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一般投稿欄

社会市民連合、民主党に対し政策提言

2006/12/21 さとうしゅういち 30代 社会市民連合事務局長(連合系労組組合員)

  「社会市民連合」は、18日、民主党本部や各議員に池辺代表代 行らを派遣し、参院選へ向けての政策要望を行いました。

そうはいっても、民主党がどういう政策を採るかで、共産党な ど他野党もやりやすくなるかどうかが決まります。

民主党が右によると共産がやりやすくなるというのは嘘で、む しろ世の中全体が右によってやりにくくなるのです。

民主、公明、国民新党への働きかけと言うのが、今後、ある種 の「天王山」になって来るでしょう。

民主党の政権政策(たたき台)について要望
2006年12月19日
民主党代表 小沢 一郎 様

ばらばら、ぎすぎす、もうごめん!分断から共生へ! いっし ょに政治を変えましょう 
社 会 市 民 連 合
  http://www.geocities.jp/socialcitizenunion/
                社 会 市 民 連 合 代表代行 池邊 幸惠                    

                      事務局長 さとうしゅういち

はじめに
連日のご活躍,心強く思っています。
 私たちは,「政治を“えらい人のため”ではなく“市民のた め”のものにしよう」「ぎすぎす、ばらばら、もうごめん」 との思いから,
1、市民に情報を提供する 
2、政党や政治家に政策提言を行う 
3、ジェンダー平等の観点を持った女性,男性,マイノリティーの政治参加を促す 4、1-3、のため,市民が大いに議論する
ことを目的とした市民グループです。

 さて,このたび,貴党が政権政策(たたき台)を発表された と伺いました。これについて,私たちのグループや 市民の声を貴党にお届けしたいと考え,この文章を出させてい ただきます。まとまった文章とはならない,また お耳に痛い部分があるとは思いますが,ご参考にしていただけ れば幸いです。まず,市民の声をお示しした後, 論点整理という二部構成にさせていただきます。なお,市民の 意見が集まり次第,更にお送りしますことをご 了承ください。それこそ,「たたき台」です。また,貴党のご 説明も伺いながら,市民がいろいろ意見を出し 合って,議論を深めていきたいと思います。

 貴党が来年の参院選に勝利するには,この5,6年ほど「改革 」を言いながら,実際は「えらい人」の利益ばか りを追求する自民党との違いを明らかにすべきと考えます。そ れには徹底して「ふつうの人」の味方となる ことだと思います。

 貴党は,12月6日に,「民主党のめざす労働契約法案と労働 時間法制」案も出されていますが,大変すばら しい内容だと思います。政府がもくろむ残業代撤廃に対して割 増率増大を提案し,「全ての働く人」の味方に 立つ姿勢に感銘を受けました。有期雇用で雇止めに突然あった 労働者,出産を通知したら解雇された女性 などの苦しみを繰り返してはならないと考えます。

 これらの問題の解決にもつながる内容で,ぜひとも「案」とい わず,実現してください。これについても別途 要望書を担当部門の方に提出したいと思いますが,参考までに 添付させていただきます。
 そして、まえおきの最後に、国民にとって今、一番心配してい る重要なところを述べさせていただきます。

 日本のこれまでとこれからを心から愛している国民にとっての 最大の懸念は、わたしたちの平和憲法が今、 “ 風前の灯火”であるところです。

 キナくさい小泉政権を引き継いだ安倍政権が、来年の参議院選 挙で続投になりますと、もう、自民党草案の 新憲法の制定は必至です。なにしろ無法者政権をひきついでい るわけですから。ですから、わたしたち戦争 を憎む国民は、安倍政権の続投をなんとしても阻止するために このように必死になっています。

 今ここで、あの戦争への反省と総意をもって、全国民が喜んで 迎えいれたわたしたちの“日本国憲法”を、 この21世紀になって失ってしまうことは、時代に逆行するこ とであり、周囲の世界に混乱と及ぼし、再び日本 への侮蔑と脅威をひきおこすことになるだろうと予測されます 。

 どうぞ、安倍軍事政権に対抗するためにも、その違いを明確に してほしいと思われます。
 そのためには、是非、小沢新民主党政権になったら、

「小沢政権の間は、わたしたちの憲法にはさわらない」

との確約をしてくださいますようお願いいたします。どうぞ、 わたしたち多数の国民の、心底からの悲痛な魂 の叫びをお聞き届けくださいますようお願い申し上げます。 この戦争放棄の平和憲法を日本が捨て去ることは、先の15年 戦争において虐げられたわたしたち日本国 民にとってだけでなく、侵略されたアジアでのわたしたち日本 人の数千倍にも及ぼうかというはかりしれない 犠牲を強いられたアジアをはじめとする諸国民にとっても、と ても受け入れられないことです。

 もし、そのようなことになれば、この21世紀における世界的 な最大の喪失といえるでしょう。わたしたち日本 国民にとっても、この平和憲法こそが、最大の安全保障である ことを、心ある国民は自覚しています。

 そのような確約をいただければ、今、“9条の会”など何千カ 所、何万人という参加者たちをはじめ、声なき声で あった多くの国民の戦争への道を歩むまいとの思いが、しっか りと民主党につながると思われます。同時に、 他の野党とも共闘の可能性もでてくると思われます。

 このように国民に間にわきおこっている、平和憲法が失われる ことへの反対の声、そのうねりを十分に 考慮していただき、小沢政権のあいだは憲法には手をつけない ことを是非ともマニフェストで確約していた だけるよう重ねてお願い申しあげます。

 そうして、戦争に向かう安倍軍事政権との違いをそこで明確に 示していただけましたら,国民は安心して小澤 民主党政権への交代をのぞむでしょう。 どうぞ、この政権交代の道筋をつけるチャンスを是非とも、「 小沢政権の間は、憲法にはさわらない」と、その ように約束していただくことで、政権を現実に手にしていただ きたいと思われます。

第一部  市民の声

人々の生活がまずあって政治・経済課題。日本の問題は政治経 済に,主役であるべき人間が,ふりまわされていること だろうと思います。おろかな状態だと思います。
(山口県,60代女性)
小沢さんは自由党党首時代の選挙に際し「痛みを恐れては改革 は出来ない」と主張して,新自由主義を賞賛した事は忘 れたかのように「反改悪」を唱えておられますが,是非,当時 の主張を総括して頂く様お願いいたします。
(愛知県,60代男性 景山恵二)
「夕食を家族がともにできる時間帯に,労働者が帰宅できるこ と」を保障していただきたい。昔は貧しかったけれど子 ども達が幸せだったのは,食卓を囲む家族の風景があったから だと思います。
今も昔も,職責の上で家族の団欒を犠牲にせざるを得ない高級 管理職の方たちはともかくとして,衣食がほどほどに 足りるならばしたくもない競争に巻き込まれて心身をすりへら すことのない人生を選択したい庶民も多いのではない でしょうか。
一方で働かされすぎ,一方で失業不安,こういった状況に追い 詰められて,過労死や,年間3万以上の人々が自殺し ているのではないでしょうか。民主党として,ここをもっと調 査,分析して政策に活かしてほしいです。
(広島県,50代女性  よしいみちこ)

第二部  「民主党政権政策(たたき台)」について 「Ⅰ.教育  =「人づくり」から「国づくり」を始める」

「1.日本国教育基本法の制定」

 フィンランドでは,国の教育を,日本の教育基本法をお手本に して,そのとおりにしたそうです。結果,現在 フィンランドの子ども達は世界一の学力を有しています。

 OECD30カ国中,日本の教育予算は29位ですが,教育基本法をい じる前に教育にかける予算を重点配分 することが必要です。
 小泉さんが人心掌握した言葉の内,今も「米百票」が多くの人 に残るのは,子どもを持つ親が共感できる 内容だからです。

 日本は今,上にたつ人たちがとてもお手本となれる状況でない のに,それら恥ずべき諸問題に責任をとる べき与党自民党の人たちが自ら恥じることもないままに、諸外 国からもお手本となるような教育基本法を 改変してしまいました。 良いものをひきずり降ろし泥を塗っ てしまった恥ずべきやり方です。本来正すべきは,彼らが深く その失われた教育基本法を よく学び自らを糺し,向上しようとする謙虚な精神に立ち返る ことだったでしょう。是非,次の選挙では他の 野党と協力して政権党になっていただき、再改正していただき たいものです。

 教育基本法・憲法が現代にそぐわない,と自民党が言うのは自 民党自体がもう,時代にそぐわず古くなって いる証拠なのです。国民は,平和と人権尊重の現憲法の精神を 愛しています。民主党は,どうぞ,政権交代 がなりましたら、今こそ世界が理想とする宝を手放すことのな いようよろしくお願い申し上げます

「2.国は,義務教育における財政責任,「学ぶ権利」の保障 について最終責任を負う。」

 親あるいは子ども本人が学びたい教育の内容あるいは方法を, 「学ぶ権利」の“保障”だけでなく,そこには 「選択する権利」の“保障”こそ明記していただきたい。市民 は過去の経緯から国からの一方的に一元的な 内容を押し付けられることを恐れています。また,教育には, ○個々人の能力を最大限に育てること ○民主主義と機会均等,そして現在欠けている○政治参加の意 識を育てること,この3点は,なくてはなら ないものです。どうかそれをお忘れなく。

ところで,国が財政責任を負うその財政的保障はどこからでし ょうか。

「3.教員の質と数の充実」教員を煩瑣な事務から解放し,教 育に集中できる環境をつくる。

 賛成です。今の先生の忙しさの要因をなす事務の実態について 調査していただき、提出を義務づけられてい る報告書類はどこでどのように精査され、教育現場にどう活か される仕組みになっているものなのか、先生 の忙しさに納得できない国民に広くあきらかにしてください。 いたずらに書類を課し、先生が子どもたちと向き 合うことを阻害している状況を、貴党が把握されていることを 評価いたします。

 日本は戦前の全体主義の影響下から,自由で民主的な日本国憲 法の時代に変わりました。本来なら時代 に即してもっと早くに30人学級,西欧のように20人学級を実現 していれば,現在の教育現場での諸問題の 多くは回避できたと考察しています。団塊世代が教室に溢れて いた頃に授業が成立したのは,社会全体が まだ戦前の全体主義の気風だったからです。

 日本国憲法で基本的人権が保障されるようになり,日本社会が 自由を謳歌できるように変化しているのに, 学校現場だけが戦前の学級構成のままだったことが諸問題の原 因の一つといえます。憲法や教育基本法 の理念を軽んじる与党政府の怠慢が招いた結果が,昨今の惨状 をひきおこしているといえます。

「5.義務教育の拡大と保護者負担の軽減」

 大賛成です。30年ほど前,子ども一人育てるのは2000万円の借 金を背負うのと同じと言われました。デフレ とはいえ30年前よりは物価の上昇した現在だと一体幾らになる でしょう。子どもが受ける教育,学歴の差= 職域の差=収入の差となる現状では,カップルが理想とする子 どもの数ではなく現実的に育てられる数に 抑えざるをえません。

 又、ヨーロッパだけでなく、民主的に教育と福祉の路線を持つ 先進国は大体が教育に関しては、大学までも 無料です。ドイツでは公立私立を問わず、大学まで無料ですか ら、アメリカのようないのちの沙汰も金次第の ネオコンの方向性をこのままとりつづけていくと、結局、格差 拡大と少子化に拍車をかけてしまうと思われます。

「 6.子育て制度の一元化 」

 たとえシステムは一元化だとしても,その内容は多様化にして ほしいです。行政は親子共にどのような保育を うけたいかの選択の幅が広がるような補助をすべきでしょう。 とくに幼児小児の保育については,親それぞれ に保育方針がありますから,内容の選択の幅を広げるのは必要 なことです。 金は出すが,口は出さない方式が いいと思われます。それが生き生き元気な保育者達と,同様に 子ども達も,のびのびと大きく成長できる環境 となるでしょう。

 教育バウチャー制については反対です。ことに幼少年期におい て,子どもは地域で成育します。小学校は地域 社会の核です。学校選択の自由化は親の所得による子どもの教 育格差を固定化するだけでなく,地域社会の 崩壊を助長します。子どもが子どもである時間は,人間形成の ために非常に重要です。子どもが子どもでいら れる小学生時代を保障するためにも,中学受験を減らす施策に しましょう。中高一貫ではなく,小中または 小中高一貫となるようにして最終的には,中学受験が全廃にな るようにしていきましょう。

「Ⅱ.社会保障  =格差をなくして国民が助け合う仕組みを つくる=」

「2.雇用のセーフティネット」

・非正規雇用から可能な限り正規雇用へ転換

 大賛成です。Ⅰの5.にある教育費の軽減と共に,極端な少子 化を改善するために最も有効な施策です。安定 した経済力の基盤がなくては安心して出産,子育てできません 。また中産階級の幅の厚み回復は,日本社会全体 を安定させるだけでなく,消費者の層を厚くして内需拡大=経 済の活性化につながり結果として中長期的には, より大きな企業利益ともなります。

・管理職は自由競争,非管理職は終身雇用

 競争したいという人は出世めざして大いにやればよいですね。 したくない人はしない。これでよいと思います。

 しかし,経営者と一般労働者との給与の格差がアメリカのよう に何百倍にもひどくなり,「非管理職は奴隷の 如し」の格差社会拡大に向かうとしたら労働意欲も誇りも失わ れます。格差がこれまで以上に拡大しないよう な制限がいるでしょう。セーフティネットが充実していれば多 少は大丈夫かもしれませんが・・・。

 また,上級公務員と民間の格差是正と,とくに管理職の高給や 重ね取り退職金はやめるべきでしょう,庶民 の税金ですから。

「3.社会保障の抜本改革と消費税の福祉目的税化」

 社会保障制度の抜本的な改革を実現する。

 消費税は福祉目的以外には使わない原則を定め,それにより, 公正で安定した社会保障制度と国民に対し 税負担とその使途を明確に示す仕組みを確立する。消費税は, 現行の税率5%を維持し,税収全額を年金 財源(基礎部分)に充当する。

 賛成です。基本的に増税は必要ないと思います。一般会計に比 べて無駄の多い特別会計を精査するだけ でも相当額が減額できると元大蔵官僚の方から伺いました。日 本は空爆で破壊された状況から60年間平和 であった御蔭で道路など社会資本の整備蓄積は進みました。ハ ード部分に比べて遅れているソフト部分で ある社会保障を充実させ,雇用を安定させれば内需拡大になり ,景気も良くなると思います。税収も上がると 思います。

 とくに庶民や中小業者にとっては,これ以上消費税が上がって はとてもやっていけません。そして何よりも アメリカに追随して戦場に向かったり(今イラク戦争の後方支 援をしています)軍事予算を増やしていくよう なことのないよう,戦前のように軍事費増大への布石や代替財 源とならないようにする必要があります。

「Ⅲ.外交・安保政策  =平和を自ら創造する= 」

「2.真の日米同盟の確立

 日米両国の相互信頼関係を築き,対等な真の日米同盟を確立す る。そのために,わが国はわが国自身の外交戦略を 構築し,日本の主張を明確にする。

 また,日本は国際社会において米国と役割を分担しながら,そ の責任を積極的に果たしていく。さらに,真の 日米同盟の確立を促進するために,米国と自由貿易協定(FTA )を早期に締結し,あらゆる分野で自由化を 推進する」

「5.貿易・投資の自由化を主導」

 これらはどうでしょうか?「年次改革要望書」で突きつけら れてきたような,アメリカの理不尽な要求には反対 すべきだと思います。とくに,食料完全自給方針との兼ね合い をどう考えておられるのでしょうか?

 アメリカに対し相互信頼と対等の関係性・わが国独自の外交路 線はのぞましいので賛成です。 ただし、日米 安保条約は軍事同盟なので解消し、日米平和友好条約とする。 アメリカと対等な友好関係を結ぶことは今の日本 にとって大きな課題です。世界平和に貢献するためにも、米軍 基地を撤去させましょう。

「4.核廃絶の先頭に立つ」

 すばらしいことです。 これまで日本は,国内では核廃絶を国 民に訴えながら,実際に廃絶への国際条約 締結を国連で採決する段になると,反対や棄権に回るというこ とをしていました。
 核は人類を破滅させる事を、多くの人に知らせ、核によって( 力によって) 解決する事は出来ない事をアメリカにいえるのは、日本から広 島からだということを 政府が自覚し、核の必要のない新時代を日本政府が先頭に立っ て築いていく事を望んでいます。

 そして採算のとれない,子々孫々の存亡に関わり,再処理場や 処分場などでも問題のありすぎの原子力発電を 進めることは終わりにしましょう。たとえ北朝鮮が,核弾頭を つけなくても,原発を狙えば,日本はすぐさま チェルノブイリと同様になってしまいます。ですから、一番大 切なのはそうならないための外交努力なのです。

 被爆者への支援は、とくに在外被爆者へのそれは十分ではあり ません。国内においても、一律すぎる基準で多く の被爆者が原爆症に認定されていません。内外のヒバクシャや 、あらたに生み出されている原発からの被爆 労働者の実態も知り,彼等の救援にいっそう力を入れることは 、核廃絶と車の両輪です。

 また、今、非人道兵器である、クラスター爆弾の廃絶へ向けて ノルウエー政府が主導して国際的な運動が 高まっています。これに今の政府は賛同していませんが、積極 的に参加するようにしていただきたいです。 イラクやユーゴでアメリカ軍が使用したといわれるウラン兵器 についても被害を調査し、被害者の救援と 同兵器の禁止へ先頭に立たれることをお願いします。

7.自衛権の行使は専守防衛に限定
 日本国憲法の理念に基づき、日本及び世界の平和を確保するた めに積極的な役割を果たす。自衛権は、 これまでの個別的・集団的といった概念上の議論の経緯に拘泥 せず、専守防衛の原則に基づき、わが国の 平和と安全を直接的に脅かす急迫不正の侵害を受けた場合に限 って、憲法第9条に則り、行使する。それ 以外では武力を行使しない。自衛権の行使は専守防衛に限定」

“専守防衛”ついては、大変に喜ばしい,評価されるところだ と思われます。

 しかし、自衛権が個別か集団的かについては、これまでどおり の、民主党は「集団的自衛権には反対である」、 の姿勢で、専守防衛をつらぬいてほしいと思われます。

 これは、日本が強引なアメリカにこれからもひきずられていく のか、否かの民主党のアメリカに対する姿勢 と日本の真の自立をめざすのか否かのめやすとなるものだかん らです。

 2006年12月の第165回国会で,貴党も支持されたため,防衛 庁は防衛省になってしまいました。国民の安全 を本当に守りたいなら遍く世界が平和になるよう努力すること が必要です。日本国憲法の理念を実現するためにも、 防衛省を「平和省」に改称しましょう。そして,世界平和と国 内の平和のために貢献できる平和省を世界に 率先してつくり、平和な国づくりの支援などのさまざまなジャ ンルを担当する「平和庁」と,これまでのように 専守防衛と軍縮の「防衛庁」とで構成するようにしましょう。

 日本が,先の戦争の惨禍を悔い,世界の平和推進のために貢献 する姿勢を示すことになります。軍事大国 化への東南アジア諸国の疑念を払拭できるだけでなく,世界の 国々の中で名誉ある地位を得ることができる と思います。

「8.国連平和活動への積極参加 国連は二度に亘る大戦の反省に基づき創設された人類の大いな る財産であり,これを中心に世界の平和を 築いていかなければならない。

「二度に亘る大戦の反省に基づき創設された人類の大いなる 財産」
 これはすばらしいフレーズです。この人類の大いなる財産が掲 げる理念を憲法として体現しているのは世界 でも,わが日本国とコスタリカだけです。わが国の平和憲法= 日本国憲法前文にある理念や戦争放棄の 第9条こそが理想の凝縮であり,世界のお手本なのです。

 先進国で唯一のすばらしい人類の大いなる宝を自ら捨ててしま わないようにしましょう。政治もその宝の価値を 認め,政治に生かしていきたいものです。 ほとんどの国民は それを願っています。戦争でいつも犠牲になるのは, 弱い者・弱い国民なのですから。

「 8.国連の平和活動は,国際社会における積極的な役割を求 める憲法の理念に合致し,また主権国家の 自衛権行使とは性格を異にしていることから,国連憲章第41 条及び42条に拠るものも含めて,国連の要請 に基づいて,わが国の主体的判断と民主的統制の下に,積極的 に参加する。」

 上記の専守防衛を守ることをくれぐれも慎重にお願いします 。“国連が常に正しいとは限らないということも 留保”していただきたいと思います。
 実際,失敗例も多くあります。現在のところ,アメリカの動向 を考えると国連が積極的に行動することは考え にくいのですが,もしそうなった場合に,どうするか。慎重に 議論をお願いします。

「Ⅳ.農業  =まず食料から国民の安全と安心を実現する= 」

「2.食料の完全自給を目指す」

 OKです。が,貿易政策との整合性がどうなるのでしょうか ?

 WTOへの抗議で韓国の農民がハンストや抗議の自殺までして いることをご存知でしょうか。自国の農民を 守り,国民の真の健康を守るには,アメリカの言うことを聞い ていてはできないということです。

「3.地域に不可欠な小規模農家等を守り,農山漁村を活性化 する」

 すばらしいです!例えば定年になって健康と職の確保のた めに帰農する人達をこぞって奨励促進したり, おこたりなくケアや交流も続け,日本の過疎の地が人々と共に 自然も文化も生き返るような,そんな日本の 農業政策・過疎振興政策をすれば,おのずと自給自足率もあが ってくるでしょう。

「4.戸別所得補償制度の創設」

 所得保障は欧州でもやっているので良いと思います。農家が 兼業しなくても農業だけで生計が成るよう にしなければ,食料自給率は向上しません。これまでは,農道 の整備などが道路予算と別立てで実施された りして,農業予算が効率的だったとはいえません。都市部に比 べて多くの税金を注ぎ込まれた割には,そこで 暮らす殆んどの農家の方々は,経済的には豊かになれませんで した。

「Ⅴ.環境   =世界に誇れる環境国家をめざす=」
 全体として賛成です。 環境を保護し,それも,これまでの コンクリートの保全でなく自然と人との共存を 頭において,日本が本来豊かに守り育ててきた,昔の賢人に学 んで豊かな自然を育てていくことは,人々の心 だけでなく生活や食も豊かにしてゆくと思われます。

 また、街づくり,交通システムの改善なども具体策に踏み込ん でいただきたい。それから,環境問題はそうは いっても,企業が責任を果たすようしっかりと求めることが必 要です。たとえば,道路環境保全は人々の ガソリン税だけではなく,自動車メーカーも本来持つべきです 。メーカーは製品の最後まで責任を持つべき ではないでしょうか。

「Ⅵ.経済・中小企業  =分権・規制改革・霞が関解体によ る,経済・中小企業の活性化=」

「2.中小・零細企業の支援

小規模企業はわが国経済の基盤であり,雇用とビジネス・チャ ンスを生み育てる源泉である。そのことを明確 に位置づけるため,「小企業憲章」を制定する。下請けいじめ ,第三者保証要求など優越的地位の濫用とも 言える旧来の取引・金融慣行は是正し,中小企業の公平・公正 な競争環境を確保すると共に,オーナー課税 の見直しなどにより中小企業税制を確立し,後継者不足・円滑 な事業承継などの課題にも取り組み,中小・ 零細企業の活力を高め,起業の促進を図る。

 すばらしいと思います。中小企業いじめの金融政策の是正が 必要だと思います。

「3.誰もが豊かに暮らせるまちづくり

高齢者にも住みやすく,環境にやさしいまちづくりの観点から ,商店街の支援を含め,地域経済の核としての 中心市街地の再生を推進する。その基本的な観点,大規模商業 施設との連携のあり方などについて国が 基本的な法制,ガイドラインを整備した上で,まちづくりの権 限については,原則市町村に全て移譲し,地域 の実情に応じた中心市街地の活性化を住民が主体となって進め る。」

 いいですね。これまで,国主導で環境にやさしいまちづくり がありましたか。また,大型店舗の傍若無人 な展開は,国内を問わず海外への侵略戦争と同様です。自民党 政府は金融機関を甘やかすばかりに中小 零細業者を切り捨ててきました。しかし,虐げられてきた大多 数の庶民こそが国をつくり支えてきているの です。

「Ⅶ.分権・自治  =真の地方分権で,「国のかたち」を改 める= 」

「1.分権国家の樹立

明治以来の中央集権制度を抜本的に改め,「地方分権国家」を 樹立する。地方のことは権限も財源も地方に 委ねる仕組みに改め,国会議員も国家公務員も国家レベルの本 来の仕事に専念できるようにする。」

 賛成です。「逆明治維新」が必要だと思います。しかし,こ れと教育行政に関する国からの財政の一元化 との矛盾をどうしますか。

「2.基礎的自治体の整備
「地方分権国家」を担う母体を「基礎的自治体」とし,全国を300 程度の基礎的自治体で構成する。「基礎的 自治体」が生活に関わる行政サービスをはじめ,できる事務事 業は全て行えるよう,権限と財源を大幅に 移譲し,体制を整備する。都道府県は将来的に地方公共団体か ら外し,最終的には国と基礎的自治体に よる二層制の新たなる「国のかたち」をめざす。」

 基礎的自治体を300程度に再編するというのでは大きすぎない でしょうか?国の赤字の付回し的な平成 大合併のため,今でさえサービス低下=支所は権限がないので 本庁へ行かねばならない,などの弊害が 発生しています。

 むしろやるなら,その300の自治体を「藩」とする。「廃県 置藩」です。その下に,平成大合併前の市町村 くらいの単位の自治体を置く。ただし,議会の議員は全てボラ ンティアとし,夜間開催で参加しやすくします。 議員は「えらい人」ではなく,「ふつうの人」が誰でも参加す るシステムです。これは,ノルウエーなど欧州 では常識です。

「Ⅷ.政治・行政改革  =政治を国民の手に取り戻す= 」

「1.国民の政治参加を保障する

 選挙こそ民主主義の原点であり,国民の政治参加の最大の権利 である。これを保障し,より公平で,幅広い 政治参加を実現するために,一票の較差の是正,18歳選挙権 付与,インターネットの活用促進などを実現 する。
 重要政策の政治判断にあたっては,国民の意見を参考とするた めの国民投票を制度化する。また,迂回 献金の禁止など政治資金の透明性を高め,公正で透明な信頼さ れる政治を実現する。」

 概ね賛成です。例えば国民投票に当たっては,ノルウエーでは ,学生も運動のために授業を休むことが 出来ます。 社会人も,運動に従事するために休暇が取れます。自分達の暮 らしに直結する政治に関わることは,権利 であると共に義務でもあると考えられているからです。賛否両 方に公平に政府から補助が出るなど「民主 主義の土俵」が整備されています。また今以上に,女性の政治 家を増やす努力をする必要があります。

 ところで,小沢代表には失礼ながら,やはり,小選挙区制は失 敗だったのではないでしょうか?死票を減らし, その時の民意を反映し,人口の増減にも対応幅が広く一票の重 みの差を広げないのは比例代表制です。
 民主主義の先進国である欧州諸国が採用している比例代表の枠 を広げるか,小選挙区ではなく中選挙区 制に戻して欲しいです。
 そうすることで,女性候補者を増やせますし,多様な意見も反 映されるようになります。また,庶民でも 立候補できるように高額すぎる供託金なども引き下げて欲しい と思います。

  ≪参議院改革について≫

 参議院は不要という一院制論もありますが,多様な視点で権力 の暴走を抑制するには二院制を維持した 方が良いと考えます。国土の均衡ある発展のために人口比だけ でなく各地域代表が集うように,参議院 は衆議院よりも一票の軽重の差が容認されています。国民の均 衡ある発展のためには,参議院議席の 男女比を国民の割合と等しくなるようにすることが必要です。

 例えば,地方区の偶数部分は男女同数にし,奇数部分は三年毎 に男女枠を入れ替え,比例区は拘束 名簿に戻し,候補者順を男女交互にすれば可能です。

 ご存知のように,1979年に採択された「女性差別撤廃条約」を 日本は1985年に批准し,4年毎に国家 レポートを女性差別撤廃審議委員会に提出し,審査を受けてい ます。2004年の審査(3度目)でも,未だ 残る様々な女性差別を指摘され,改善を勧告されました。政府 代表は「2020年までに,あらゆる意思決定 の場に女性が30%は居る」ようにすると約束しました。期限 までに参議院選挙は5回,衆議院選挙も 同程度でしょう。去年の衆議院選挙は「刺客」で特殊でしたが ,少なくとも30%までの女性議員増加分を より早く得た方が与党です。

「5.行政改革・特殊法人改革」

 国がやるべきことは正々堂々国がすればよいと思います。要は こそこそやっているようなところがまずいのです。
 民間に中途半端に委託してやる,なども建築確認の民間委託で まずさが明らかになりました。とにかく最終責任を 明らかにさせましょう。

≪そのほか,要望事項≫

 経済財政諮問会議・規制改革民間開放会議は,「えらい人」中 心なのでこれは廃止していただきたいです。民間議員 は御用学者2名と経団連・同友会代表だけで,中小企業や消費 者,労働者といった視点が欠落しています。そのため 日本経済低迷の原因である需要不足を改善できないでいます。 規制緩和や大手企業への優遇措置をとりながら一方で, 生活点のセーフティネットはお粗末という実態のままで,解決 するものではないと思います。

 総論としては,削るべきは削りつつ,地域経済,社会保障や教 育,食料といった安全網はしっかり国がみる。
「効率的で大きな政府」にすれば良いと思います。

これまでは,男性正社員がお金をほぼ稼ぎ,女性は家事かせい ぜい家計補助という体制を前提としていました。
 貴党のめざす社会はそうではなく,性別に関わらず,人生の選 択ができる社会であると思います。そういう方向 での改革こそが,めざすべきだったのに,自民党は「小さな政 府」といいながら,利権温存しまくり,規制緩和で 「えらい人」がぼろ儲けしまくりです。その打破へ向けて奮闘 をよろしくお願いします。それでこそ,貴党の参院選 勝利の道も開けます。

池邊 幸惠 mail: peace@yukichan.cc http://yukichan.cc
“ 平和市民の風”世話人
「平和の結集」をめざす市民の風代表呼びかけ人
http://kaze.fm/kaze.html
平和省プロジェクトジャンプ副代表
http://ministryofpeace.jp/
さとうしゅういち
E-Mail:hiroseto@f2.dion.ne.jp
http://blogs.yahoo.co.jp/socialcitizenunion
地域・平和・人権・環境 広島瀬戸内新聞
http://www.h2.dion.ne.jp/~hiroseto/

神永 れい子
Milquota-k-reiko@hkg.odn.ne.jp
芦田川ルネッサンスネットワーク事務局 http://www5e.biglobe.ne.jp/~asdagawa
クオータ制の実現をめざす会 事務局代表
http://www1.odn.ne.jp/~quota
全国フェミニスト議員連盟 世話人
http://www.afer.jp/index.html

摂津正
tadashi_settsu@hotmail.co.jp
http://sapporo.cool.ne.jp/hommelets/
「 地域コミュニティフリースペース芸音ホール」
http://geion.e-city.tv/
「PAFF・フリーター全般労働組合」http://a.sanpal.co.jp/paff/

「自由放送」http://kalayaan.e-city.tv/

増田千代子(広島): 長谷川真実子(兵庫):吉岡滋子(東京)

第3部(添付資料・民主党のめざす労働契約法案及び労働時間 法制パブリックコメントについて)

民主党 代表 小沢一郎様
(政策調査会内 労働契約・労働時間係)

さとうしゅういち

民主党のめざす労働契約法案及び労働時間法制パブリックコメ ントについて

 このたび、貴党で議論し策定された「民主党のめざす労働契約 法案及び労働時間法制」に敬意を表します。大変 ご苦労様でした。

総論

 すばらしい内容である、の一言です。ここまで徹底して「普通 の人」の側に立てるたたき台を出されたとは、私も 正直感動しました。

 政府が、ホワイトカラーエグゼプション(ホワイトカラーに は残業代なし)、解雇し放題の労働法制を出し、 経済財政諮問会議の御用学者は「格差是正」を、正社員を悪条 件に突き落とすことで実現しようとしている。そこ には、「えらい人」のけちくさい利益のためなら、国民の人権 を踏みにじり、長期には、日本を滅ぼしても良いと 言うまさに国賊的な狙いが透けて見えます。

 財界などからの圧力はあるかもしれない。しかし、経団連の 「えらい人」も、「普通の人」も同じ一票です。 「普通の人の一票」を取りにいきましょう。「えらい人」は、 どうせ、最初から自民党と決まっているのです。 貴党が擦り寄っても、「普通の人」は「じゃあ自民党でいいじ ゃん」となるだけです。

 この調子で、自民党との違いをはっきりさせ、地方選、参院 選、きたる総選挙で自民党を撃破されんことを 心からお祈り申し上げます。

「第1 民主党の目指す労働契約法案(仮称)と労働時間法制 」

○ 民主党はパート、契約社員をはじめ、働くすべての人を応 援いまや勤労者の80%は労働組合のない職場で 働いている。労働組合の一員であれば、労働組合と使用者の団 体交渉による「労働協約」の締結を通じて、労使間 の実質的対等関係が実現できるだろう。しかし多くの労働者、 特に中小企業で働く人たちは、会社が定めた就業規則 のもとで働き、労働条件も合意のないまま一方的に変更されて いるのが現実で、他方、就業規則すら定められて いない職場も多い。実際のところ、都道府県労働局による助言 ・指導のうち、3分の2は中小企業で働く人たち からの相談である。中小企業の活力向上はわが国経済の基盤で あり、「小企業憲章」などの制定を通じて、公平・ 公正な競争環境を確保していくことが不可欠であるが、同時に 公正な労働契約のもと、人づくりなくして企業の 活性化もありえない。
→全くそのとおりだと思います。

価値観が多様化し、賃金や処遇などの労働条件の個別処理が図 られ、また、多様な雇用形態が広がり、司法制度 改革などを通じて「契約」を重視しようという国民意識が醸成 されてきている今、「労働契約とは何か」「労働 時間の規制はなぜ必要なのか」という原点に立ち返る必要があ る。そして、民主党は労働者個人であっても、 企業と実質的に対等に交渉できるための公正かつ透明なルール を提示し、もって人生のさまざまなステージに おいてワーク・ライフ・バランスをとりつつ、安心、安全、健 康に、いきいきと意欲を持って働くことができる 社会をめざしたい。
→そのとおりだと思います。労働組合の既得権だけを守ると言 う批判が貴党や、日本社会党に浴びせられてきた のは残念ながら事実ですが、労働者全体の利益を考えると言う ことを前面に打ち出し、自民党との違いを明らか にしていただきたい。自民党は「みんなで沈んでお金持ちがぼ ろ儲け」という方向を目指すのに対して、民主党は 「普通の人」がみんなで幸せになると言う方向を目指していた だきたい。

「第2 労働契約法制の検討にあたっての方向性」について

Ⅰ 労働契約の基本原則について

○ 労働契約が、労働者と使用者が対等の立場で交渉し、十分 な情報と自由意思に基づく実質的な合意に よって締結及び変更すべきものであることを示してはどうか。

○ 労働者及び使用者が、相手方の人格及び財産に関する利益 を尊重し、誠実に各々その労働契約上の義務 を履行しなければならないことを示してはどうか。

○ 労働者は使用者の指揮命令下で働くことから、安全と健康 の確保について、使用者の責務を定めてはどうか。
→全くそのとおりです。
○ 労働契約における均等待遇の原則を定めることについて、 検討してはどうか。
○ 労働者の個人生活、社会生活及び職業生活の調和に関する 定めを置くことについて、検討してはどうか。
→そのとおりです。

Ⅲ 労働契約の締結
(1)労働契約の成立
○ 求人広告などに書かれた募集・採用時の労働条件が、労働 契約成立時においてその内容となるものと推定 してはどうか。
(2)労働契約の期間
○ 有期労働契約を締結する場合には、正当な事由ないし合理 的な理由を必要とすることとしてはどうか。
○ 有期労働契約の締結に際し、労働者に対して、期間の定め をする理由、当該契約の期間の満了後に おける当該契約に係る更新の有無などを書面で明示しなければ ならず、書面による通知がないときは、 期間の定めのない労働契約が締結されたものとみなしてはどう か。
○ 有期労働期間を超えて働く場合に、使用者がこれを知りな がら異議を述べないときは、労働契約は同一 条件で更新されたものとみなしてはどうか。
○ 当該労働契約を更新しないときは、原則として、当該労働 契約期間の満了する日の少なくとも30日前 までに予告しなければならないとしてはどうか。

○ 更新の可能性有とされていた場合の使用者による更新拒否 について、これを制限する規定を設けては どうか。
→突然雇い止めとされる例が相次いでいます。本当に、この規 定の制定を渇望します。

○ 更新拒否がされた場合、労働者が更新拒否の理由について 証明書を請求したときは、使用者は7日 以内に交付しなければならないとしてはどうか。
→まったくそのとおりです。

○ 1年を超える期間の定めのある労働契約を締結した場合、 一年を経過した後は、2週間前の申入れにより、 労働者はいつでも退職することができることとしてはどうか。

「Ⅳ 従属的自営業者の扱い
○ 従属的自営業者2 を定義し、これに当該契約の性質や業務 の実態に対応して労働契約法の適用または 準用を行ってはどうか。定義にあたっては、指揮監督の有無と いうよりは、経済的従属性(業務遂行の継続 性や専属性などにより判断)に重点を置いてはどうか。例えば 、自己の危険と計算のもとに業務に従事して いる者が、特定の者との間の役務提供契約に基づき一定期間継 続して専属的に当該業務に従事し、当該 業務が他の者による代替が予定されていない場合には、その業 務の実態に即してこの法律の規定の一部 が適用又は準用されるものとするといったことは考えられない か。
→一人親方など事実上は労働者なのに、保護が与えられないと いうのは枚挙に暇がありません。抜け穴をふさぐ 必要があります。

Ⅴ パートタイム労働者及び有期契約労働者の均等処遇につい て

○ 雇用の場における均等処遇を確保すべく、使用者は、パー トタイム労働者及び有期契約の労働者につい て、合理的理由がある場合を除いて、賃金及び労働条件につい て、通常の労働者と差別的取り扱いをして はならないこととしてはどうか。
→まったくそのとおりです。有期雇用職員が出産を理由に雇い 止めされるなどの悲劇を防がねばなりません。

○ 就労形態の転換に関して、使用者は、労働契約の条件明示 の際に、期間の定めのない労働契約への 変更の有無を明示しなければならないこととしてはどうか。
→当然だと思います。旧来の体制は、男性正社員が家族を養う 責任を負い、女性は家計補助でパートという ものでした。それは男女の役割分担を固定したものでしたが、 自民党はそれを変える際、悪い方向へ変える すなわち、若者では非正規を多くするという方向にしてしまっ ているのです。このため、今の社会はガタガタ になっています。

 そうではなく、男女共に均等待遇。そのかわり、生活点での セーフティネット(介護、医療、住宅、教育など) を社会がしっかり見るシステムをつくること、家での責任をき ちんと男女共に果たせることです。個人が選択 肢を選べる社会にすることです。子育て支援や年金の保障など 最近の貴党の姿勢と併せれば全面的に 支持できます。

Ⅶ 労働契約の展開

(2)配置転換・出向・転籍

○ 転居を伴う配置転換(単身赴任を含む)が労働契約の変更 にあたる場合には、労働者と説明協議の上、 当該本人の同意を必要とするとともに、当該労働者代表との間 で説明協議を尽くすこととしてはどうか。
転居を伴う配置転換が労働契約上認められている場合において も、説明協議を尽くさなければならない こととしてはどうか。

○ 出向させる場合には、労働者の承諾が必要とし、出向先、 出向期間、出向先での就業場所、職務の 内容と地位、勤務地並びに出向期間中及び復帰後の賃金、退職 金算定方法等の労働条件を書面で明示 しなければならないこととしてはどうか。出向させる権利が労 働契約上認められている場合においても、労働条件の明示等をしなければならないこと としてはどうか。

○ 転籍させる場合は、労働者の同意を得ずに行うことができ ないとし、同意は転籍の時点でなされる こととし、転籍を拒否したことを理由に不利益な取り扱いをし てはならないとしてはどうか。転籍させる 場合も労働条件等を書面で明示しなければならないこととして はどうか。
→転勤拒否が事実上の女性差別につながる場合も多いのが現実 です。転勤拒否による差別をなくすよう 一段の表現の強化をお願いしたいと思います。

Ⅸ 労働契約の終了
解雇の金銭解決制度は、気に食わない人がいれば、カネを払っ て解雇できるという法的根拠を企業に 与えるに等しい。現在でも解雇をめぐる争いで、労使双方が金 銭解決を望めば、裁判内外の和解や調停、 労働審判制度の調停により解決しているのだから、あえて使用 者にそうしたメリットを付与する必要は みあたらない。

(1) 解雇理由
○ 解雇は、客観的に合理的な理由に基づき、社会通念上相当 であると認められる場合でなければ、その 効力を生じないことを明記してはどうか。
→当然だと思います。

(3) 経営上の理由による解雇
○ 経営上の理由による解雇については、次の各号をいずれも 充足しなければならないとしてはどうか。
①解雇しなければならない客観的な経営上の必要性が存在する こと
②解雇回避の努力が尽くされたこと
③解雇対象者の人選基準が客観的合理性を有し、かつ、その適 用が公平になされること。
④労働者及び労働組合との間で、説明協議が誠実に尽くされた こと
→これらを本当に守らせないと駄目です。判例はあることはあ るが、明文化しないと駄目な時期に 来ていると思います。

○民主党がめざすのは安全で安心して暮らせる社会 民主党は、少子高齢社会においても日本経済が発展し、国力を 維持、増大を図って行くことが何よりも 大事なことと考えている。その源は、まさに国民が安全で安心 して働くことであり、不安定な雇用や健康 を損ねる恐れのある労働環境を作ってはならず、常に長期安定 雇用が確保されなければならないところが 政権与党の失政により、社会の根源にあるべき長期安定雇用が 失われ、使用者にとって使い勝手の良い、 いつでも雇用調整できる労働者が生み出され、格差社会を招い ている。政治の目的は安全で安心して 暮らせる社会づくりである。働くことによって心身の健康を損 ねたり、過労による病死や自殺を生み 出す要因を取り除くことが政治の大きな役割である。
→まったくそのとおりです。

○長時間労働は健康を損なう

その意味においても、労働時間の規制は、働く人の自由時間の 確保、すなわち一人の人間として、心身 の健康と人間らしさを取り戻し、生活の質を向上させ、心豊か な人生を送るために本質的な課題である。 ところが、この労働時間の規制の重要性が日本においては正社 員を中心に過度に軽視されており、人間の 尊厳どころか、睡眠や身の回りの用事、食事など、身体を維持 していくために必要な時間すら確保できな いような長時間労働があたりまえとなっている。これでは労働 者の自己実現や能力発揮はおろか、仕事の 生産性の向上につながるはずがない。
→そのとおりです。そこがないがしろにされています。

労働時間と労働者の健康は密接に結びついている。日本経済に とっての貴重な人材が、長時間労働、 ストレス、メンタルヘルスや過労死・過労自殺などにより枯渇 するようなことがあってはならず、 民主党は働くすべての人が安全で安心して働ける社会にするた め、健康・安全配慮義務、労働時間管理 の重要性を訴えてきた。
→これらの現状認識を、全面的に支持します。

「第3 労働時間法制(労働基準法改正)の見直しにあたって の方向性」について

Ⅱ 仕事とプライベート生活が調和できる働き方

民主党は、労働時間法制の基本的考え方として、「ワーク.ラ イフ.バランス」(仕事とプライベート 生活の調和)を掲げている。

労働者は職業生活、個人生活そして社会生活と、多面的な「生 活」空間を保持している。

個人生活と仕事を調和させながら両立させていくには、労働者 の心身の健康確保が必須である。労働時間 は働く人を物理的、精神的に拘束し制約する。働く人の生活に とって労働時間が占める比重はきわめて 大きいだけに、労働時間の規制により心身の健康を確保しなけ れば、ワーク.ライフ.バランスは実現しない。

労働時間法制を政府が想定しているような「少子化対策」や「 過労死対策」といった応急措置的側面から 取り上げるのではなく、疲労回復、人間性や創造性を取り戻す ゆとりの回復、生活の質の向上、仕事と 自由時間のオン・オフによる気持ちのリフレッシュ、家族や友 人とのふれあい、地域活動への参加、心豊 かな人生、そして文化的生活の実現といった社会のあり方全般 から見直す必要がある。

→この認識を全面的に支持します。少子化対策だの、過労死対 策だのは消極的です。しかも「お上の都合」 です。いってみれば「民は活かさず、殺さず」の現代版です。 「国家を個人の上におく」憲法観、国家観の現れです。

そうではなく「個人を国家の上に置く」憲法観、国家観と貴党 の認識は一致しています。いかに、人間 らしく生きるかそのための社会をどうするか、です。

Ⅲ 心身の健康を確保できる働き方

(1)時間外労働の割増賃金の割増率の引き上げ

○ 仕事から解放され自由に過ごせる時間に労働の命令をする のであれば、時間の価値に見合う賃金を 払うのは当然のことであり、時間外労働させた場合の割増賃金 の割増率を例えば5割に引き上げてはどうか。

→全面的に支持します。そのことが、また効率的な仕事のあり 方にもつながると思うのです。

(2)管理監督者の定義の明確化

○ 現在の労基法の運用は、本来の労基法上の管理監督者では ないいわゆるスタッフ職等グレーゾーン労働者 についても、管理職と同様の処遇を受けているといった理由で 管理監督者として取り扱い、労働時間規制を 適用除外にしている。管理監督者については法律上の文言、「 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の 地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」という法制定時に 想定していた本来の範囲に戻し、この人たちに 対してのみ労働時間規制を適用除外とすることを明確にしては どうか。

→名前だけ課長という人も結構います。それで「管理監督者」 と言われても困ります。

(3)健康確保のための労働時間管理

○ 健康確保のための労働時間管理に実効性がない以上、自律 的ないし自由度の高い労働にふさわしい制度と 称される、いわゆる日本版ホワイトカラー・エグゼンプション の導入はありえないのではないか。→当然です。

○ 健康確保措置として、使用者は「週当たり40時間を超え る在社時間等がおおむね月80時間程度を超えた 場合には、対象労働者に対して医師による面接指導を行うこと 」とし、それに基づいて労働時間の制限や休養、 療養といった措置を実施することとしてはどうか。

○ 退社時間から最低11時間経過しないと、次の勤務につい てはいけないことを趣旨とする「1日11時間 の休息」を規定してはどうか。
→欧州では常識です。

(4)年次有給休暇の確実な取得

○ 年休の取得状況は悪化の一途をたどっており、取得日数の 拡大のため、病気やけがについては後述の病気休暇 において対応し、有給休暇については、連続休暇の推進を明確 にうたってはどうか。

→全くそのとおりだと思います。欧州並みに休暇が取れるよう になったら国内のサービス業の活性化にもつながる と思います。