館長雇い止め・バックラッシュ裁判原告三井マリ子さん 攻撃の先鋒・北川悟司豊中市議,自民党衆院議員・稲田朋美さ ん,高市早苗男女共同参画大臣,山谷えりこ補佐官をはじめと する,教育基本法「改正」や、ジェンダーバッシングなどを推 進する自称「右派」「愛国者」の方々。彼ら、彼女らのせいで 、日本の男女平等度は79位で先進国最低と言う惨状です。
彼ら,彼女らにあきれている私が、ある日、広島に来た ,インドの反グローバリズム活動家の友人に,日本の政治状況 について,「ナショナリズムが広がっている」「自民党がナシ ョナリズム」というと、以下のような,手厳しい反論が返って 来ました。
Koizumi and Abe are no natinalists!
と強い調子でたしなめられたのです。
はっとしました。わたしは,彼に対して、彼ら,彼女ら を表現するうまい英語の単語が浮かびませんでした。「fascist 」と言っても彼は納得しない。あらゆる語彙を総動員したが、 ワンフレーズで表現できませんでした。
最近はノルウエーや台湾、トルコなどからの来客の案内 や通訳を務めました。その際は,ultra conservative などと 表現しましたが,どうもお互い、しっくりこない。
そこで、私はワンフレーズでは説明せずに、中国や北朝 鮮の政権党,「セクハラ左翼」(レイプ事件を起こした過激派 など)とか「何ちゃってリベラル」(立派なことを言っていて もいざというとき権力を監視できない)と似たものを感じる, というと,うなずいてくれたりします。「えらい人」の利益追 求を「人権」に優先させる,という意味でです。
安倍さんらを批判した後、旧来左翼の「男性の『えらい 人』がなんでも夜中に料理屋で決めてしまう体質」「無党派を 見下した態度」も指摘したうえで、 "They pretend to be apoliticians of justice, though they are the most corrupted politicians as if they are communists in North korea or China or Soviet union. I do not like the leftist parties but I respect those who struggle to realize gender equality and the spirit of the constitution." などと、というと手を打って、納得してくれるのです。
そうなのです。今の「右派」の方々の言っていることは 「右」とか、「愛国」とか,「保守」では毛頭ない。ひたすら 強いものにおもねり、弱者(と彼ら・彼女らが思っている対象 )を踏みつけにするということなのです。保守でも革新でもや ってはいけないことをしている。
伊吹文部科学大臣の発言をみていると、それが露骨に感
じられます。
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200612050351.html
「教育基本法改正案は自民新憲法草案とも整合」文科相
2006年12月05日19時57分
伊吹文部科学相は5日の参院教育基本法特別委員会で、政府 提出の改正案を作成するにあたって、現行憲法だけでなく、自 民党が昨秋まとめた新憲法草案と「整合性をチェックしている 」と述べた。これに対し、神本美恵子氏(民主)は「自民党の 憲法草案は現行憲法と立場が違うのだから、問題ではないか」 と批判した。」
自民党の方が憲法よりもえらい。そんな,彼ら、彼女らが進 めるのは、「愛国心」を隠れ蓑に,「えらい人」がふんぞり返 るための政策ばかりです。
石原慎太郎さんも,大昔はアメリカ批判など、若いころ の私は評価していたのですが,最近はご子息2人は自民党代議 士にし,もう1人も都関係の施設で重用していたなど,「自己 の利益優先」が本質だったことが明らかになりました。
さらに、ナショナリストのはずが,(例えば福祉・医療 では日本人の有資格者がたくさん職に就かないで残っているの にその労働条件向上による就労促進も不十分なままなのに)外 国人労働者受け入れに積極的な発言をたびたびする(しかし、 あくまで「管理」であって、外国人労働者の人権保障を考える 文脈ではないのは明白)など,結局,労働力を安く使いたい「 えらい人」の味方に過ぎないということか、と今はあきれ果て ています。例:http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2005/051202.htm
「彼等は常に口を開けば、直ちに忠愛を唱へ、恰も忠君 愛国は自分の一手専売の如く唱へてありまするが、其為すとこ ろを見れば、常に玉座の蔭に隠れて政敵を狙撃するが如き挙動 を執って居るのである。彼等は玉座を以て胸壁となし、詔勅を 以て弾丸に代へて政敵を倒さんとするものではないか」(「大 日本憲政史」に出てくる、高校の歴史教科書にもよく出る、尾 崎行雄の第一次護憲運動での政府批判)がそっくり当てはまり ます。
「玉座」がさしずめ「公の秩序」。「弾丸」が、今後「 改正教育基本法」の元で、行われるであろう、「愛国心がない 」という対立者へのレッテルでしょうか?
今の多くの自称「右派」政治家は,実に、戦前の腐敗政 治家がめざしたのと同じ政治をめざしているのです。
皆さんも歴史の授業で勉強されたと思いますが、昭和初 期の民族派や青年将校は「天誅」と称してテロを行いました。 テロは絶対に許されない。暴力では問題は解決しないし、彼ら のやり方は間違っていた。
しかし、「天誅!」と叫んで、腐敗した政治家(今と同 じような構造改革を推進)や政治と結びついてぼろ儲けしてい た財界人を斬殺、射殺する瞬間の彼らは、東北地方で「娘身売 り」や「欠食児童」といった惨状にあえぐ庶民の心情、生活実 感(当時の軍の若手には貧しい農家の出身の人が多かった)を 出発点とした、純粋な怒り、正義感を爆発させていたと思うの です。
二・二六事件における精神的指導者である北一輝の著し た『日本改造法案大綱』は、男女平等・男女政治参画も含まれ ていました。「えらい人」と「普通の人」でいえば,「普通の 人」の側に明らかに立っていたのです。もう、70年前に、今の バックラッシュ派など、乗り越えられてしまっているのです。
戦前の民族派・青年将校の経済理論も、彼らの攻撃対象 も今の「弱いものいじめ右派」に比べれば正しい。正直、私自 身、高校からおそらく大学初期くらいのときは、彼らに心の底 から共感し、褒め称える漫画を描いて自分のHPにUPしたり していました。ただし,今は、もちろん、彼らのやり方が暴力 的であり、民主主義を破壊する、言論封殺につながる,絶対許 せないものであったと思い、当時の自分を恥じています。
今の「右派」の多くは日本経済をがたがたにした改革を 押し付けたアメリカ批判も結局しない。むしろ社会の荒廃の原 因を(今は「旧」になってしまった)教育基本法やフェミニズ ムに押し付けて構造改革を援護射撃しているのです。
自分自身も含めた「えらい人」の利益を追求するだけで はないでしょうか?そして自分より弱いものをみつけて叩き、 溜飲を下げる。醜悪な「なんちゃって愛国者」「なんちゃって 保守」です。
いや、今の「右派」の行っている政治は、クリーンだ、 旧橋本派や旧亀井派などの旧来自民(日本的社民主義)よりま しだと、いう方もおられるかもしれない。
しかし、報道でもご承知のとおり、「オープン」に見せ かけたタウンミーティングは、「世論偽装」「世論誘導」の装 置になっていた。経済財政諮問会議・規制改革民間開放会議は 、族議員を排除したクリーンなシステムに見せかけて、実際は 経団連の会長や、オリックスの宮内会長らが自分たちがぼろ儲 けするために、消費者や労働者、中小企業の代表も入れないで 、経済政策を決定する機関に成り下がっている。こうなると、 わざわざお金のやり取りをしなくても、企業幹部は政府と一体 なので、旧来自民のように、お金のやりとりを露骨にしないで 済むだけです。旧来自民は「官業癒着」だが、小泉・安倍政治 は「官業一体」なのです。
北川市議や稲田議員,安倍総理のことを単純に「戦前回 帰」といってしまったら、2.26事件の将校や戦前の民族派 の方々に大変失礼なのかもしれません。もし戦前の民族派が生 きていれば安倍総理らを見たら「天誅!」と叫んで襲い掛かる かもしれません。
「ふつうの人」はとにかく、主権者としての自覚を持ち ,このような「正義の味方の振りをした腐った『えらい人』」 に惑わされ,分割統治されないようにしないといけないと思い ます。