2月21日、大阪地裁で開かれた「館長雇い止め・バックラッ シュ裁判」で、桂容子さんの証人尋問が行われました。
これは、大阪府豊中市の男女共同参画推進施設「すてっぷ」 の公募非常勤館長だった三井マリ子さんが、北川悟司市議らバ ックラッシュ・ネオコン勢力の攻撃に遭い、2003年度末で雇止 めになったとして、豊中市ととよなか男女共同参画推進財団を 訴えていたものです。証人の桂さんは、すてっぷ現館長(三井 さんの後任。前職は寝屋川市)です。
桂証人は、館長選考のための面接の前に、本郷人権文化部長 に、「あなたしかいない」「面接は形だけだ」と言われたとい うことを一村和幸市議に話しています(一村市議「陳述書」) 。一方、本郷部長、山本元財団事務局長ら豊中市幹部は、「面 接は茶番などではない、公正だった」などと証言しています。 その矛盾を解くために今日の証人尋問がなされました。
今日は、最初に原告側による主尋問、続いて被告側の反対尋 問、さらに原告側の再主尋問が行われました。桂証人は、かな り慎重にしかも何度も「記憶にない」ということを繰り返して いたのが印象に残りましたが、以下のことは証言しました。
まず、「2003年12月11日に本郷部長から話しを受けた際、候 補とかは言われておらず、 図面を見せられて、ここ(すてっ ぷのトップ)をお願いしたい」と言われた。「三井さんが、も し、すてっぷに残られるということを聞いていたら、当然、市 からの三井さんの後任就任への打診は受けなかった」と言いま した。また、2004年正月明けに、前職場で同僚から「三井さん は更迭や、と言われた」ことを聞いた、とも言いました。「本 郷部長が私に『あなたしかいない』と言った、という一村市議 の陳述書はそのとおり」と認めました。
反対尋問では、「面接があるということをいつ言われたかは 覚えていないが、面接で応募の動機を聞かれてびっくりした」 。ところが、「面接は形式的と言われ、自分もそう思っていた 。でも、最近はそうでもなく、面接が公正だったんだと思って いる。自分は、危ういところにいたんだと気づいた」などと証 言しました。
しかし再主尋問で、原告代理人から「どうして面接が公正だ ったと思うようになったか?」と問われて、「今年1月に入っ て理事の集まりがあり、面接の選考委員だった吉井理事、岸本 理事らが、『内定している人がいるのに面接を行うのは茶番で はないか』と本郷部長に抗議していたのを聞いたから」と証言 しました。すなわち、選考委員の中でさえも茶番ではないかと 言う問題意識があったことを暴露する結果になりました。
また、財団の規則が、非常勤館長のまま改正されていないこ とについて、「おかしい」と感想を述べました。そして、原告 代理人から「今のすてっぷの事業には、事業課長が統括するこ とになっており、館長・事務局長が関われなくなっているでは ないか」と聞くと、「館長の自分は、仕組み上なかなかできな い」。一村議員の陳述書にある「男女共同参画の仕事がしたか ったのに・・・できない」との部分を確認されると、それを認 めました。最後に、「体制変更は、実態は組織強化とはなって いない」という衝撃的発言で尋問が終わりました。この発言に よって、バックラッシュ側の思い通りになっている現状が浮か び上がったのです。
現職の館長であるだけに、市幹部や選考委員(理事)が傍聴 席にいる中で、慎重に言葉を選ばざるを得ない様子が伝わって きました。また、現在、桂さんがイメージしたとおりの仕事が 出来ていないことにもどかしさを感じていることも明らかにな りました。
次回は結審。6月11日(月)13時15分からです。