの国会審議に常に応じてきた共産党に、大変な重しを課すも
のと思われる。
公明党=創価学会の、初代会長は治安維持法で獄死、二代会長も戦前に投獄された。
つまり、「愛国心」なるものの怖さを知っているはずの政党である。今回も、「自主
投票」の選択肢があったかも知れない。それが、単独採決に応じたとなれば、次は公
明党議員の靖国神社参拝となるのであろうか?
民主党は、参議院での審議で、逆に窮地に立たされ、股裂きとなる可能性がある。
すなわち、連立与党との対決を明確にしようとすれば自党の対案が邪魔になり、修正
協議に応じようとすれば自民党に丸呑みにされる可能性がある。
共産党は、防衛「省」昇格法案では、例によって審議に応じたが今回は野党共闘の
立場である。いつ、どの時点で連立与党と妥協するか注目される。そもそも、綱領改
定で象徴天皇制賛美に転じたこの政党に「愛国心」問題を今根本的に対決するよりど
ころは極めて小さい。
いずれにしても、沖縄県知事選挙での結果が重要な分岐点になりそうである。沖縄
では、元自民党の「そうぞう」を含めて反・米日安保、反基地でまとまって闘ってい
るのである。